2018年9月 理事長通信

合掌

今週末の9月1日は「防災の日」です。毎年全国各地で様々な形で“防災訓練”や“災害に備える”ことをテーマにした啓発行事が行われていますが、「防災の日」は1923年9月1日に発生した関東大震災に由来しています。関東大震災は、相模トラフが震源のマグニチュード7.9の大地震に加えて日本海を通過する台風に伴う強風が大規模な火災を引き起こした複合災害だったということですが、自然災害への認識を深めると共に教訓として災害対応への心構えをより強くする目的で1960年に制定されています。関東大震災から95年、阪神・淡路大震災から23年、東日本大震災からも7年が経過しました。今年7月の西日本豪雨でも200人を超える人命が失われ、被災地域は酷暑の中で今なお厳しい状況が続いていることはご承知のとおりです。近い将来発生すると言われている南海トラフ地震は広域かつ甚大な被害をもたらすと予測されています。自助・共助の備えはもちろんですが、「防災の日」に具体的に水消火器を使った消火訓練や修練場所からの避難訓練を行っている所属もあると聞いています。最低でも所属ごとに災害時の安否確認がとれるような体制を作り上げておかなければならないと考えています。

さて、“障害者雇用の水増し”問題が大きく報道されています。雇用義務がある国の33行政機関のうち27機関において不適切な処理が行われてきたということです。「障害者雇用率制度」によると“障害者がごく普通に地域で暮らし、地域の一員として共に生活できる「共生社会」実現の理念の下、全ての事業主には法定雇用率以上の割合で障害者を雇用する義務がある”(抜粋)として、民間企業:2.2%、国・地方公共団体等:2.5%、都道府県等の教育委員会:2.4%という具体的な数値が示されています。今回、対象となる行政機関の8割以上において雇用者数6,900名のうちの半数にあたる3,460名が水増しだったという驚愕の実態が公表されました。(国税庁に至っては7割強、1,000人以上の水増しがあったということです。)民間企業に対しては法定雇用率の遵守状況について3年ごとに監査があり、未達成ペナルティは5万円/人という納付金が課せられるということですから、数値目標をクリアすることはかなり大変な取組みとなっていました。もちろん単なる数値のクリアだけでなく制度の目的を理解したうえで実現を目指すという点でもCSRの一環としての取組みでもあったわけです。しかし、“範を示すべき”国の機関がこの体たらくではお話にならないし、何よりも政府を挙げて取組むという『一億総活躍社会実現』に向けての本気度が疑われます。どこかの組織ではありませんが、実情に合った施策であったのかも含めて一考が必要なのではないでしょうか。振り返ってみれば、自衛隊の南スーダン国連平和維持活動(PKO)では、派遣部隊の日報に「戦闘」が起きたと書かれているのに、日報は残っていないことにされ、当時の防衛相の国会答弁では「衝突」と言い換えられました。「武器輸出三原則」は「防衛装備移転三原則」に、「共謀罪」は「テロ等準備罪」に、「カジノ法」は「統合型リゾート実施法」と、手を変え品を変えての手法による法案成立が続きました。財務省の決裁文書改ざん、森友・加計学園に関する文書のずさんな管理をはじめこうした国民を欺く一連の不祥事と同じように、全て“バレなければ何をやってもかまわない”という“官のおごり”という以外、表現のしようがありません。自浄能力のない組織は必ず崩壊すると言われますが、行政をつかさどる組織に自浄能力がなければ私たちの生活そのものが危機に瀕することになります。このところのアマチュアスポーツ界の不祥事も大なり小なり組織の自浄能力にかかわる部分が問われているのだと思います。体制的に健全な組織と硬直した組織の差を考えるときに組織の中の風通しの良さやコミュニケーションの大切さを感じます。利害関係のない組織であればなおさらです。

私自身、2011年に皆さんからの信任を得て現職を務めていますが、あっという間に8年が過ぎようとしています。自分なりに会員の皆さんの声に耳を傾け“できることを精一杯”取組んできたつもりですが自己満足ではなくいかに皆さんに受け入れられる組織運営を行うことができたかということだと思っています。稲盛和夫氏(京セラ・KDDI創業者)の言で「動機善なりや、私心なかりしか」という言葉は常に自分を振り返ることに繋がっています。これからも肝に銘じておかなければならないと思っています。

「人、人、人、すべては人の質にある。」と喝破された開祖の言葉。私たちは少林寺拳法開創の目的をしっかりと心に刻み、“どう生きるのか”を問い続けなければなりません。

 

 

 

 

※少林寺拳法“グループ愛知”ポータルサイト構築計画に伴い以下のサイトが立上っています。

 (愛知県連盟サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kenrenにて紹介)

  ■11支部サイト掲載(スポーツ少年団・大学・実業団)

(愛知県教区サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kyoukuにて紹介)

   ■54道院サイト掲載

再拝

2018 年 8月 30日

愛知県連盟理事長  多月 文博




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