本日は、専有道場からのスタート。桜の花が舞い散る道中を進み、皆が集まります。
今日は、私以外は全員小学生に成る予定の日。それも「話を聞けない」トップ3が勢揃いの日なので、鎮魂行の前に「話を聞く時は、自分が次にどんな動きをすれば良いのか、イメージしながら聞く様に」と伝え、スタート。鎮魂行自体は、3人共に良い唱和をしていました。
「あ・うん」を活用しての学科・法話では、広報に関するページを回し読みしました。ただ、まだ携帯電話を持たされていない面々ですので、広報の役割に限らず、「自分の出来る事で、他の人の支えをする」と言う「自他共楽」に通じる話をしました。最近、常々「国語は苦手」と言っていた小6四級のA君の語彙が増えている様で、回し読みをして読めない文字がある人がいると、率先して教える様に成っています。ここら辺りも、「自分に出来る支え」と言えるでしょう。
場を変えて、易筋行を。今日はそのままの人数で最後まで進む予定でしたので、3人のそれぞれの課題を、2人で「掛かり稽古」的に交代で相手をする方式で進めました。まずは基本演練で、開足立と運歩を使って丁字立に成ってから行うパターンを交互で行い、身体操作を立体的に点検してみました。私も言葉での説明に並行して、前と横の角度を変えて動きを見せて説明しましたが、それでも動きを間違えたり、細かいポイントを踏襲出来ない人もいます。「話の聞き方」の質を挙げる事の大切さ実感しますね。
「廻蹴」と「足刀蹴」の足の動かし方の練習方法を再度確認し、それぞれの違いを覚える様に=他の人に伝えられる様にと進めましたが、果たしてどうなるでしょうか?法形演練でも、小1白帯のH君の八級科目・小5六級のA君の五級科目・小6四級のA君の三級科目を1つずつ変え、交代で攻者の役割りもしましたが、目まぐるしく動きや左右が変わるので、頭と身体の体操にはなりますね。また、守者をやる際に、自分が教わっているはずの法形を再現出来ない瞬間もあり、個々の習熟の必要性も認識出来たと思います。
ラスト30分でボディプロテクターを付けての運用法を行い、更にラスト10分でフェイスガードも着けて「ガチ乱捕り」も行いました。「話を聞けない人」は、法形のレベルアップがかなり難しくなるのですが、一方で「考えなくて良い殴り合い」は好む傾向がある様です。「人の話を聞けない」、「相手の事を考えられない」人に、人を傷付ける技術を教えて良いのかと言う問題点は有りますが、「良さを伸ばす」と言う点では、必要なタイミングも有りそうです。
小1白帯のH君は、自分の身体の状態や動きを点検する感覚には乏しいですが、相手に当てる感覚は優れています。また強さに対する渇望が有る様で、自分より遥かに背の高い先輩相手でも、全く恐れずに攻撃していきます。「自転車で転んで擦りむいた」顔のすり傷も示す様に、的確に状況を把握して必要な行動をすると言う事が苦手な上に、「失敗」して注意されてる瞬間にその「痛み」から目を逸らす癖も有るので、「反省」が無く同じ失敗を繰り返す習性も有りますが、得意とする面があるならそこを伸ばしながら、「修正」も進めて行くとしましょう。
同じ小学1年生で入門し、同じ様に話を聞かず、相手の事を考えて来なかった小6四級のA君でも、易筋行に対する取り組み方や学科・法話や鎮魂行の際の姿勢でも変化が見えています。特に今日の様に、自分が最年長の顔触れに成って、他の人が注意を受けている時は、アドバイスをする瞬間も有りました。また、自分の科目を忘れている時は、以前は不貞腐れるだけでしたが、少し恥ずかしそうにする素振りも見せます。自分を点検する感覚を養えない人が多い世相ですが、周りとの関わり方でも、少しでも変化・成長をしてくれると良いなと期待しながら、気長に構えて付き合っていく事としましょう。