2021年1月 理事長通信

合掌

コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中で2021年がスタートしましたが、昨夜(13日)、先行する首都圏の1都3県に続いて関西圏(大阪・京都・兵庫)・中京圏(愛知・岐阜)に福岡・栃木を加えた2府5県に対して緊急事態宣言が発令されました。一週間で合計11都府県に拡大されたことになりますが、大きな痛みを伴う措置に対して世論は厳しい反応を示しています。振り返れば1年前、国内初の感染者が報告されてからの我国のコロナ対策は現状を見る限りはとても的確だったとは言い難く、しかも実際に伝説の“アベノマスク”だけでなく後手を踏む場面の連続だったように思えてなりません。世界的に見ても地域的に東アジアは欧米に比べて比較的被害が小さかったはずなのに、感染源とされる中国の感染者数をはるかに超えてこの地域では断トツの感染国になってしまっています。現時点でコロナウイルスをほぼ完璧に抑え込んでいるとされるニュージーランドや台湾と何が異なっていたのでしょうか?

年明け早々から倍々ゲームのように衝撃的な新規感染者数が連日報告されていますが、自分たちの中の危機意識の基準値が麻痺しかけていることに気がつき、愕然とさせられることがあります。慣れることと背中合わせに感染拡大が口を開けているという恐怖感は常に持ち続けていなければならないと思っています。いずれにしても今の状況は医療機関の崩壊が決定的ともいえ、引き続き各自が「感染しない させない」ことを肝に銘じて行動自粛することしかないのでしょう。昨年の10月度から地方で開催されてきた特別昇格考試も今月・来月開催予定が延期となりました。

 

コロナ禍は私たちにあらためて色々なことを振り返らせ、気づかせ、在り方を問いかけているように思います。大きな視点で言えば遅々として進まない地球温暖化や自然破壊への対応、核軍縮や貧富の格差、様々な分断、政治の在り方、危機管理とは、有事に際しての決断等々、数え上げればきりがありません。何よりも、『人』としての価値観や優先順位の在り方をどこに置くのかが特に問われているように思います。開祖が言われた『人、人、人、全ては人の質にあり』に帰結するように思います。有事に際しての対応は“原則”や“基本”に立ち返ることで取るべき道筋が明らかになっていくのではないでしょうか。コロナ禍という国難とも言うべき災禍に対しては事実を正確に受け止め、分析し、優先順位に基づき対策を判断し決断・断行する。何よりも決断に至る根拠について説明責任をきちんと果たすことで信頼関係を維持する。それが一体感を持った対策となり大きな成果・効果をもたらすように思います。

拳士数の減少、指導者層の高齢化はここ数年間以上にわたって組織の課題となっています。組織機構改革の一環で活動内容の露出度が減り、ここ10年間は特にその傾向が顕著になっています。しかし、私たちが目指す“人としてあるべき姿を求める”取り組みは時代を超えて引き継がれていく価値があることを私たち自身がコロナ禍の中で再認識できるのではないでしょうか。具体的な活動が制限される今だからこそできることもあるはずです。『点』を『面』に変える取組みに一体感を持たせることの必要性を県内所属長の皆さんには訴え続けてきました。この時代の広報手段としても手軽で取組みやすいと思います。一体感を持たせたポータルサイトへの加入を検討してみてください。

 

昨年末から2021年度の施設使用について施設管理窓口と各団体間での交渉が行われています。昨年はほとんど全ての競技団体が各種大会の開催を見送ったことから今年は行事開催の申請がオーバーフロー状態で、特に大きな会場については調整が難航しています。併せて、愛知県武道館の大道場が改修工事によって5月以降ほぼ今年一年間使用できないために、例年定期的に開催してきた行事も当たり前に確保できない状況になっています。現時点では、各種全国大会が開催される方向ですから選考会も予定しなければならず、日程に合わせた会場確保が非常に難しい状況になっています。感染状況によっては苦労して確保しても中止せざるを得ないことも起こるわけですから、見えない敵との闘いは何とも始末に負えません。

こういう状況であるからこそコミュニケーションの充実が求められますが一堂に会しての機会が限られていることも現実です。難しい判断を迫られることも出てくると思いますが結論だけではなくそこに至った考え方や裏付け等、可能な限り説明責任を果たした県連運営に努めていかなければと考えています。異論もどしどし寄せていただきたいと思っています。目的を共有することでいろんなアプローチを見出していこうと思っています。引き続き、ご協力をお願いします。

再拝

2021年1月14日

愛知県連盟理事長 多月 文博

(愛知県UNITY運営委員会委員長)




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