「理事長通信」カテゴリーアーカイブ

2018年9月 理事長通信

合掌

今週末の9月1日は「防災の日」です。毎年全国各地で様々な形で“防災訓練”や“災害に備える”ことをテーマにした啓発行事が行われていますが、「防災の日」は1923年9月1日に発生した関東大震災に由来しています。関東大震災は、相模トラフが震源のマグニチュード7.9の大地震に加えて日本海を通過する台風に伴う強風が大規模な火災を引き起こした複合災害だったということですが、自然災害への認識を深めると共に教訓として災害対応への心構えをより強くする目的で1960年に制定されています。関東大震災から95年、阪神・淡路大震災から23年、東日本大震災からも7年が経過しました。今年7月の西日本豪雨でも200人を超える人命が失われ、被災地域は酷暑の中で今なお厳しい状況が続いていることはご承知のとおりです。近い将来発生すると言われている南海トラフ地震は広域かつ甚大な被害をもたらすと予測されています。自助・共助の備えはもちろんですが、「防災の日」に具体的に水消火器を使った消火訓練や修練場所からの避難訓練を行っている所属もあると聞いています。最低でも所属ごとに災害時の安否確認がとれるような体制を作り上げておかなければならないと考えています。

さて、“障害者雇用の水増し”問題が大きく報道されています。雇用義務がある国の33行政機関のうち27機関において不適切な処理が行われてきたということです。「障害者雇用率制度」によると“障害者がごく普通に地域で暮らし、地域の一員として共に生活できる「共生社会」実現の理念の下、全ての事業主には法定雇用率以上の割合で障害者を雇用する義務がある”(抜粋)として、民間企業:2.2%、国・地方公共団体等:2.5%、都道府県等の教育委員会:2.4%という具体的な数値が示されています。今回、対象となる行政機関の8割以上において雇用者数6,900名のうちの半数にあたる3,460名が水増しだったという驚愕の実態が公表されました。(国税庁に至っては7割強、1,000人以上の水増しがあったということです。)民間企業に対しては法定雇用率の遵守状況について3年ごとに監査があり、未達成ペナルティは5万円/人という納付金が課せられるということですから、数値目標をクリアすることはかなり大変な取組みとなっていました。もちろん単なる数値のクリアだけでなく制度の目的を理解したうえで実現を目指すという点でもCSRの一環としての取組みでもあったわけです。しかし、“範を示すべき”国の機関がこの体たらくではお話にならないし、何よりも政府を挙げて取組むという『一億総活躍社会実現』に向けての本気度が疑われます。どこかの組織ではありませんが、実情に合った施策であったのかも含めて一考が必要なのではないでしょうか。振り返ってみれば、自衛隊の南スーダン国連平和維持活動(PKO)では、派遣部隊の日報に「戦闘」が起きたと書かれているのに、日報は残っていないことにされ、当時の防衛相の国会答弁では「衝突」と言い換えられました。「武器輸出三原則」は「防衛装備移転三原則」に、「共謀罪」は「テロ等準備罪」に、「カジノ法」は「統合型リゾート実施法」と、手を変え品を変えての手法による法案成立が続きました。財務省の決裁文書改ざん、森友・加計学園に関する文書のずさんな管理をはじめこうした国民を欺く一連の不祥事と同じように、全て“バレなければ何をやってもかまわない”という“官のおごり”という以外、表現のしようがありません。自浄能力のない組織は必ず崩壊すると言われますが、行政をつかさどる組織に自浄能力がなければ私たちの生活そのものが危機に瀕することになります。このところのアマチュアスポーツ界の不祥事も大なり小なり組織の自浄能力にかかわる部分が問われているのだと思います。体制的に健全な組織と硬直した組織の差を考えるときに組織の中の風通しの良さやコミュニケーションの大切さを感じます。利害関係のない組織であればなおさらです。

私自身、2011年に皆さんからの信任を得て現職を務めていますが、あっという間に8年が過ぎようとしています。自分なりに会員の皆さんの声に耳を傾け“できることを精一杯”取組んできたつもりですが自己満足ではなくいかに皆さんに受け入れられる組織運営を行うことができたかということだと思っています。稲盛和夫氏(京セラ・KDDI創業者)の言で「動機善なりや、私心なかりしか」という言葉は常に自分を振り返ることに繋がっています。これからも肝に銘じておかなければならないと思っています。

「人、人、人、すべては人の質にある。」と喝破された開祖の言葉。私たちは少林寺拳法開創の目的をしっかりと心に刻み、“どう生きるのか”を問い続けなければなりません。

 

 

 

 

※少林寺拳法“グループ愛知”ポータルサイト構築計画に伴い以下のサイトが立上っています。

 (愛知県連盟サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kenrenにて紹介)

  ■11支部サイト掲載(スポーツ少年団・大学・実業団)

(愛知県教区サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kyoukuにて紹介)

