7月 理事長通信

合掌
18歳選挙権が導入されてはじめての国政選挙である第24回参議院選挙。終わってみれば自民党、公明党の与党が勝敗ラインに掲げた改選過半数を大幅に上回る議席を確保し、憲法改正に前向きな勢力は改憲の発議を可能にする衆参両院の3分の2を占める結果となりました投票率は過去4番目に低い54.7%。しかし、注目された18・19歳の投票率はそれを下回る45.45%と報じられました。真っ先に勝因に挙げられるのは安倍首相の周到な戦略であるというのを選挙総括でもよく目にしました。有権者の負担回避を名目に消費増税を2年半延期し、改憲論議を封印することで見事に「争点つぶし」を行い、あわせてイギリスのEU離脱や東京都知事選等々のニュースもあって参院選への関心がいま一つ高まらなかったことも有利に働いたともいえるでしょう。つまり、与野党の“争点がかみ合わない”選挙となったことが“周到な選挙戦略”であったと言われる所以でしょう。しかし、局所的に見れば1人区で11人の野党統一候補が当選、基地問題で揺れる沖縄では現職の閣僚(島尻沖縄北方担当相)が破れ、福島第一原発事故が今なお暗い影を落とす福島選挙区でも同じく閣僚の岩城法相が落選と、特に東北6選挙区で5選挙区を与党が落すという“惨敗”結果も見られました。こと東北においては巧みに争点をぼかそうとした与党の足元を見透かしたように政権に対して懐疑的な反応が示されたと言えます。都合の悪いことには “ダンマリ”を決め込みひたすら時が過ぎるのを待つ。甘利前経済再生相といい舛添前東京都知事といい、恥ずかしい話ですが政治家の常套手段と言われても仕方ないくらい無責任な対応が続いています。
さて、愛知県教区のポータルサイトを見ていただけていますか? 愛知県内において少林寺拳法を「始めたい」「続けたい」と思った人たちに対し、「どこでやっている」「どんな人たちがやっている」「どんなことをやっている」という情報を提供するために構築した専門サイトです。現在、80道院を超す賛同を得て、県内の各道院サイトが順次立ち上がっており、各道院のブログもそれぞれ独自色を出して動かしつつあります。これまでは道院・支部の近所、口コミでしか増やすことができなかったのが、「勤務先の近く」「通学の圏内」「週末利用」「近い世代がいる」「女性が多い」「高齢者でも取り組める」「駅から近い」「学校の近く」等々、ポータルサイトから得られる情報をもとに、様々な「自分に合った条件」に適う道院を比較検討しながら探せるようになったという感想や、より自分に合った道院に出会えることで、転籍を経て休眠拳士や去っていく拳士を引き留める効果も狙っています。組織の区別化を図るために昨年度は愛知県教区サイトを優先的に立ち上げ、今年度は県連サイトの構築を進めています。ここにはスポーツ少年団、高校・大学、実業団の各支部サイトを立ち上げていただきます。サイトの作成については県連が全面的にバックアップすると共に維持費についても県連で負担していきます。将来的には武専を含めた“愛知県少林寺拳法グループ”サイト構築に向けて進めていきます。そのためにも是非、現時点で稼働している愛知県教区サイトをご覧になって将来像をイメージしていただきたいと思います。
創始70周年を来年に控え、組織としても大きな節目を迎えています。愛知県内のこれまで組織の発展に尽力されてきた先生方にとっても同様です。年齢や健康面の不安等から世代交代を検討されているところもあります。開祖の志や思いが世代を超えて脈々と引き継がれていくように今を生きる私たちは役割を果たしていかなければなりません。そのためにも今できる取り組みを皆さん方に示し、議論し、方向性を定めて推進していきます。引き続きご協力をお願いします。

再拝
2016 年 7月 21日
愛知県連盟理事長 多月 文博

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