合掌
天災が不意打ちする日本列島。“平成”は自然災害が特に記憶に残る時代でした。2019年3月11日・・・。2011年の発生から数えて8回目のその日を迎えました。「東日本大震災」の被災地では先週あたりから犠牲となられた方々を悼む鎮魂のための行事や未曽有の大災害を風化させないための様々な取り組みが紹介されています。しかし、昨年発生した西日本豪雨や北海道地震、それに相次いだ台風や記録的な猛暑などの自然災害によって多くの人が被災したことですらたった数か月で記憶が薄れがちになってしまう時間の流れはあらためて私たちに自然に向き合う姿勢を問いただす試練を与えようと準備しているのでしょうか。災害関連死を含む死者はこの一年で22,131人(昨年同時期より2,598人)に増え、行方不明者もいまだ2,533人(同 ▲52人)も残っていらっしゃるということです。避難生活を余儀なくされている方も約52,000人、復興住宅や商業施設などハード面での復興に比べて被災者の方々の止まった時間を動かすことの難しさを感じずにいられない8回目の春です。
さて、昨日行われた武専で最後の修了式(新方式への移行期間が2025年度までは残されていますが)を執り行いました。2018年度研究科修了者は6名。参列していただいた在籍拳士の方々もいささか少なく感じられる節目となりましたが、まずは無事に修了式を迎えられた方々の11年間の長きにわたる自己研鑽の取り組みに敬意を表します。と同時に、在籍者の減少になかなか歯止めをかけることができていない現状に対して改めて運営責任者としての責任を深く感じる機会となりました。どこに問題があるのか?どう対処していけばいいのか?の答えは一朝一夕に見出せることではありません。今年度は武専リニューアルの件もあって、一年間かけて在籍者の皆さんとの意見交換に努めてきましたが、まだまだ積極的にやりとりする雰囲気にまでは至っていないかもしれません。新年度においても皆さんとのキャッチボールを続けていくことで答えを見つけていきたいと思っています。何よりも、所属長各位に対して武専への参加を呼び掛けていきます。指導体制の構築も容易ではありませんが、可能な限り学ぶ意欲を高められるような選択肢も増やしていきたいと考えています。
愛知県における少林寺拳法は1962年9月に始まりました。以来57年間、諸先輩方によって布教・普及が図られて今に繋がっています。先の大戦直後に創始され、大きく変化していく社会環境の中で変わらない「教え」と「技術」を伝え、育み続けることは並大抵の取り組みではなかったと思います。今を生きる私たちはこの変わらない「教え」と「技術」を次に伝え続ける重要な役割を等しく担っています。各所属で、そしてこの自己研鑽の場を通してです。そして、県内のすべての拳士自身が日常生活の中で教えを実践し続けることがその役割に通じることだと思っています。
昨年の理事長通信11月号から武専改革に関する発信を続けてきました。来月以降の武専運営についてある程度理解していただけたのではと思っています。 ※以下、再掲
【主な変更点(抜粋)】
➀予科・本科・高等科・研究科の4科11年制から単年度の取り組みとなります。
年間開催回数は10回から6回となりますが、愛知県独自に4回追加します。
※2019年度は全国大会開催のため3回追加して計9回開催します
[UNITY武専]:6回
[愛知武専]:4回(2019年度は全国大会開催のため3回) ※県連HPに開催日を掲載
➁在籍拳士(現在、予科1年~研究科3年)は「指導者養成コース」に所属して、武階別(初・二段、三段、四段、五段以上)で受講していただきます。
旧研究会、旧研究院所属拳士は県独自開催の「修練応援コース」に所属して武階に関係なく引き続き受講していただきます。
・従来の内容に加えて特昇対策、僧階昇格、初心者・休眠復帰等(検討中)
➂制度移行期間(2025年度までの7年間)現在籍拳士(予科1年~研究科3年)が最長7年間(現在の学年によって1年ずつ異なる)継続することで研究科修了扱いになります。
※論文提出必要
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再拝
2019 年 3月 11日
愛知県連盟理事長 多月 文博