   ■54道院サイト掲載

再拝

2018 年 8月 30日

愛知県連盟理事長  多月 文博




2018年8月 理事長通信

合掌

8月6日午前8時15分、73年前の今日も広島市内の空は晴れわたり、道行く人たちは半袖から突き出た腕を朝からじりじりと照りつける太陽に焼かれながら職場や学校へと向かっていたことでしょう。人類史上初めて市民の頭上に投下された原子爆弾によって奪われた死没者は8月5日現在で31万4118人に。遡れば2009年4月にチェコの首都・プラハでバラク・オバマ米国大統領(当時)が提唱したのが「核なき世界」でした。「唯一の核兵器国として行動する道義的責任がある。核兵器のない世界の平和と安全保障を追求するという米国の約束を表明する。」と宣言し、2016年5月27日には現職の米国大統領として初めて広島市の平和記念公園を訪れ、原爆死没者慰霊碑で「広島の教訓を生かさなければならない」と演説しました。そして今日、広島市で行われた平和記念式典で松井一実市長が「人類は歴史を忘れ、直視することを止(や)めた時、再び重大な過ちを犯してしまう」と訴えました。それに対し、同じく平和祈念式典に参列した安倍首相はその挨拶の中で、国連加盟の122ヶ国が賛成して昨年採択された「核兵器禁止条約」について今年も触れることはありませんでした。核の開発・保有・使用に加えて使用をちらつかせる「脅し」も違法と定めたこの条約を唯一の被爆国である我が国は拒絶しているからなのでしょうか。しかし、米国はオバマ大統領からトランプ大統領に変り、核廃絶を目指す風景も一変しました。開祖が説かれた『人、人、人、すべては人の質にあり』をここでも実感させられます。果たして人類は、「人道」という共通の価値観に立って「核なき世界」を創り上げることに英知を結集することができるのでしょうか。最優先すべきことが明確に決まっているのに・・・。8月9日、長崎でも「原爆の日」を迎えます。昨年の式典終了後に被爆者団体の代表者が安倍首相に対して「あなたはどこの国の総理ですか?」と詰め寄った光景が印象に残っています。唯一の戦争被爆国として果たす役割を問われ続けていることに背を向け続けているとは思いませんが、毎年発せられる型通りの首相コメントに「核廃絶」に向けた覚悟が感じられないのは私だけでしょうか。

さて、先週8月3日(金)~5日(日)にかけて『2018 彩る感動 東海総体(翔べ 誰よりも高く 東海の空へ)・少林寺拳法競技』が西尾市総合体育館において開催されました。今大会には全国44都道府県から選抜された185校744名(男子388名、女子56名)が参加し、男女とも単独演武・組演武・団体演武の3種目でこれまでに培ってきた技術度と表現度を競い合いました。インターハイの正式種目となって今回で5回目、当初から評価されてきた出場拳士をはじめとした高校生拳士たちの立ち居振る舞いはもちろん、危惧されている“競技偏重”傾向とも無縁の爽やかな大会だったと感じました。その一方で、個人的には演武構成順序の共通点の多さに違和感があり、前大会で評価を得た演武のコピ―化傾向も少し案じられました。そういう意味では審判技術の向上が常にそして増々求められていることを痛感しました。その他には、最寄駅から30分くらい歩いてやっと大会会場に到着したといった声も聞かれ、高体連専門部として会場選定に関する様々な制約を含めて今大会開催に際しての行政との関わり方も含めて裁量範囲がある程度限られているような印象も受けました。いずれにしても、猛暑・酷暑の中での大会運営で非常に神経を使われたこととお察しします。従事された全ての関係者各位に対しあらためて敬意を表します。

大会期間中(2日~5日)、川島会長付で様々なお話をさせていただくことができました。組織機構改革以降の地方の現状や愛知県の考え方、取組みに対してもしっかりと耳を傾けていただきました。

最近、ワイドショー番組の話題を独占し続けている感のあるアマチュアスポーツ界ですが、「専横」(好き勝手にふるまうこと)という文字をよく目にします。財務省の決裁文書改ざん、森友・加計学園に関する文書のずさんな管理等、国政における公文書や情報管理といった国民の「知る権利」をないがしろにした問題も“根っこ”は同じに見えてしまいます。

私たちの取組みはまず自分が変わり続けること、そして身近な環境から変えていくことです。目的を見失わず、常に“再思三省”を繰り返しながら活性化を図る組織でありたいと思っています。そのためにも風通しのいい環境づくりに引き続き取り組んでいきます。ご意見等、積極的にお寄せください。

 

 

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2018 年 8月 6日

愛知県連盟理事長  多月 文博




2018年7月② 理事長通信

合掌

全国各地で連日最高気温を更新するという酷暑が続く中、7月22日(日)に「2018年愛知県少林寺拳法大会」を予定通り愛知県武道館において開催し、無事に終えることができました。今大会の出場拳士は1,050名。昨年より約90名少ない規模での開催となりました。例年の開催場所である愛知県体育館に比べて観客席は約1/3の1,500席。官庁街で日祝日の路上駐車が広範囲にわたって許されている県体育館周辺の駐車事情に比べ、県武道館は地下駐車場と隣接する高架下駐車場を合わせても圧倒的に駐車台数が足りないため、周辺駐車場(東海建設㈱所有の臨時駐車場)の確保に加えて名古屋競馬場の臨時駐車場も確保し、加えて他団体との無用な混乱を避けるため全館を借り切って臨みました。会場から延々と続く車の列、入り口での混乱等々、最悪のスタートも予想してはいましたが、7時30分過ぎには滞る車列もなくスムーズに入館することができました。かなり早い時間から現地で待機されていた車両もあったと聞いておりますが、はじめての会場で何とか無事に開催することができましたのは偏に参加拳士や保護者の皆様の絶大なご協力に加え、前日の準備を含めると延べ約200名のスタッフの皆様の献身的なご協力の賜物であると、実行委員会を代表してあらためて心より感謝申し上げます。

