合掌
専門家に「常識が通じない」と言わしめた地震が依然として九州を揺さぶっています。4月14日午後9時26分に発生した最大震度7、M6.5の地震が本震ではなく実は前震で、同16日深夜1時25分に発生したM7.3の地震が余震ではなく本震だったと・・・。終息を期待しながら余震を警戒していた次の夜に発生したのが実は本震だったことで、被災された方々の恐怖感はいかばかりか計り知れないものがあります。留まる気配なく続発する余震、崩落した山、寸断された道路。“自然の猛威は人知を超える”と言われますが、大自然を前に人間の存在は何と無力で小さいものかと思い知らされます。東日本大震災発生から5年が過ぎ、いまだに原因究明が道半ばにも達していない福島第一原発事故も含めて未曾有の大災害が数年で風化していく現状に警鐘を鳴らすかのようなこの度の“熊本地震”なのではないでしょうか。地震の広がりは北東側へ進んでいますが、その延長線上には四国から近畿へと続く国内最大級の断層群「中央構造線断層帯」があり、さらなる波及も懸念されています。被災を免れた私たちは、この機会に大規模災害発生時の備えについてあらためてチェックしてみる必要があるのではないでしょうか。少しでも減災につながるように準備をしておくことこそ貴重な教訓を生かすことにほかなりません。混乱を極める現地対応、非常時の“想定外”を少しでも減らすためには経験の積み重ねしかありません。同じことを二度と繰り返さない心構えが問われているような気がします。被災されたすべての方々に対し、あらためて心からのお見舞いを申し上げるばかりです。各所属に対して義援金の拠出を呼びかけております。ご協力をお願いします。
さて、4月24日(日)に2016年度の県連定期総会(並びに県教区全体会議)が開催され、2015年度事業報告・収支報告、ならびに2016年度事業計画案・収支予算案を承認していただくことができました。事前質問に加え、昨年度から県連に委託された昇格考試(昇級・昇段・考試員講習会)の具体的な実施方法について率直な意見を出していただきました。県連に委託された昇格考試業務から得られる委託費収入をどう扱うかというところがポイントとなりました。結果的には、過去5年間の昇格考試受験者数の推移をもとにした執行部提案通り委託費収入は各支部・拳友会の会費・広告費の減額(5,000円)に反映させるとこととし、それに伴って必要となる支出削減策にもご協力いただくことになりました。ただ、支出削減策に対しては将来展望を含めて様々な意見を出していただきましたので、今月以降の実施状況を検証しながらより良い方法に落ち着けたいと考えています。定期総会・全体会議を通して例年にも増して所属長各位との率直な意見交換がなされたことに感謝申し上げると共に、この活動を次の世代にどう繋げていくのかという点でも意志を共有することができたように感じています。“愛知県ポータルサイト構築計画”の進捗に伴って徐々に成果も表れてきているとの報告もあります。少しずつでも前進することがこの組織の活性化に繋がっていきます。
再拝
2016 年 5月 5日
愛知県連盟理事長 多月 文博