合掌
7月19日(日)、愛知県武道館にて5か月ぶりに昇格考試(昇段)を行います。再開の条件となる道院・支部・連合体の“集会による活動再開”が認められて以降無事に1ヶ月半が経過し、地域内においても顕著な感染拡大状況がみられないこともあって、感染防止のための最大限の予防策を講じたうえでの開催となります。3~6月に受験申し込みのあった100名超の拳士のうち、約50名の拳士が受験します。開催にあたっては「体調確認票」の提出等、受験者はもちろん考試員他関係者各位も十分な体調確認や感染防止の安全対策のもとでご協力をお願いします。審査方法も学科については事前レポートによる代替審査、技術については全て単独(守者)動作での審査となる等、接触を避けるために特別な方法で行うことになっています。当日の審査開始前に研修時間を設けて受験者も考試員も審査方法について理解していただけるように配慮しますので、安心して臨んでいただきたいと思います。また、9月以降の審査方法については今のところ従来方法に戻すことになっていますが、感染状況が全国一律ではないため各都道府県に判断が委ねられるのではないかと推測しています。各所属における修練方法にも差があると思います。実情に合わせて準備を進めていただきたいと思います。いずれにしても、今後も感染リスクが“ゼロ”にはならないことから各自で感染予防対策を講じていただきながらの再開であることを十分にご理解ください。
さて、新型コロナウイルスの感染拡大がとどまる様子が見えません。西欧やアジアでは多くの国が一定程度抑え込んでいるものの、世界的に見れば感染は拡大の一途をたどっています。(7月14日現在)213の国と地域で感染者数が1,300万人を超え、死者は57万人を超えています。感染者数は、国別ではアメリカとブラジルが突出しており、当然のことですが国の命運はトップの判断に大きく委ねられているということを改めてこの両国の指導者から学ぶ思いです。新型コロナウイルスによるパンデミックは国によっては天災から人災に移行しつつあるようにも思えてきます。ポーランドのドゥダ大統領が再選され、強権路線の継続が懸念される記事がありました。司法やメディア統制が一層進むとされています。香港に対する中国の国家安全維持法の導入、ロシアの改憲投票では78%の賛成でプーチン大統領は2036年まで続投が可能となる等、前述の両国も含めて世界はどこに向かっているのかが心底案じられるところです。自国ファースト、自分ファーストが何を生み出すのかを一人一人が真剣に思いめぐらさなければならないのではないでしょうか。
コロナ禍は多くのことを私たちに知らしめる機会となっています。特に、我が国にとっては発症当初のマスク不足をはじめとした医療用品・用具の自給率の低さやPCR検査能力をはじめとした救急医療体制の脆弱さ、感染者情報の共有化等の情報監視・処理システムの構築能力等々、何よりも国の危機管理能力不足を痛感させられました。感染第一波をギリギリのところで凌げているのは医療従事者をはじめとした日本人の国民性に負うところがやはり大きかったのではないでしょうか。様々な分析の中から導き出されている要因の中には感染防止に大きな役割を果たしたとされる“マスク着用”をはじめ、国や地域による生活習慣の違いが感染予防の成否に大きな役割を果たしていることも間違いないようです。
猛威を振るう自然災害とウイルス。人知の及ばないものへの対応は世界共通の大きな課題です。自国ファースト、自分ファーストで抑え込めるような代物ではないことを心して次に備える手立てを見出さなければ人類の将来が見えてきません。
危機に瀕した時、せめて私たちの心の中には開祖の言われた『人間関係の豊かさに価値を感じられる』生き方をしっかりと根付かせていたいものです。
再拝
2020年7月15日
愛知県連盟理事長 多月 文博
(愛知県UNITY運営委員会委員長)
※少林寺拳法“グループ愛知”ポータルサイト構築計画に伴い以下のサイトが立上っています。
(愛知県連盟サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kenrenにて紹介)
■11支部サイト掲載(スポーツ少年団・大学・実業団)
(愛知県教区サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kyoukuにて紹介)
■59道院サイト掲載