さて、今大会は来年の全国大会開催を睨んで会場の確保が大きな検討課題でした。当初描いていたのは今年、来年と全国大会会場を2回使用することで会場の使い勝手や運営プランを実際に試してみて、大会計画をより確実性の高いものに仕上げていくつもりでいました。しかし、結果的に“スカイホール豊田”の使用が難しいとなった時点で7月度の昇段・武専会場として確保していた県武道館を急遽県大会の会場に振り替えることで何とか開催にこぎつけることができたという綱渡りの開催でもありました。

大会では演武審査が一部昼食時間にズレ込み、出場拳士や審判の方々には慌ただしい休憩時間となったこともありましたが、何とか時間内に退館まで持って行けたことも皆様のご協力のおかげと深く感謝申し上げます。ただ、表彰式の最中にエアコンが切れて会場内の室温が急激に上昇したことや審査結果に対する厳しいご意見も寄せられ、個別に順次説明、回答しているところです。大会後に寄せられたご意見やご相談の中には今回も他の所属拳士から心無い言葉を浴びせられたといった内容も含まれており、あらためて日々の指導、修練の大切さを痛感させられました。このところ頻繁に本部から注意喚起を促すメールが届いています。熱中症予防に関するものと“各種ハラスメント”に関するものです。大会成績を修練の一つの目標として取組むことを否定はしませんが、全てであってはならないと思います。私たちは“何を目指しているのか?”“修行の偏りはないのか?”を常に振り返っていなければなりません。今大会を午後から観覧していただいていたCBCテレビと東海テレビの事業部の方から大会運営もさることながら、「競い合いの場で互いの健闘をたたえて拍手を送り合う姿は綺麗ですね」との感想をいただきました。単なる武道やスポーツではない「行」としての在り方の一端を大会という場を通して部外の方に少なからず感じていただけたことに誇らしさを感じました。

また、当日会場ロビーにて行いました『西日本豪雨被災者支援』の募金活動には多くの方々がご協力くださいました。合計130,208円は愛知県大会での募金活動結果として本部に報告させていただきます。支援先等の活用結果については後日ご報告します。

 出場申込み段階での課題、演武審査の課題、会場設営や進行上の課題等々、満点を目指して毎年取組んでいる大会ですが、なかなか万々歳で終えることができていません。しっかりと総括し、次回大会、そして全国大会に繋げていきたいと考えています。一般拳士からも全国大会運営への協力の申し出もいただきました。次世代にいい形で“バトンタッチ”できるような大会を県内が一体となって取り組めるような環境づくりを進めていきたいものです。

来年は、6月9日(日)にスカイホール豊田で「東海大会」に格上げして開催することが内定しています。

『2019年少林寺拳法全国大会inあいち』は2019年11月23・24日に開催します。引き続き拳士各位の絶大なご協力をお願いします。

 

 

 

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2018 年 7月 25日

愛知県連盟理事長  多月 文博




2018年7月 理事長通信

合掌
“平成30年7月豪雨”(2018年6月28日以降、西日本を中心に北海道や中部地方等全国的に広い範囲で記録された台風7号及び梅雨前線等の影響による集中豪雨)によって被害に遭われた方々や関係者各位に対して心よりお悔み、そしてお見舞いを申し上げます。
発生以来、時間の経過と共に被害状況も刻々と変化していてとどまるところがありません。連日の報道からも被災現場の状況にただただ目を覆うばかりですが、少しでも状況が好転することを願うばかりです。今後は募金活動や復旧作業へのボランティア参加等々、検討を進めたいと考えています。ご協力をお願いします。
さて、6月14日に開幕したサッカーワールドカップロシア大会がいよいよクライマックスを迎えています。前回大会優勝のドイツが早々と予選リーグで敗退するなど、世界ランク上位の強豪国が次々と敗れる波乱の連続で、世界トップレベルの戦いはまさに“やってみなければわからない”勝負の厳しさを見せつけています。そんな中、大会前の予想を大きく覆して決勝トーナメントに駒を進めた日本代表は残念ながら1回戦で惜敗してしまいましたが、世界ランキング3位の強豪ベルギー相手に“あわや”というところまで追い詰めた大健闘にサッカーファンならずとも大きな感動を与えられました。母国の誇りを身にまとい、鍛え上げられた者同士の最高峰での真剣勝負・ぶつかり合いはその妥協のない場だからこその緊張感の中での一挙手一投足から多くの感動が生まれ、見るものすべてを魅了します。敗戦が決まり、ピッチに横たわる日本選手に言葉をかけ手を差し伸べるベルギー選手たち。そこには死力を尽くした者同士の勝敗を超えた光景が広がっていました。また、ベルギーに敗れた直後のロッカールームに残された日本代表の去り際の行いとメッセージが世界中の注目を浴び称賛を受けたことや日本人サポーターの試合後のスタンド清掃など、世界が注目する一大イベントの中で市井(しせい)の日本人の道徳心、品格がいかんなく世界から評価され、発信されていることに誇らしい気持ちにさせられます。このところの国内での防衛省、財務省、文科省と国民を欺く相次ぐ不祥事の中でその根源ともされている政治家や官僚の道徳心・品格の劣化に辟易していた中で、久々に“日本人らしさ”を認められたようでホッとしました。「人、人、人、すべては人の質にある。」と喝破された開祖の言葉。少林寺拳法開創の目的をしっかりと私たちは心に刻み、あらためて“どう生きるのか”を問い続けていかなければなりません。
来週、7月22日(日)に愛知県大会(兼全国大会選考会)が開催されます。会場選定にあたって他団体との調整が上手くいかなかったこともあって、例年の開催場所とは異なる愛知県武道館にて開催します。観客席や駐車場は例年のように十分に確保されていません。他団体への影響も考えて全館借り切っての使用を目指しましたがどうしても弓道連盟の行事と重なっています。来館に際しては、会場からは少し遠い駐車場の利用や公共交通機関の活用等でご協力をお願いします。会場使用に関する注意事項や駐車場情報等、愛知県連盟のホームページに掲載してありますからご活用ください。

