合掌
“正直者が馬鹿を見ない世の中を作る”ことは、開祖が私たちに示された“理想境建設”を端的に表した言葉の一つです。一方、“悪賢いものがずるく立ち回って得をする世の中を作る“ことは、「全ての」とは言いませんが、この国の政治家が示すところなのでしょう(?)と言わざるを得ないような事象が後を絶ちません。国会議員から地方議員に至るまでよくぞここまで私利私欲を優先させる不祥事・疑惑が出てくるものだと、連日の報道に私たちはただただ呆れるしかありません。”ドミノ倒し“のように富山市議の辞任が続く政務活動費の不正受領問題については依然として拡大報道がなされていますが、”号泣県議“としてまだまだ記憶に新しい野々村・前兵庫県議のケース発覚後も『他山の石』とされることなく、襟を正すこともなく、継続されてきたことになります。甘利・前経再相のURとの土地補償交渉をめぐる現金授受問題しかり、舛添・前東京都知事の公私混同問題しかりですが、真相が徹底解明されることなくいつの間にか過去のこととなってしまっていることに、私たちはあまりにも慣らされてしまっているように思います。
一昨日の26日に臨時国会が召集されました。経済政策をはじめ政権が取り組むべき課題が山積している中で、安倍首相は所信表明演説では憲法改正についての議論が深まることに期待感を示しました。改正しなければ、国民の平穏な暮らしが著しく脅かされる恐れがあり、改正を求める声が国民から湧き上っているわけでもない状況において・・・です。国民にとっての喫緊の課題ではなく、「自ら目指す首相としての”歴史的業績“を優先させている」との論評もあるように、予想通り改憲に向けてまた一歩踏み込んだ姿勢を明らかにしました。
さて、先週末の24・25日、愛知県武道館において日本武道館との共催行事「地域社会指導者研修会」を開催しました。講師は一昨年に引き続き岡山県から田原正晴先生をお招きし、今回は高校生や大学生の受講者が多かったこともあって級拳士科目を中心に二日間にわたってご指導いただきました。受講後のアンケートでは皆さんからたくさんの好評をいただくことができました。その中でも特に多かったのが、“技”の成り立ちについての説明に関する感想でした。一つの技が、いつ、どんな経緯でできたのか?なぜその動きでなければならないのか?といった背景を伴ったご指導は、本当に興味深いものでした。「初めて知った」、「今まで聞いたことがなかった」、「教わったことなかった」といった感想がたくさん寄せられました。護身の技術ですから“攻撃に対する返し技”という関係においては全て理屈があり、必要性のある動きを伴ってはじめて成立します。普段の修練で画一的に何気なく掛け合っている技には実は一つとして同じ条件設定はないのだということです。攻者・守者のその時々の状況変化によって技が変化するということを痛烈に認識させられましたし、護身術として求められる精度の高さや厳しさを御年77歳とはとても思えない田原先生の動きから学ぶことができました。面授面受とされる技術伝授の世界では、授ける側の資質が大きく問われるということをあらためて思い知る機会となりました。常に現状に満足することなく自身を進化させることの厳しさと尊さについても教えていただきました。“技”から“教え”、“教え”から“技”へと、全て生き方に通じるところが少林寺拳法の真髄だと思います。単なる技術のやり取りに終わることなく深化させていくことが“生涯修行”の在り方と言えます。受講者の皆さんが、自分自身を振り返る良い機会となったことに主催者側として安堵すると同時に、今後も活性化に向けた取組みを継続していきたいと思います。
愛知県教区ポータルサイトに続いて愛知県連盟ポータルサイトも仮設置まで構築してきました。県連ホームページをリニューアルし、スポーツ少年団や高校連盟、東海学生連盟、東海実業団連盟を組み込んだサイトが今年度中に出来上がります。他府県と比較して格段に地元志向の強い愛知県だからこその特質を生かした取組みを展開していきます。引き続き、ご協力をお願いします。
再拝
2016 年 9月 28日
愛知県連盟広報からお知らせ
愛知県教区ホームページがリニューアルされているのをご存知ですか?
愛知県教区サイト https://shorinji-aichi.jp/wp/kyouku