私が少林寺拳法を始めたのは,高校一年生の時でした。
幼い頃からずっと強さを求めていた私が,友人の勧めを受け偶々出会うことができたのが少林寺拳法です。
当時所属した道院の道院長は,拳士としても人としても本当に素晴らしい方で,心から尊敬できる先生の下,拳技だけでなく精神の強さをも学べた日々は,私にとって未だ代えがたい経験であり,また,とても大切な思い出です。
自分も先生のようでありたいと心から憧れ,そして何事にも臆することなく果敢に挑戦すべしという開祖の教えに感銘を受け,私は道院長となる決心をしました。
私に道院長としての道を示してくださった先生に,今も深く感謝しています。
拳士たちには,少林寺拳法に留まらず,日常生活においても,「やらされている」のではなく,自らが「やる」という意志と意欲と積極性を,常に持っていてもらいたい。
そこで,まずは私自らが身を以って,一拳士としての初心を忘れず,探求心を持ち続けること。そして,その探求から得た成果を,拳士たちにこそ還元していきたいと考えています。
少林寺拳法の拳技はどれも魅力的ですが,技の伝授だけではなく,技の習得を通し,そういった精神の強さをも,伝えていきたいと願っております。
拳士一人一人と真摯に向き合い,それぞれの個性に見合った,実生活にも活かせる指導を、今後も日々心掛けて参ります。
楽しいだけでは修練にならず,優しさだけでは強さは取得できない。
ですが,少林寺拳法は苦行ではなく,あくまでも自己の探求の場である事を踏まえ,諸事において,厳しさの中にも温かみのある道院,そして,「ここには何でもある道院造り」をしていきたいと考えております。
拳士の個々が,何を求めて当道院に訪れるのか。
有段者が,技の更なる上達を求めるなら,技を。
健康を求める者には,健康促進の道を。
そして,まだ幼い拳士には,拳技の修練を通し,精神の正しい在り方,強さ優しさ,また,人と協力し合える楽しさを,常に伝えていきたいと思います。
当道院の拳士たちは,年齢の層を飛び越え,互いに信頼を持って楽しく修練に励んでいます。先輩拳士は,後輩拳士の指導にあたることで,更に自身の修練の向上に繋げ,指導を受けた拳士は先輩拳士への感謝を胸に,次には自分より幼い拳士へと教えを繋げています。
また,所属拳士だけに留まらず,人同士の絆がとても強い道院です。
休眠している拳士や保護者の方も気軽に道院を訪れ,時には現役拳士たちと楽しく汗を流すなど,道院を中心に大きく和が広がっています。
拳士同士,人同士が和気合い合いと楽しく集っている,そんな雰囲気が,当道院の最大の特徴と言えます。
僕は小学校1年生の時に,名古屋宝南道院のカッコ良い先輩方に憧れて少林寺拳法を始めました。
当時の僕は内気な性格で,はじめは,少林寺拳法の稽古もあまりやりたくないと思っていました。しかし,先生や先輩に指導を受け,仲間と共に修練を重ねていくうちに,気合を出すこと,技の練習をすることが楽しいと思うようになりました。人と関わること,自分を表現する事の大切さを知ることが出来ました。少林寺拳法が,そして名古屋宝南道院が,内気だった僕を社交的で明るい性格に変えてくれました。
もし昔の僕のように内気な人がいたら,ぜひ名古屋宝南道院に来て欲しいと思います。きっと自分を変えることが出来る筈です。