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                                                      再拝

                                                2018 年 7月 11日
                                           愛知県連盟理事長 多月 文博




2018年6月 理事長通信

合掌

“むしゃくしゃしていた。誰でもよかった”

6月9日、新横浜~小田原間を走行中のJR東海道新幹線車内で乗客の男女三人が次々に刃物で殺傷された衝撃的な事件の全容が徐々に明らかにされていくにつれ、何とも言いようのない暗澹とした気持ちにさせられてしまいました。1964年の開業以来、東海道新幹線では年間12万本が運転されているにもかかわらず事業者側責任による乗客等の死亡事故は1件もなく、現在に至るまで「新幹線の安全神話」として語り継がれているわけですが、今回発生した事件のように乗客が普通に市販されている道具(刃物)を凶器として用い、自らの勝手な言い分で無差別殺人犯へと豹変することまでは当然想定されていないでしょうし、まして犯人の心の暗闇までは到底うかがい知ることは不可能であることを考えると、残念ですが防ぎようのない事件と言わざるを得ないようにも思ってしまいます。古来、優れた倫理観・道徳観を持つ国民性によって社会の仕組みが“性善説”で成り立っているこの国においてはなおさらです。

遡ると2001年6月8日に発生した「大阪教育大付属池田小(小学生無差別殺人)事件」から17年、2008年6月8日に発生した「秋葉原無差別殺傷事件」からは10年が経過しましたが、何の関係もない人がある日突然理不尽に命を奪われてしまう事件・事故がこの間様々な形態ながら後を絶ちません。物理的な対策をもってしても防ぐことができないことに対して私たちには何が対策として残されているのでしょう。ある高僧の講演録の中にこんなくだりがあります。「人間は、いや、生きものは全て最先端の『残り時間ゼロ』という究極の現実の命を生きている」と。生死はすべてギリギリの現実であり、避けようも択びようもない事実であるということです。だからこそ私たちは与えられた今ある「いのち」の最後の一滴まで生ききる努力を続けていかなければなりません。

“嘘つきは泥棒の始まり”

「平気で嘘をつくようになると盗みも平気でするようになる。嘘をつくのは悪の道に入る第一歩である」というのがこの警句の根拠とされますが、公文書管理や情報公開という行政上の車の両輪と言われるものが二つとも政府によってないがしろにされました。1年以上にわたって政治を揺るがしてきた「森友・加計問題」、当事者の一つである財務省の調査報告書の公表という形で一方的に“一定の節目を終えた”とされましたが国民のほとんどが納得できていないこの問題をこれで幕引きとする政府に対してもやはり言いようのない暗澹とした気持ちにさせられてしまいます。自分のためになるなら善悪構わず何でもやる、自分さえよければ何をやっても構わないという考え方が前述の“無差別殺傷事件”とどこかで共通しているような気がしています。そしてさらに、悪質タックルが注目された日大アメフト部の一連の顛末。まったく関連性がないはずの事案がどうしても相似形に映ってしまいます。

“この国はいつからこんな風になってしまったのでしょうか?”

明らかに責任を問われるべき政治家が誰も責任をとらない。嘘が常態化している。政治道徳の堕落や世界的なモラルの低下等々。開祖は「良いことは良い、悪いことは悪い」と言える勇気と見識を持つことを少林寺拳法の修行を通して私たちに求められました。『人、人、人、すべては人の質にあり』の原点に立ち返り、私たちはまずは身近な環境から変えていく努力を続けていかなければなりません。まさに「私たちはどう生きるか」が問われています。

 

