合掌
23日(土)、24日(日)の二日間に亘って行われた「2019年少林寺拳法全国大会inあいち」を無事に終えることができました。大会規模についてはすでにお伝えしているところですが、天気予報に反して幸運にも二日間とも天候に恵まれ(22日金曜日の夜間の降雨で一部駐車場が使用不可)、混乱することなくほぼ予定通り開催することができました。全国からの出場拳士はもちろん、3,000名を超す観覧者の皆様、約320名の大会スタッフをはじめ大会運営に携わっていただいた全ての関係者に心から感謝申し上げるところです。
振り返れば、今大会を開催するにあたって一番の問題は施設の確保でした。当初候補に考えていた名古屋市南区笠寺の「ガイシホール」が2019年度に大規模修繕に入るということで使用できないことがその後判明し、施設規模からいってこの時点で候補施設は豊田市の「スカイホール豊田」しかありませんでした。しかし、2019年ラグビーワールドカップのPV(パブリックビューイング)会場となることがすでに決まっており、開催日は例年よりも1ヶ月遅らせざるを得ないことや、初めて使用する施設の使い勝手やアクセスの課題等も抱えたままで、見込み発車せざるを得ない状況でした。幸い、豊田市の関係部署や体育協会のご配慮もあり、6月と今回の11月に使用することが確定してホッと一安心したことが思い出されます。準備にあたっては豊田市少林寺拳法協会の皆さんの並々ならぬご協力のもとにほぼ全ての役割に絡んでいただき、“改善”に次ぐ“カイゼン”を重ねて準備作業を練り上げてくださいました。
さて、今大会ではいくつかのチャレンジをしました。審判員がタブレット端末を使用する採点・集計システムの導入と、そのことに伴う0.5点制の審査方法を採用したことです。また、情報発信ツールとして県連ホームページやTwitter、Facebookを有効活用して出場拳士の要望に応える試みもしました。審判員の皆さんにタブレット端末の操作により慣れていただくために、大会期間中もトレーニング環境を設える等のサポート体制にも取り組んでみました。今後の全国大会運営に向けて貴重な取り組みでもあったと自負しています。
今大会のテーマは『~原点回帰~半ばは自己の幸せを 半ばは他人の幸せを』でした。世界的に内向きの社会が形成されつつある現在、それでも私たちは“半ばは他人の幸せ”を考えられる人を目指します。創始の頃と大きく変化した社会環境の中で変わらなければならないことと変わってはならないことを再確認し合う場として掲げました。大会最後のアトラクションでは会場に掲げた『羅漢錬拳図』(縦4m×横8m)の前で出場拳士や審判員、運営スタッフも加わって一体感を演出できた光景は感慨深いものとなりました。
一方で、今大会には一切関わっていただけなかった所属長も少なからずおられました。様々な事情や意見、思いもあることでしょうが組織の一員として各地区内で了解されていることなのだと理解しています。
開催地として意思表示してから約2年間、所属長会議で方向性を説明しながらほぼ執行部だけで準備を進めてきました。経済的にも時間・労力としても所属長の皆さんに新たな負担を強いることなく通常の県連運営と並行して取り組んできました。大会直前には「本当に1ヶ月後に大会をやるのか?」というような意見も出たりして、開催に向けての一体感や意識の高揚といった面では乏しかったのではとの意見も承知しています。しかし、愛知県には大会ノウハウが蓄積されている強みがあったので、私としては規模が大きくなることで発生してくる課題、蓄積されたノウハウに更に上積みしなければならないことに粛々と対応していけばおのずとゴールが見えてくるのではないかという考えを持っていました。大会前の数か月間、担当地区によってはほぼ毎週集まってシミュレーションを繰り返して作業の精度を高めていただきました。起こりうるトラブルへの対処、リスク管理の徹底に取り組んでいただきました。
また、大会の流れの中で重要な役割を担ってくれたアトラクションチームの頑張りも見逃せません。大会テーマをチームで消化した結果ストーリー性のある演武構成となり、そして披露されて多くの感動を得たのだと思っています。所属も住所も違うメンバーが定期的に集まっての練習は本当に大変だったと思います。サポートメンバーも含めて十分に存在感を示していただきました。残念だったのはメンバーの一人が初日に怪我をして、晴れの舞台で躍動できなかったことです。出場を止めた所属長の判断、本人の悔しい思いは想像するに難いことです。願わくは、また歩き出してほしいと思います。
語りつくせない様々な出来事や感動と共に大会を無事に終えることができました。今後の大会運営を見据えてチャレンジしたタブレット端末を活用した0.5点制の採点集計システムも次大会に繋がっていくものと思います。まだまだ膨大な残務処理もありますが、まずは大きな責任を果たせたことに主管連盟として安堵しています。そして、県内はもちろんのこと、今大会に関わっていただいた全ての関係者の皆さん方に心より感謝、お礼申し上げます。
本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。
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再拝
2019 年 11月26日
愛知県連盟理事長 多月 文博