本日は、専有道場からのスタート。強く降る雨の中、皆が集まります。
今日は行事が無く、鎮魂行や学科・法話に多くの時間を割けます。作務でも水切りワイパーを使用し丁寧に行えましたし、皆を集めて「雑巾の絞り方」や作務の順番等を伝える事も出来ました。先月末に少年一級に合格した、中学生に成ったH君への合格証書授与も予定してましたが、副道院長のNさんから到着が14時に成るとの連絡を頂き、順番を入れ替えて「あ・うん」を使用しての学科・法話を進めます。
今日は「言葉」について皆の意見を述べて貰いましたが、小3白帯のA君でもなかなか良い意見を口にします。また最初は順番であてないと意見を言えなくても、徐々に自ら手を挙げて意見を言いたがる人も出て来ます。自らそのモードに自分を切り替えられる様に成ってくれると尚良いのですが、これも徐々にと言ったところでしょうか。
Nさんが到着した後でも学科・法話が盛り上がってしまい、「さあ合格証書授与だ」と締めた時に、移動の時刻を知らせるアラームが。そそくさと段取りし、H君への合格証書授与を行います。もう1年以上、「あなたが、刈谷北道院の2代目道院長だ!」と本人にとっては喜ばしくないであろう状況での修行が続いていますが、しっかり技術レベルも挙げてくれていますし、今回の「当日の感想」も、お母さんから「作文の上手な書き方も指導して下さい」と言われているH君にしては、3年前より遥かに成長した言葉を述べてくれました。
場を変えて、易筋行を。市民館から参座の小6のY君とA君も到着しますが、車から祭壇やキックミットを運び入れながら中の様子も観てみると、率先して作務に取り組む人も居れば、走り回って遊ぶことを優先する人も居ます。専有道場から移動する際に、準備運動と基本演練の主座を小5緑帯のH君に行う様に伝えておきましたが、一段落して交代する時に、目の前に居た小6緑帯のY君に、「あなたは作務で何をした?」と問いました。自分のやるべき事を適切に判断・行動出来ない人には、その事を繰り返し伝え、周りの状況を観ながら率先して動ける人には、「それをやれない人にも、声を掛けて一緒にやる様にしましょう」と伝え。自分で考えて意識して行動出来るまで、伝え続けるだけですね。
少年科目表がイラスト付きに変わった事により、予習・復習はやりやすく成ったと思いますが、逆にやって来ない人との差が大きくなりそうです。話の聞き方一つ取ってそうですが、気持ちの入ってる人と入ってない人の差は、ますます拡がりそうです。グループ分けすると出来る人同士がササッと組んで始めようとしますので、「あなた達が出来るのは解ってるから、出来ない人達を引っ張って行ってくれや」と伝えます。「出来る人」が説教される状況も理不尽だなと思いますが、自分が出来ない側に立った時は誰かに支えて貰っている現実を考えれば、小学生の内から「お互い様お陰様」の精神を伝えておくのも良いでしょう。
新中学生に成ったH君には、一般の科目表を購入して貰いましたが、「有段者に成っても続けて欲しい」と本人にも言い続けた成果か、保護者の方に「有段者用の科目表もついでに買っときますか?」と確認すると「2冊下さい」との事。「有り難いねぇ」と思いつつ基礎編・編の総合編の2冊を渡しました。休憩中には、自分から後輩達にポイントを伝える姿も観られるH君ですので、Nさんと共に少年科目表と一般科目表の食い違いを確認します。以前のバージョンから存在した「外受突」~「打受蹴」の少年と一般の布陣や攻撃の食い違いが、新しい科目表でもそのままに成っていましたので、取り敢えずイラスト表示されている少年科目表を優先し、バリエーションとして一般用も鍛錬する事としました。H君自身は、それまで覚えた法形と違う動きを改めて覚えないといけませんが、准拳士初段に向けての意欲も専有道場で述べてくれていましたので、一般の難しい技・痛い技にも徐々に順応して貰って、後輩への受け渡し役を担って貰おうと思います。
グループ分けした練習でも、自ら意欲を沸かせられる人とそうでない人の差は歴然としていましたが、その違いを埋めて協力し合える空間創りを訓練しているのだとの想いを改めて抱き、締めの気合い出しを終えて帰路に着きました。