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2018 年 6月 15日

愛知県連盟理事長  多月 文博




2018年5月 理事長通信

合掌

ゴールデンウィークが終わり、街にいつもの喧騒が戻ってきました。桜の季節があっという間に終わり、木々の緑もやさしい黄緑色からしっかりとした緑に変ってきました。ハワイ島キラウエア火山の噴火をはじめ、このところ世界的規模で起こっている自然の猛威に成す術を持てないこともあわせて人知の及ばない世界を今更ながら感じます。北朝鮮の核開発問題を巡って国際情勢が大きく変動しようとしている一方、大型連休を挟んで国内では相変わらず政治の停滞が続きました。「当たり前のことが当たり前に行われない」この国の病巣は底なし沼のように深く感じてしまいます。“自分さえよければ良い”“目的達成のためには手段を択ばない”“ばれなければ何をやっても許される”“異なるものを認めない”等々、国権の最高機関で議論される内容も閣僚をはじめ行政府の要職者の発言も耳を疑うことばかりです。「人としていかがなものか?」大袈裟かもしれませんが、この国の品格・品性が問われる危機的な状況を招いているようにさえ思ってしまいます。「良いことは良い、悪いことは悪い」と言うことは勇気もいるしリスクも伴います。しかし、それぞれの立場で“何のために”という部分に照らし合わせて答えを導き出していかなければならないのではないでしょうか。

昨年来、80年も前に書かれた1冊の児童書が大きな話題を集めています。戦前、岩波書店で日本初の新書≪岩波新書≫を立ち上げた吉野源三郎著の『君たちはどう生きるか』です。軍国主義による閉塞感が高まる1930年代に文学作品としてではなく、旧制中学校の生徒に向けた倫理についての本として書かれており、教養論として世に出されたようです。そんな児童書が80年後の今、なぜ人の心を捉えるのでしょうか。人間としてどう生きれば良いのかを読んでいくうちに自然と考えるように書かれているところが子供はもちろん多くの大人たちにも共感を持って迎えられたのではないか。いじめに対する“勇気”や“貧困と格差、教養”といった現在社会にも通じるテーマに真摯に向き合う主人公の心の葛藤、そして生き方の指針に対する言葉が数多く示されているところが共感を呼んだのではないかとも評されています。

『動機善なりや、私心なかりしか』「京セラ」「KDDI」などを設立された経営の神様・稲盛和夫氏の経営哲学の一つです。常に自問自答して“動機”の善悪を判断し、過程においては“プロセス善なりや”を問い、常に“私心なかりしか”を問いかけ続ければ自ずと結果は問う必要のないものとなるということです。氏は現役であった80代初めまでこの言に照らして日々反省を繰り返されていたと言われています。『誰にも負けない努力をする。謙虚にしておごらず反省のある毎日を送る。生きていることに感謝する。善行、利他行を積む。感性的な悩みをしない。』という「6つの精進」を説かれ、多くの教訓が述べられていることは今更説明には及ばないことです。稲盛氏は、日本人に今求められていることは「人間は何のために生きるのか」という最も根本的な問いかけに真正面から向かい合うことだと述べられています。大きな話題を集めている80年前の児童書、稲盛氏の哲学。言葉は人生をも変え得る力を持っています。まさに開祖の言葉と重なります。私たちが引き継ぐべき「開祖の思い」。かくありたいものです。

県連定期総会、愛知・岐阜・三重の三県合同武専を終えてホッとする間もなく全国中学生大会並びに全国大会少年の部の代表選考会、そして愛知県大会へと県内行事が続いていきます。その間にも県高校総合体育大会(インターハイ予選)や東海学生大会等も順次開催されます。私自身にとっても県連運営に携わって20年以上にわたって毎年関わっている行事ですが、満足のいく運営ができた記憶はほとんどありません。毎回毎回100点満点を目指して取り組んではいますがその都度課題が残る結果となってきたような気がします。参加する拳士のため、そして少林寺拳法を生涯修行として永続して取り組んでもらえるように運営責任者としても謙虚にそして精一杯の努力を積み重ねていきたいと思う毎日です。

2019年11月23・24日、豊田市にある「スカイホール豊田(豊田市総合体育館)」にて15年ぶりに全国大会を主管することが決定しています。愛知県の総力を挙げて取り組んでいかなければなりません。引き続きご協力をお願いします。

 

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2018 年 5月 10日

愛知県連盟理事長  多月 文博




2018年4月② 理事長通信

合掌

先週末の4月21日(土)、本山にて全国都道府県教区長会議が開催されました。昨年まで同時開催していた全国都道府県連盟理事長・各連盟部長会議は今年3ヶ所に分けてこれとは別開催されます。組織機構改革を経て5年、2018年度は“組織の区別化”なるものがより鮮明に打ち出されてきているように感じられます。これまでグループとして発行されていた年間行事予定表もその一つです。2018年度はグループ内組織が各々単独で年間行事予定表を示すなど、何かと不自然さを感じてしまいます。道院と道院拳友会、門信徒と財団個人会員は一人で二人です。各組織の役割が異なるから行事予定表もそれぞれが発行するということはわからないわけではありませんが、三種類の年間予定表を重ね合わせるストレスは間違いなしにあります。会議の別開催や分開催にしても疲弊する地方組織にとって少しでも負担を軽減しようという意図は読み取れなくもありませんが、本山・本部の位置づけや求心力という面での低下も片方では懸念されるところです。シンプルな「教え」と理論的な「技術」に魅せられて生涯をかけてこの道に邁進する拳士にとって有用な施策であることを願うばかりです。

