合掌
新型コロナウイルス新規感染者数“世界一”を突っ走る状況の中で、全国高校総合体育大会(インターハイ)や全国中学校少林寺拳法大会(全中)が無事に開催されたようです。特に、全中大会は開催地・開催日が当初予定からが変更になったことや、お盆のしかも台風の影響が報じられる中で“昨年の記憶(豪雨による中止)”が蘇った方も主管する関係者の中にも多かったことと思います。この季節の屋外スポーツの象徴的な位置づけである“夏の甲子園”大会では、感染者を出しながらも試合日程のやり繰りや選手の入替を認める中で大会が続けられています。子供たちの夢の舞台を何としても提供するのだとの主催者側の強い思いと共にその舞台づくりに悪戦苦闘が続いています。
8月6日(土)広島で、8月9日(火)には長崎での被爆77年目を迎えた平和祈念式典。そして8月15日(月)には77回目の「終戦記念日」を迎えた日本。ロシアのウクライナ侵攻や台湾をめぐる米中対立、それ以外にも世界各地で起こっている迫害や弾圧、分断の数々。戦争が遠いものではなくこれほど身近に感じられることは近年ありません。ロシア・プーチン大統領は核兵器の使用も辞さないとあからさまな脅しを世界にかける、対して当事国ではない国の人々でさえ、身を守るためには核兵器が必要だと言い始めています。湯崎・広島県知事が平和記念式典の中で述べられた「核兵器は、現実の、今そこにある危機なのです。・・・核兵器が存在する限り、人類を滅亡させる力を使ってしまう指導者が出てきかねないという現実を直視すべきです。」との挨拶に思わず鳥肌が立ちました。ウクライナの惨状にもいつしか慣れてきてしまっている自分にハタと気づかされました。一方、広島出身の岸田首相の挨拶はといえば8割以上が故安倍・元首相や菅・前首相時代のコピペだったとか。立場の違い、当事者意識の差(欠如)というにはあまりにも違いすぎる内容にただ呆れるしかありません。世界で唯一の戦争被爆国の首相であり、核兵器廃絶に向けてリーダーシップを発揮していくと公言し続けている方のメッセージとしてはあまりにも他人事のように感じられました。
さて、参院選期間も終盤となった去る7月8日金曜日、遊説先の奈良県内で応援演説中の安倍晋三・元首相が凶弾を受けて倒れ、その後亡くなるというショッキングな事件は発生から1ヶ月が過ぎて意外な方向へ展開しています。事件をきっかけに注目を集める自民党と旧統一教会との関係。単なる政治と宗教ではなく互いの「利権」が見え隠れする関係と言えそうです。
プーチンによるロシアの軍事侵攻もトランプ・アメリカ前大統領の国家機密の持ち出しも、そしてレベルは違えど今回の政治家と旧統一教会の関係も、明らかに“やってはいけない”ことをわかったうえでとにかく“やったもの勝ち”的に行動に移したとしか思えてなりません。ロシアの軍事侵攻に気候変動も加わって世界が食糧危機にもさらされ、結局弱者が理不尽な苦しみを背負わされている現実。どれだけ尊い命が失われても国連すら有効な手立てが打てないことに絶望的な気持ちにさせられます。“良いことは良い、悪いことは悪い”というシンプルな世界への途方もない険しさを思い知らされる出来事が続きます。
8月は愛知県にとって一年で唯一県連・県教区の行事がない月です。先月7月の定例行事を初めて体調不良で欠席し、大変ご迷惑とご心配をおかけしました。申し訳ありませんでした。多くの先生方からご連絡いただきましたことに対し、重ねてお詫びとそしてお礼申し上げます。ありがとうございました。体調不良の時は殊更「身心一如」を思い知らされます。気付かないうちに拡がりつつあった自分自身の中でのマンネリ感や停滞感を払拭するための機会を得たと感じています。組織の停滞感に対しても引き続きチャレンジしていかなければと思っています。引き続きご協力ください。
2022.8.18
愛知県少林寺拳法連盟 理事長 多月 文博
(愛知県UNITY運営委員会委員長)