本日も、泉田市民館での修練。いつ雨が降り出してもおかしくない曇り空の中、鍛錬に励みます。
実は今日は専有道場での道院修練でスタートし、2月入門の小4H君と4月入門の小2A君の入門式も挙行する予定でしたが、朝方H君のお母さんから胃腸風邪の様な状態の為、欠席するとの旨を御連絡頂きました。主役が休むのに入門式をやっても仕方ありませんので、グループLINEでの日程の変更と、振替えの道院修練日の都合の確認を連絡しました。コロナ禍も3年目が進み、オンライン修練等の対応も全く進んでいませんが、少しでも内容の充実した修練に成る様に、連絡の取り方は工夫していきたいものです。
元々、家族行事や怪我で欠席者が多かったのですが、スタートも私を入れて5人。「今日は少ないなぁ」と言う小学生の言葉を聞きながら、「かつては、これが日常の風景だったよなぁ」と感慨深いですし、いつその状態に戻るかも判らない「諸行無常」を、肝に銘じたいと思います。
先月末の道院長研修会での学びの中で、「問い掛け」と言うものが有りましたが、例えば作務を集中してやれていない人に、しっかり作務をやる様に指示する前に、ホールで掃除機を掛けている人達の姿を見せて、「あの人達の姿を観て、あなた達のやるべき事は何だと思う?」と聞いてみます。結果的に、しっかり作務をやる様に伝えるのですが、一回自分で考える~自分で決めて行動すると言う手順を踏む事で、何か内面的な変化を促せる様な気がします。
今日は、準備運動から基本演練まで、参座してくれた人にじゃんけんで決めた順番でやる事を決めて貰いました。自分で決めた内容だからと言う訳でもないでしょうが、その取り組みに対する集中度が多少違う様に思います。特に、常に気を散らし手を抜いている小3黄帯のA君が、今日は何故か集中して取り組む瞬間が多数あり、「しっかりやれよ!」と言われなくてもやろうとしている姿が見て取れます。これが「今日だけ」でない事を願うばかりですが、例え今日だけであったとしても、そんな瞬間に出会えた事だけでも幸せな事です。
学科・法話でも3人の人に「好きな数字」を言って貰い、それを足したページを回し読みしました。「白衣殿の壁画」のページだったのですが、「開祖って何した人?」、「開祖は、何で少林寺拳法を創ったの?」と聞くと、知っている人は率先して手を挙げますし、その補足説明や関連するエピソードの聞き方も、途中で「問い掛け」を交えると、集中度が変わって来ます。今日は「膝を怪我してるから」と、お母さんに連れられて来るまでに、1時間家で泣いたり隠れたりしていたと言う小2白帯のМ君が、学科・法話が終わった後に、何も言わずに近付いて来て、「拳禅一如、力愛不二、」と自分が「少林寺拳法の特徴」6つを言えるとアピールします。その姿を観て、「自分も言える」と寄って来る人もいたりと、雰囲気の変化を実感します。
鎮魂行を終えて、「40分まで休憩しよか」と伝えますが、今日は何故かやる気に溢れる小3A君が5分前に整列し、他の人もそれに続きます。自由練習もじゃんけんで決めた順番で「やりたい練習」を選択します。それも段階を付けて、「僕にじゃんけんで買ったら、やりたい練習。僕が買ったら、僕が決めるわ」と伝えると、そのじゃんけんの瞬間すらも楽しめる様になります。6人の人にそれぞれ10分ずつで始めましたが、最初の5人で私がじゃんけんで5連敗。それだけで、「遊び」の雰囲気が醸成されるので不思議なものです。
最初の2人が選択したのが、「鬼ごっこ」と「馬跳び」。少林寺拳法とは全く関係無いですが、多少エクササイズ的な負荷と変化を付けて行うと、蒸し暑さもあってか、皆汗だくで走り回ります。3人目となった小5緑帯のY君の選択が「ダッシュ」だったので、「あなたさあ。これまでの2人は遊んでただけだぞ。週1しか来ないあなたが、ダッシュで本当に大丈夫か?ちゃんと考えたか?」と注文を付けて、再度選ばせましたが何も決められず、私が「天地拳第1系・単演」を選択。Y君に前に立って貰い、そのまま指揮して貰う時間も取ります。
その後自分では決めれない小2A君の時間は、「正対構からの内受突」や、帯に色の付いている人は他の法形を正対構で行う時間を取ります。残る2人は受身とキックミットを使用しての当身を選び、「自分で考える」自由練習を終えましたが、総じてプラスの意識と雰囲気で、修練への取り組みが続けられていた様に思います。この雰囲気と技術レベルの向上がイコールに成らないところが課題ですが、先ずは修練に対する意欲を湧かせられる事は出来る様です。次回以降の課題と手応えを感じながら、帰路に着きました。