さて、4月22日(日)に2018年度の愛知県連盟定期総会(並びに愛知県教区全体会議)が開催され、2017年度事業報告と収支報告、ならびに2018年度事業計画案と収支予算案を原案通り承認していただくことができました。例年通り事前質問が寄せられていたこともあって、当日の関連質問と合わせて限られた時間ではありましたが出席された皆さんと有意義な意見交換ができました。また今回は一般社団法人SHORINJI KEMPO UNITYの地方組織となる「UNITY運営委員会」が各都道府県に設置されたことで、「武専運営」に関する質問や意見がいくつか出されました。学生数の激減に対する方策やそれに伴う運営予算の積上げ根拠、運営体制の見直し等々について具体的に予算案を示して皆さん方の理解を求めました。あわせて所属長の皆さんには武専研究会への参加を再度お願いしました。武専研究会は今月から午前中に50分の実技時間を2コマ設け、午後にもこれまで同様50分の実技時間を2コマ設けてスタートしています。「拳理」を中心に所属長や武専卒業者の研鑽の場としてより多くの方々に集っていただき、運営面での支援・協力もお願いしたいと思っています。

組織の区別化が地方組織や各所属の活動の幅を狭め柔軟性を損なう要因となることは本末転倒するものです。常にあるべき姿を求めて県内の活性化を目指していきます。“愛知県の物差しは堅持する”ことは言うまでもありません。引き続きご協力をお願い致します。

 

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2018 年 4月 27日

愛知県連盟理事長    多月 文博




2018年4月 理事長通信

合掌

昔から、「花」といえば“桜”を指すほど日本人は桜が大好きです。『諸行無常』の感覚に例えられることもあり、満開の時の華やかさとは対照的な散り際の儚さや潔さが日本人の心情をつき動かすからだと言われます。今年は特に開花が早く、職場の窓から見える桜並木には早くも葉桜が目立つようになってきました。

年度が替わり所属長の皆さんにおかれましては決算書類の作成や所属拳士のスポーツ保険加入手続き等々、道場での指導以外にエネルギーを割かれていることと拝察いたします。県連としてもこの時期は定期総会に向けての議案書(前年度総括と今年度活動計画)作成や県大会に向けての準備が重なるため、事務局を中心に連日期限に追われるタイトな毎日となっております。加えて、今年度新たに設置された「愛知県UNITY運営委員会」に移行する昇格考試(昇段・昇級)と武専運営の具体的な計画策定について悩ましい日々が続いております。

さて、専門学校禅林学園の閉校に伴って武専の運営母体が今年度より一般社団法人SHORINNJI KEMPO UNITYに移行されることは所属長会議でも説明してきたところです。具体的には本部地区(岡山・徳島・香川・愛媛・高知県)と東京地区を除く全国35地区において地方組織を設置して、現在各県連で行っている昇格考試と新たに武専の運営を所掌するということです。組織機構改革を経て地方においては県教区・県連という組織の区別化が明確にされましたが、新たに「UNITY運営委員会」が設置されました。新しい組織の代表者はとりあえず今年度については“県連理事長が兼務”することとされているほか、昇格考試と武専の運営にあたっては各担当責任者を置いて運営することとされています。昨年末からの急展開への対応ですが、昇格考試についてはさほどの問題はないと判断しています。しかし、武専については状況が一変しているため、所属長の皆さんにおかれましては今後の武専運営に対してこれまで以上にご理解、ご協力をお願いしなければなりません。

 
 

愛知武専の在籍者数

5年前の2013年には254名(研究院40名含)が在籍していたのが2017年には164名(研究院43名含)、そして2018年の在籍者数は86名(研究院29名)という状況になっています。実に予科1年~研究科4年までの在籍者が今年度は57名という現状です。

 

 

 

 

 

 

 

 

この状況を受けて武専の運営体制・指導体制の見直しを余儀なくされているところです。つまり、まずは在籍者数に応じた運営・指導体制に変えていかなければなりません。運営に携わるスタッフの減員と指導体制の最適化、そして在籍者を増やす取組です。

 

改善策

➊ 学年ごとの実技指導を科ごとの指導に変更します。

  ※研究科のみ学生数の都合で1・2年生と3・4年生に分けます

 ➋ 毎月実施している昇段考試員研修と研究会の実技指導時間を合体させます。

 ➌ 午前中の研究会実技指導時間を延長し、「特昇対策講座」を追加します。

 ➍ 所属長の皆さんに研究会への参加を要請します。

   ※研究会年会費のご協力をお願いします

 

今回の組織改革に対する様々な厳しいご意見が県連にも多数寄せられています。しかし創始以来、布教・普及の中核をなす人材輩出に寄与してきた武専の活性化は組織全体にとっても欠くことのできないことです。

本山・本部の運営に対する様々な思いがあることは十分承知していますが、私たちが“生きるための拠りどころ”として人生をかけて取組んできた大切なものを次世代につなげ、守っていくために所属長の皆さんにご理解、ご協力をお願いします。

 

 再拝

2018年4月4日

愛知県連盟 理事長 多月 文博

(愛知県UNITY運営委員会代表者)




