1月22日(土)の修練。 | 刈谷北道院

1月22日(土)の修練。

本日も、泉田市民館での修練。ここ数日の中では、穏やかな陽気も感じる気候に恵まれながら、鍛錬に励みます。

今日は、先月から予定していた「成果発表会」開催の日。コロナウイルスの影響や「まん延防止措置」の絡みで、世間的には中止も検討するべき状況なのでしょうが、「行動禅」の修行者としては、如何に工夫して、環境・状況と「調和」しながら「為すべき事を為す」かが命題と成るでしょう。「より良い人生」、「より良い社会創り」を目指す意味でも、歩みを止めない事が肝心でしょう。

スタートの作務の時点から皆の集まりが良く、また私が指示を出さなくても、「成果発表会」の観覧者用に座布団を多めに用意する人が居たりと、若干皆が発表会を楽しみにしているであろう空気を感じます。そんな中での修練は、少し趣向を凝らし、突発のメニューに如何に集中し、全力で取り組むかを課題にします。発表会用の練習・来週の昇級試験の為の習熟・全く別の易筋行を候補にして、代表者のじゃんけんでメニューを決めたりと、多少ゲーム的要素も加えて雰囲気の盛り上げにも心を配ります。

今日の「成果発表会」では、私はNさんと技法紹介する予定でしたが、Nさんも県庁勤めと言う事もあり、この状況での参座に対して、御家族の理解を得るのもなかなかに大変です。そんな中でも、15時以降にと「時短」で参加して下さることに成り、実に有り難い事で。そのNさんの到着と同時に、舞台の幅を広げる作業に入ります。自ら率先して手伝う人間もいれば、当たり前の様に鬼ごっこで遊ぶ人間もいます。当然の事ながら、遊んでいた人間は呼び寄せてセッキョーです(笑)。

今日の発表会に際して、デジカメでの撮影係を刈谷北道院の入門第1号であり、「愛する一番弟子」であるR君に御願いしておいたのですが、約束していた16時より少し早めに到着してくれました。ホールの入り口のドアの外に来たであろうR君を出迎えると、そこには「誰、このおっさん?」と思う人が。そこには3年ぶりに会い、マスク越しに大人びた顔に成長した高校2年生のR君が立っていました。バスケットボールを長くやっていた事もあってか、身長も私と同じぐらいに成り、脚の長さや顔の小ささによる等身の違いは、「あんた、何人だ?」と思う程のカッコ良さです。現役門信徒への紹介や挨拶や、R君を中心とした集合写真を済ませた後に、R君にデジカメを渡して、座布団による観覧席設置を済ませると、小学生達がR君を囲んではしゃいでいる様子を、嬉しく微笑ましく眺めていました。

保護者の方に御伝えした集合時間も近付き、一人で自分の動きを確認する人や、緊張せずに遊んでいる人も居る中、準備万端で時を過ごしますが、観覧者が全く現れません。ちらちら駐車場を覗き、「30枚以上座布団を用意して、1人2人じゃ寂しいなあ」と不安に成りましたが、「1番乗り」を嫌がる日本人の気質なのか、1組保護者の方が現れると、続々と入館され、ホッと一安心です。白黄帯の団体演練の号令役を御願いしているA君のお父さんお母さんがいらっしゃらず、A君がソワソワして市民館の入り口で待っていましたが、妹のNちゃんを連れて定刻までに無事到着。「成果発表会」をスタートします。

内容は、初めに私が金剛禅に関する紹介をし、その後8名による団体演練、私とNさんによる少林寺拳法の技法紹介、小4緑帯のY君と小5白帯のH君・中1茶帯のI君と小5緑帯のH君による組演武2組。金剛禅の紹介も、例によって特に内容も考えずに、ぶっつけ本番でその瞬間瞬間に頭に浮かんでくる言葉を繋げて、何とか文章を組み立てます。話が長くなり過ぎない様に時計も気にしつつ、本山が香川に在る事・金剛禅を開創した開祖が、何を経緯にして何を目的としていたのか・金剛禅の主業でもある少林寺拳法は、技術的にどんな特徴を持ち、結果どんな人間を育てようとしているのかは、そこそこ説明出来た様に思います。

その後の団体演練は、人数的にも保護者の方にとってはメインと言う雰囲気で、スマートフォンを構える手が、一気に増えます。舞台の横で発表者の姿を見守りつつ、保護者の方の様子も見ますが、それなりに満足して下さっている様に思えました。その後の技法紹介では、Nさんと団体演練にも絡めた動きで剛法を、そして抜技・その発展形である逆技として柔法を紹介し、力をぶつけるやり方と力を吸収するやり方の比較も交えて、金剛禅の目指す「調和」に根差した人造りの在り方を説明します。保護者の方がどう受け取って下さったかは定かではありませんが、帰宅後の疲労感はハンパ無いものでした(笑)。

ラストの組演武2つは、発表も演武を組む事も初めてのH君を始め、なかなかの気迫を見せてくれました。特にメインのI君とH君は、来週のH君の少年三級の試験の組演武を発表する予定で練習していたのですが、先週その様子を観ていて、「投げ技が一つも無いんだな。あなた達投げ技できるのに面白くないから、柔法2つを逆小手と送小手に代えて」と急遽変更し、今日座布団を敷き終わった後に練習している二人の姿を観て、同じ人が逆小手と送小手を掛けている事に気付き、「それだと面白くないなぁ。先週やった巻落、やれたらあれを7構成目に入れようか」と無茶ブリしましたが、守者攻者を交代した2回発表も含めて、そこそここなしてくれました。その後舞台横で待っていた兄の元に行き、皆にあやされていた小2黄帯のA君の妹のNちゃんも一緒に舞台上で全員で合掌礼し、私だけ達磨像の方に行き、皆はそのまま舞台の上で最後の気合い出しを行い、「成果発表会」を締めくくりました。

中止も検討するべき状況での開催でしたが、今月末でいったん休眠するI君のとお父さんがお祖父ちゃんお祖母ちゃんも連れて観覧して下さったり、今年度の泉田町の公民館長さんの息子さんが、小5緑帯のH君の学校の担任をされているそうで、娘さんを連れて観覧に来て下さり、H君のお母さんに紹介されて、挨拶に来て下さったりと、行動するからこそ構築出来た「人の縁」を実感出来ました。またお店の営業開始直前の時間に観覧して下さった、12月入門のМ君のお母さんや、作務を終え、もう用事は無くなったのに、市民館の外で「今度は2人で組演武やれよ」とお子さん達と楽しそうに話されている保護者の皆さんの姿を観るにつけ、感謝の想いを抱くと共に、「やって良かったな」と思う事も出来ました。その後、暫しNさんと今後の見通しや対応を話し、その間「お母さんが帰ったから帰れません。車で送って下さい」、「道院長、早く送って下さい」とねだっていたМ君を200m離れた家に送りがてら、帰路に着きました。

 

いいね!>> いいね! 2 人
読み込み中...