2020年1月 理事長通信

合掌
イギリスのEU(欧州連合)離脱が1月31日に実現しました。2016年6月の国民投票から3年7カ月、紆余曲折を経ての離脱です。47年間にわたって加盟してきたEUからの離脱。国民投票以来、離脱条件やそもそも本当に離脱するのかをめぐっての激しい議論によって政治や国際社会までもが混乱しましたが、離脱が実現したことで大きな転換点を迎えたことになりました。今回に至るまでには過去3回にわたって離脱延期を余儀なくされましたが、昨年12月に行われた総選挙で離脱の実現を目指したジョンソン首相率いる与党・保守党が圧勝したことで、混乱が続いてきた議会の審議にやっと終止符が打たれました。国を超えた政治の可能性を探ってきたEU。独仏など欧州6カ国が1952年に前身となる欧州石炭鉄鋼共同体を創設して以来、2013年のクロアチア加盟まで28カ国に拡大してきたEUは、初めて加盟国が減少する事態となり、まさに正念場となります。
今、世界は国境を超える問題に満ち溢れています。地球温暖化の影響が問われる気候危機、今この瞬間も拡大を続けるコロナウィルスをはじめとした感染症問題、移民・難民問題や金融危機と、国単位ではとても解決できない地球規模の問題ばかりです。そのうえ、問題解決に向けての国際連携・協調をあざ笑うかのような自国第一主義の台頭や移民・難民の排斥等、『優しさに満ちた世界』の構築とはあまりにかけ離れた政治の劣化ともいうべき問題が横たわっているように感じます。EUのつまずきはそんなことへの影響も彷彿させます。
さて、新年早々の先月11日(土)に全国理事長会議が開催されました。全国大会終了後はじめての全国都道府県連盟理事長・事務局長が一堂に会する機会でもあり、全国大会開催にあたっての多くのご支援に対して直接お礼を申し上げることができました。各都道府県連盟からは「素晴らしい大会だった」「運営スタッフが落ち着いて対応していたことが印象に残った」「観客席の規律が守られていて座席を探すこともなく落ち着いて観覧できた」等々、運営に対してすこぶる高い評価をいただくことができました。また、今大会の出場記念品として作成した全出場拳士一人一人の記念写真も何とか仕上がったことから、各都道府県連盟・各連盟にお配りすることもでき、写真の出来栄えはもちろんこのアイデアに対しても絶賛していただきました。
今大会のテーマは『~原点回帰~』でした。社会も私たちの組織も様々な課題に直面している今、私たちの日々の修行の原点は何か?何を目指すべきなのか?を考える機会にしようとの思いから掲げた大会テーマでした。それを伝えるためにアトラクションの内容もこのテーマに帰結するように組み立てました。“羅漢錬拳図”を前にして少林寺拳法開創を思い立たれた開祖の思い。たった一人の思いから世界に伝搬していった幸福運動を20分にまとめたのがアトラクションのストーリーでした。
また大会中、320名を超える運営スタッフの中には一度も会場には入ることなくひたすら役割を担っていただいた方々もたくさんいらっしゃいました。それぞれがそれぞれの役割の中で“他人(ひと)を思い、ひと手間にこだわり”実践した結果がひとつの成果を生み出しました。手前みそにはなりますが、まさに『優しさに満ちた世界』を感じられた大会だったように思っています。あらためて関係各位に対して感謝、お礼申し上げます。「ありがとうございました。」
1月13日(祝日)に本山にて師家承継式が行われました。グループ組織にとって大きな節目となりました。前に進むために、まさに『原点回帰』が問われる一年になるのではないでしょうか。個の活性化を連帯して大きな流れに繋げていくこと、愛知県にとっても“点”を“面”に繋げる活動を目指して取り組む一年となります。引き続き、ご協力をお願いします。

 再拝
2020年2月1日
愛知県連盟理事長 多月 文博

※少林寺拳法“グループ愛知”ポータルサイト構築計画に伴い以下のサイトが立上っています。
 (愛知県連盟サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kenrenにて紹介)
  ■11支部サイト掲載(スポーツ少年団・大学・実業団)
(愛知県教区サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kyoukuにて紹介)
   ■59道院サイト掲載

 




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