3月 理事長通信

合掌

 2011年3月11日、東北沖でマグニチュード9.0の巨大地震が発生、太平洋沿岸を巨大津波が襲い、東京電力福島第一原発事故が起きました。そして、2018年3月11日・・・。災害関連死を含む死者19,533人、行方不明者2,585人。復興庁によると今なお避難生活を余儀なくされている方が今年2月時点で約73,000人、そのうち約53,000人が仮設住宅での不自由な生活を続けられています。7年が経過した被災地では土地の嵩上げや防潮堤の建設が進み、復興住宅や商業施設も相次いで完成するなどハード面での復興は徐々にではあるが前進しているようです。しかし、被災地住民の方々ひとりひとりの暮らしや心の復興はどこまで進んでいるのでしょう。特に、福島第一原発事故の後遺症に苦しむ福島県の方々約34,000名が今なお県外避難中ということからも未曾有の大災害がもたらした後遺症はそう簡単には癒えません。自然災害の恐ろしさ、人間の無力さをまざまざと思い知らされた“東日本大震災”。各テレビ局からは様々な視点による追悼番組が制作・放映され、7年という時間の経過によってこれほどの未曾有の大災害であっても風化されつつある現状に警鐘が鳴らされる一日となりました。犠牲となられた多くの方々のご冥福をお祈りすると共に、被災されたすべての方々の心の平安を願うばかりです。愛知県連盟としては発生の翌年(2012年6月1日)から5年間にわたって現地を訪れ、被災状況や復興状況を見聞きすることや防災活動の在り方、減災知識の習得に取り組んできました。何よりこの災害を風化させないための継続的な活動を試行錯誤しながら取り組んできたところです。毎年開催する愛知県大会の参加賞に“福島県産のお米”を配らせていただいていることもその一つです。今後も継続して自分たちにできる取組みを模索しながら次世代に伝え続けなければならないと思っています。

 さて本日(3月11日)、岡崎市中央総合公園内武道館において「2018年考試員・審判員講習会」を314名(近隣県からの参加者含む)の参加者を得て無事に開催することができました。年1回開催されるこの講習会は、参加者資格が四段以上ということで県内の指導者層が全員参加する講習会でもあります。自身が昇格考試(昇級・昇段)や大会審判を担当するための自己研鑽の場としてだけでなく、各所属において拳士を指導する立場での必要な知識や情報を得る機会でもあります。しかし、年1回だけの機会で終わらせない取組みでなければなりません。継続して学ぶ機会、そして実際に考試員・審判員として役割を担う機会がなければなりません。現状、昇段考試員は毎月実施している考試員研修会の参加者の中から、そして大会審判員についても年に3回程度実施している審判研修会参加者から選抜しています。県内11ヶ所で開催される昇級考試や各市町での大会審判に加えて学生連盟、高校連盟主催の大会審判の派遣等、担当していただくには研修会参加者からという方向性は今後も変わりません。

2018年度から、これまで県連に委託されていた昇格考試に関する業務(具体的には毎月の昇格考試と年1回の考試員・審判員講習会等)と専門学校禅林学園閉校による愛知武専の運営を「愛知県UNITY運営委員会」という耳慣れない新組織で運営することが決まっています。考試・審判技術の向上と、過去5年間で学生数がほぼ半減している武専の活性化に取組むことが引き続きの課題になっております。考試員、審判員の資格者自身が積極的に自己研鑽の場を求めていただけるように毎月の研修会や武専の内容を今以上に魅力あるものに高めていかなければならないと痛感しています。昨日の講習会でもお話ししましたが、まずは毎月の昇段考試員と資格者を対象に行っている技術研修会を武専研究会授業と合体した形で実施することを検討しています。その時間枠の中で年3回くらいは審判研修も実施していく予定です。義務感や負担感を感じずに進んで参加できる研鑽の場を提供するためのアイデアやご意見をお寄せください。

先月号でも書きましたが、新設される組織については現時点で示されている内容が明確ではないと感じています。今回の運営母体変更についてまさか「内容的に従来からの昇格考試と武専運営をこれまでと同様にやるのだから何も問題ない」との認識であるとは思ってはいませんが、実際に運営する地方組織としては時間のない中で整理することも色々あり、年度末の運営が窮屈になっています。

組織機構改革で求められた“組織の区別化”とは何だったのでしょうか。

※少林寺拳法“グループ愛知”ポータルサイト構築計画に伴い以下のサイトが立上っています。

 

(愛知県連盟サイト:https://shorinji-aichi.jp/wp/kenrenにて紹介)

  ■11支部サイト掲載(スポーツ少年団・大学・実業団)

 

(愛知県教区サイト:https://shorinji-aichi.jp/wp/kyoukuにて紹介)

   ■54道院サイト掲載

 

