父の死を看取り、自分の人生の後半を思うとき、自分の人生はこのままでよいのだろうかと自問する日々が続いていました。
その頃、私の師横山司名和道院長から、大田町で少林寺拳法支部道場として発足することを勧められました。
仕事との両立で不安はありましたが、これも何かの縁と思い切って受けることにました。地元での支援者の力を得て東海大田川支部道場として発足しました。
不安だらけの出発でしたが、後へは引き返せないと覚悟を決めました。
それまでの人生は少林寺拳法のお陰であり、有意義に楽しく過ごすことができました。これからの半生を少林寺拳法の指導者として少しでもお役に立てればと考えたのです。
「原点に還れ」これは少林寺拳法の開祖宗道臣師家の言葉です。
少林寺拳法は宗道臣師家により戦後の日本で誕生しました。当時と現在とでは情勢が異なりますが、今私達が置かれている状況は決して順風満帆とは云えません。むしろ多くの不安に取り巻かれています。
私達は今を生き抜き、予測の困難な未来においても生きて行かなければなりません。
少林寺拳法では、普遍的な個々の人間としての在り方を学びます。将来を見据え、今何をなすべきかを学び、考える力をつけてゆきます。
私達は時に迷いが生じます。その時、自己の原点を見つめ、自分の立ち位置を知り、軌道を修正することが大切だと思います。
「楽しく、明るく、元気」
楽しく明るく和気あいあいの雰囲気で修行を行えるよう心がけています。
道院へ通ってくる拳士達は皆本業があり、それぞれの生活があり、その上で少林寺拳法を修行しようとしています。優先順位からすれば少林寺拳法は低い方の位置づけになると思います。
社会人なら、仕事・家庭・付き合い、学生なら、学校・部活・塾などがあってその次ぐらいの位置づけになるのでしょう。
そのような位置づけの中で少林寺拳法を修行してゆくには、楽しくなければ続かないと思います。
道院へきて、気持ちが晴れて明るくなって、元気になれる。そんな雰囲気で修行が行えるよう心がけています。
地域に根付いた道院でありたいと願っています。
大田町は、かつては農家、商店、住宅が混在し、大田まつりに象徴される伝統文化が伝承され、時間がゆっくりと流れるのどかな町でした。今、名鉄太田川駅周辺は都市開発事業により大きく変貌しています。交通、ショッピング・文化施設が充実してきました。
これからも、もっと発展してゆくと思います。こうした、周辺環境の変化があります。そのなかで、大田公民館があり、公民館活動の一環として、少林寺拳法もあります。
古き良き伝統文化と、新しい文化の調和のある町で活動してゆきたいと思っています。
なぜぼくが少林寺拳法に入門したかというと、お姉ちゃんが、少林寺拳法をやっている所を見て「かっこいいな」と思ったからです。
姉ちゃんの技が全部キレていてとてもすごかったです。ぼくも心も体も強くなりたいと思ったから少林寺拳法に入りました。
少林寺拳法を習いはじめたとき先生が「くつをそろえる」とか「礼ぎ」などたくさん教えてくれました。 級が上がるにつれ、技もむずかしくなるので、かぎられた時間の中で真けんに練習をしなければなりません。今は二級ですが黒帯を取りたいです。
そして、黒帯になってもつづけてゆきます。