合掌
振り返れば本年9月30日に緊急事態宣言が全て解除されてはや3ヶ月弱。多少の波はあったものの、国内の新型コロナウイルス感染拡大が驚異的に沈静化(新規感染者数が2桁台)してからもほぼ2ヶ月近くが経過しましたが、ここにきて新たな変異種「オミクロン株」への置き換わりが全世界に拡大しつつあります。この間、国内での感染拡大沈静化については複合的な要因があったのでしょうが、唐突感すら感じられるように劇的に新規感染者数が減り、年末に向けて各地の人出も戻りつつある状況に、第6波が必ず訪れるとの予測から保たれていた緊張感が少し緩みかけた日常になってきた矢先の変化に戸惑いと不安が再燃します。欧米はまだしも中国や韓国等、日本に先んじて感染の抑え込みに成功していたはずの国の感染再拡大に加え、感染力が格段に強くなったとされる新たな変異種「オミクロン株」への置き換わりに、クリスマスを前にした欧米ではロックダウン等の更なる規制強化も検討されているなど、一気に危機感が世界を覆っています。国内においても水際対策を強化して感染拡大に歯止めを掛けようと躍起になっていますが、既にオミクロン株への新規感染者数が80名を超え、濃厚接触者は東京都内だけでも1000人を超えると発表されています。AIによる感染予測についても悲観的な見通しが次々に発表されるなど、“つかの間の休息が終わった”感がある状況と言えます。ワクチン効果の減少と年末年始の人出増が生み出す感染拡大の状況はもはや想定することができなくなりつつあります。
さて、傷ましい事故や事件が多発しています。最近特に多発している高齢者ドライバーによる運転操作ミス(アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違い)は超高齢化社会を迎えている日本の喫緊の課題とも言えますが、その中でも子供が巻き込まれるケースが後を絶たず、突然の不幸に傷ましさが一層募ります。また、道徳観・倫理観が欠如していると言わざるを得ない公職者(議員・官僚等)の不祥事も後を絶ちません。相変わらず行われていた国交省による公文書の改竄や雇調金等の不正受給、極めつきが森友学園問題の「認諾」という国による無慈悲な決着のつけ方でした。世界的に民主主義と専制主義が対峙する状況下で国家による情報統制や人権侵害が半ば公然と行われている国もあります。コロナ禍の中で人権保護の在り方も問われています。しかし、せめてこの国は弱者に寄り添う国であってほしいと思います。
そんな中、先日の12月11日に「2022年度考試員・審判員研修会」が2年ぶりに本部にて対面で開催されました。研修会そのものが熱気を浴びていたことは当然ですが、それ以上に旧交を温める場がそこかしこに見られ、充実感漂う研修会となったことは言うまでもありません。
2024年度の全国大会が静岡県で開催されることが内定したようです。隣県での開催ですからできる限りの応援をしていきたいと思います。
2021年度も残り3ヶ月となりました。武専をはじめ、何とか残りの行事を無事に開催することを目指します。
今年一年、会員各位のご理解・ご助力に感謝申し上げますと共に、引き続きご協力をお願い致します。
2021.12.22
愛知県少林寺拳法連盟 理事長 多月 文博
(愛知県UNITY運営委員会委員長)