再拝

2018 年 3月 11日

愛知県連盟理事長  多月 文博




2月 理事長通信

合掌

 自らの限界に挑戦し続ける姿は多くの人々の感動を呼びます。韓国・平昌で開催されている第23回オリンピック冬季競技大会には世界92ヶ国、約3000名の選手が15競技102種目にエントリーしており、日本との時差がないこともあって毎日よりリアルにそしてタイムリーに感動が届いています。“スポーツの祭典”とも呼ばれるオリンピックは個別の競技種目ごとの世界大会とは異なりそれぞれの競技が持つ独自性を目の当たりにすることもでき、この一瞬にかけてきた選手たちの思いや努力の積み重ねの大きさにも感動させられます。挫折からの復活、選手生命を断たれるような怪我からの復帰と、国を超え競技種目を越えて人間が持つ力の偉大さにあらためて気づかされます。大会はまだ終わっていませんが、日本選手で注目を集めた男子フィギュアスケートの羽生選手、女子スピードスケート500mの小平選手、女子スキージャンプの高梨選手をはじめメダルに手が届いた選手だけではなく、届かなかった選手、他国の選手も含めて参加選手全てから久々に爽快感がもたらされているように感じます。北朝鮮との政治色の色濃さが何かと注目を集め論じられ続ける今大会ですが、小平選手とこの種目の世界記録保持者でありオリンピック三連覇を目指した韓国の李相花のレース後のシーンが多くの人の感動を呼んでいます。競技であるいじょう勝者と敗者が生まれるのは当然のことですが、“勝つためにはどんな手段を使っても”という心の動きが生まれることは国際大会であっても同じ、むしろ強くなることさえあるのかもしれません。ロシアのドーピング疑惑も一つの象徴であるように思います。そんな中で、お互いの努力を認め合い、健闘をたたえあう姿はやはり美しく多くの感動を呼びます。その中心に日本人選手がいることに誇らしさを感じた日本人も多かったのではないでしょうか。

ある作文コンクールにおいて評価された小学校6年生の剣道少年の作品が目に留まりました。『残心』と題された文章の中にこんな一節がありました。

 

『僕は幼稚園の頃から六年間続けている剣道の稽古で、何百回いや何千回も残心という言葉を耳にしてきた。だが、その意味を深く考えずに過ごしてきた。“残す心”と書いて残心。先生が言うには技を打った後に腕を伸ばして抜ける。そして抜けた後には相手の方に振り返り、もう一度竹刀をスッと構え直すということだった。でも腕を伸ばすだけなら残心という言葉でなくてもいいような気がする。何で「心」という文字が入るんだろうと思っていた。・・・ぼくは先生の試合を見ていて、残心とは単なるポーズではなく心構えなんだと思った。剣道は相手がいるからこそできる武道だ。そのありがたさをお互いに感じ合い、どんな試合でも相手に感謝をする。それも残心だということが感じられた。僕の尊敬する先生は七段になってもまだ剣道について学び続けると言っていた。・・・まず今日からは残心の心を大切に持つことを意識して剣道に向き合っていきたい。』(新聞記事から一部抜粋)

 

「何のために少林寺拳法をやっているのか?」

私たちは身をもって「大切なこと」を伝えることができているのだろうか?

常に自らを振り返ることの大切さをあらためて思い知らされた気がしました。

 さて、先月号でも少し説明しました“武専の運営母体が2018年度より禅林学園からSHORINNJI KEMPO UNITY(以降、文中ではUNITYと表現)に移行される”ことに伴い、先日(2月17日)本山にてUNITYと禅林学園による「武専・UNITY運営会議」が開催されました。会議の詳細については2月25日に開催する所属長会議にて説明しますが、専門学校禅林学園の閉校、全国35地区の“武専コース”運営を各都道府県連盟に委託するのではなく「UNITY運営委員会」という新たな組織を作って運営するに至った経緯などが説明されました。今回の会議については、私にとっても昨年末からの急な展開もあって完全に理解できたとはとても言い難い内容ではありました。組織機構改革以降、その目的であった“組織の区別化”をより推進するためには多くの課題があり、“組織の一体感と組織の区別化”との相反する運営体制構築に苦心しながら現在に至っているわけですから、このタイミングで組織を新設して既存の業務の一部を新組織に移管するという根本的な判断も含めて理解できない部分が多くあります。特に、UNITY、宗教法人、一般財団法人の役割分担を根本的に理解することが今更ながら求められているような気がしています。愛知県から提出した事前質問は川島理事(UNITY)からの説明で大半は理解することができましたが、坂下教頭(禅林学園)からの「武専は金剛禅の教育。しかし安定的な施設確保を考えると宗教法人では難しい。よって教育内容から言っても一般財団でもなくUNITYが担うことが一番理にかなっている」という説明には違和感が残りました。

会議の全体を通して2018年度は試行的な位置づけで、2019年度からの本実施に向けて諸問題に対する方策を固めていくというような方針と受け止めました。運営規約も示されていない中での地方組織の新設。どういう形で2018年度の「愛知県UNITY運営委員会」活動内容を皆さんに示して認めていただくのかも全く見えていませんが、新年度のスタートを切らなければなりません。毎月開催される昇格考試、武専共に一部スケジュールの変更等はあるかもしれませんが、原則的には内容は変わらないと理解してください。昇格考試受験者、そして武専学生の皆さんに影響が出ないように早急に準備を整えていきたいと考えています。多くのご質問やご意見等が予想されますが、その都度わかる範囲で応じていきたいと考えています。引き続き、ご理解・ご協力をお願いします。

※少林寺拳法“グループ愛知”ポータルサイト構築計画に伴い以下のサイトが立上っています。

 

(愛知県連盟サイト:https://shorinji-aichi.jp/wp/kenrenにて紹介)

  ■11支部サイト掲載(スポーツ少年団・大学・実業団)

 

(愛知県教区サイト:https://shorinji-aichi.jp/wp/kyoukuにて紹介)

   ■54道院サイト掲載

 

再拝

2018 年 2月 20日

愛知県連盟理事長 多月 文博