合掌
三年ぶりの大会となった「2022年愛知県少林寺拳法大会」(ドルフィンズアリーナ)を無事に終えることができました。5・6月は毎週行事開催が続いたこともあり、スケジュール的にも開催準備にかける時間の制約もあって担当ごとに個別に準備を進めていかざるを得なかっただけに、ほぼぶっつけ本番に近い開催となりました。結果、道院長を含む210名のスタッフの皆さんには本当に助けていただきました。大会終了後には、2024年に全国大会を主管する静岡県連盟役員や大会運営視察で来館されていた三重県連盟事務局長からも運営手法に対して高い評価をいただきました。2019年に愛知県で開催した全国大会を経て運営手法そのものがほぼパターン化されており、運営内容はそれなりに完成形に近づけられていると自負していましたが、午前中のスケジュールを終えるまではやはり気が気ではありませんでした。今大会の大会長を務めていただいた滝 茂夫(タキヒヨー㈱相談役)・新会長以下一新された県連部外役員との調整やアトラクションチームの仕上がり具合等の不安要素もある中でのスタートとなりましたが、全体的には表彰式前後で少しもたつきが見られた以外、ほぼ大きなトラブルなしに運営できたのではないかと思います。出場拳士数が例年の半分以下だったことも混乱につながる要因にならなかったとも感じています。服装規定への抵触や大会後に参加資格の問題で違反と判定されて失格者が出てしまいました。髪色や長さについては個人の事情もあって毎回判断が分かれることもありますが、服装規定や参加資格をクリアできていなかったことについては所属長の責任範疇といえます。特に、参加資格の問題では大会終了後に発覚したことから「実行委員会が出場を認めたではないか」という発言もやり取りの中であったと報告を受けています。参加資格についての文章表現を指摘されたようですが、全国大会要項に準じた文章表現であったため指摘にはあたらないと判断しています。該当者にもご理解いただけたものと思います。毎回審判員の採点態度や採点結果に対する厳しい指摘が寄せられます。今回も例外ではなくいくつか寄せられています。動画も送られてくる時代です。大きな課題だと受け止めています。
全中大会選考会、インターハイ予選に東海学生大会と続いてこの度の県大会、そして今週末26日は昇格考試と愛知県修練会と続きます。6月は、新中学生の特例受験可能月の最終月となるため大半が初段受験者のようです。特別理由書対応の受験者も含まれています。並行して五つの僧階講座と特昇対策に特化した技術講習と口述試験対策も展開します。
様々な事情や課題に対してどこに焦点を当てて対処するかを運営側として常に問われますが、我々の取り組みは性善説に基づいて組み立てられていることを常に認識しておくべきだと思っています。一方的な主張に終始することからは何も生み出されません。逆に、今大会でも突然の体調不良者のリカバリー対応もあったように、何かが起こってもごく自然にカバーし合って対処していける人としての力。久しぶりの大会運営を通してあらためて修行の目的を振り返らされた気がしています。突然のトラブルに対しても冷静に要因を分析して対処していくことが常に求められているということを。感情に任せて相手の立場を考えないその場限りの言動は私たちの取り組みの場には全く馴染まないことです。良い結果、悪い結果を受け止めて次にどう展開して生かしていくかが私たちの役割だと思っています。
公益性が求められる活動をどう推進していくかが強く問われています。引き続き、ご理解ご協力をお願いします。
(追記)
先日、ある先生から体調について聞かれました。「このところ『理事長通信』の発信がないため心配していました」とのことでした。以前からもありましたが、発信内容に対するご意見・ご指摘に加えてロシアの軍事進攻がもたらした悲惨な状況を見るにつけ、『道院通信』と共に筆が進まなくなったことをお話ししました。理事長職を拝命した2011年から発信し続けた拙文を欠かさず読んでいただいたことに感謝申し上げると共に、今大会を機に「集う」ことと「発する」ことの大切さを再認識させられました。
2022.6.23
愛知県少林寺拳法連盟 理事長 多月 文博
(愛知県UNITY運営委員会委員長)