開創の動機と目的

不正と暴力への悲しみから生まれた「人づくり」への志

kaiso

『少林寺拳法』は1947年、香川県多度津町にて宗道臣が創始しました。

宗道臣は中国・満州での壮絶な戦争体験から、全ての物事が人によってなされる以上、その人の質によって物事は良くも悪くも影響してしまうという『人の質』の大切さに気づきました。

敗戦後に帰国した宗道臣は、不正と暴力が白昼横行していた国内の状況に強い怒りと悲しみを覚えました。そして、祖国を復興させるためには、自信と勇気と行動力を持つ、質の高い人間を一人でも多く育てる以外にないと確信し、人生を『人づくり』にかけようと志しました。

宗道臣は、『人の質』を高めるための、最も理性的で、しかも人間性の深さを究明し、物心両面の安らぎを得られる教えは、『釈尊(仏陀)の正しい教え』であるという考えに至りました。

強い心と鍛えた身体・自信と勇気

そして、『人づくり』を進めていく上で、自身が若い頃に情熱を燃やすことのできた拳技を整理再編し、二人一組を主体としてお互いに高めあえる新しい修行法を取り入れ、道を説き始めたのです。

 宗道臣は、頼れる自分を養うことが重要であるという釈尊の自己確立の教えと、困難に出会っても諦めずに立ち向かうという達磨大師の不撓不屈(※)の精神を説いていくことで、強い心と鍛えた身体、更には自信と勇気を養わせことができると確信しました。

 そして1951年、『少林寺拳法』と名づけた拳技を主たる行とし、『人づくりによる国づくり』を目指す宗門として、『金剛禅総本山少林寺』を開創しました。以来、数多くの拳士が金剛禅総本山少林寺の門を叩き、『人の質』の向上を図り、地域社会の発展に向けて活動を続けています。

※※不撓不屈(ふとうふくつ)…どんな困難にあっても決して心がくじけないこと。

※本山公式HPより引用