本日は、専有道場からのスタート。やや穏やかになりつつあるも、曇り空の蒸し暑さの残る中、鍛錬に励みます。
2ヶ月ぶりの道院修練。欠席者も多かったですが、それでも実施出来る事自体が有り難いですね。作務を終えての空き時間に、小2白帯のH君が椅子の下にあった氷の結晶の写真が載った本を見付け、興味津々。「あなた、本が好きだねぇ」と声を掛けると、小5六級のA君が自分が小1の頃の読書量や、現在図書委員をしている事を話してくれたり、図書委員が「絵本の読み聞かせ」をする場が有る事を話してくれました。違う学校に通う小6三級のA君も同様の話をしており、過去、「あ・うん」を使用しての学科・法話で、「金剛禅プロジェクト」のページを呼んでいましたので、「絵本の読み聞かせもやってみたいんだよねぇ。僕が読むんじゃなくて、皆に交代で読んで貰えると、面白いと思うんだけど」と話しました。
そんなこんなを話した後の鎮魂行。撮影係を御願いした小6三級のA君も含め、それぞれに「質」を意識した取り組みを感じました。こちらの伝えたい事だけに終始するのではなく、相手の資質や日常での在り方をも認めてこそ、「伝道」は成り立つのかなと改めて感じました。その後の「あ・うん」を活用しての学科・法話でも同様に、それぞれから「何かを掴み取ろう」と言う意識を感じました。
場を変えて、易筋行を。小2白帯のH君の、月末開催予定の少年八級の予備審査を行う流れで、プラス先週「少林寺拳法体験会」に参加してくれた小5女子のRちゃんが、今日も15時から参加してくれる予定でしたので、到着するまで少年八級試験に関連する動きを行います。暫く気合いを出して動きを確認していると、部屋の外に人の気配が。先週に続きRちゃんと妹の年長のNちゃん。そして、お父さんらしき男性も登場です。
お母さんのМさんから連絡を頂いていたのですが、私が月末と勘違いしていた「お父さんが見学するかも知れない」と言う日が、実は今日だった様で。お父さんのAさんにも一緒に身体を動かして貰いました。妹のNちゃんは先週同様「やだ、やらな~い」という感じ。先週は割りとしっかりやってくれたので、その話を聞いていたAさんはNちゃんもきっちりやってくれると期待されていた雰囲気でしたが、「いやいや、無理っしょ」とそこには全く注力せず、RちゃんとAさんに充実した取り組みをして貰う内容にします。Nちゃんには、就学前は無理に修練に交ぜようとせずに、同じ「修行の空間」に居る事自体に慣れさせておくぐらいでちょうど良いでしょう。
小1時間、突き蹴りの反復やキックミットを使用しての当身をした後、「転身蹴」の動きを伝えて、中3初段のH君に体験者を任せて、私は小6三級のA君に相手をして貰って小2白帯のH君の「予備審査」を。少年八級、場合によっては少年七級の出され方をしても対応出来るかを確認しましたが、動けるかどうかはともかく、白帯H君は自分のやっている動きの名称や必要なポイントを、ほぼ理解出来ていない状態です。取り敢えず9月に少年八級は受験させようと思いますが、今後に向けて課題も明確に成りましたので、しっかり強化していきたいものです。
残り時間を、先週同様に間合いを空けての空乱に費やしましたが、Rちゃんは説明を聞く時等に判り易く集中を切らす瞬間はあるものの、身体を動かしている時間は楽しそうですし意欲的です。Aさんも学生時代続けていたテニスを社会人になっても時折やっていたそうで、身体を動かす事が好きなんでしょうね。ずっと遊んでいたNちゃんは「この後、誰か来る?」と先週相手をしてくれた副道院長のNさんの存在を待っている様でしたので、「帰る時に、あなたと同い年の女の子が来るかもな」と伝えると、ちょっと驚いていました。
そろそろ締めようかと整列したところ、突然隣の和室との間のふすまがガタガタ動き始め、H君の妹のМちゃんが「くまさん」のぬいぐるみを抱えて登場。Rちゃん・Nちゃんとお互い「自己紹介」をして貰いました。先に道衣組と自己紹介をした時は、「やだ」と言ってやらなかったNちゃんですが、同い年のМちゃんがしっかりした自己紹介をしている姿を見せられると、嫌がる素振りも見せずに自然にこなしました。
締めの突き蹴りの反復の間も、隣の和室ではМちゃんとNちゃんが一緒に走り回り、作務を行っている時も楽しそうに遊んでいました。外でAさんに体験参加への御礼を伝えた後に、Rちゃんに「あなたは今日も頑張ってくれたけど、それもお父さんが車に乗せて連れて来てくれたからだよね。家に帰ったら、お父さんにちゃんと「有難う」と御礼を言ってね」と伝えると、Rちゃんは少し照れ臭そうに笑い、Aさんは「そうだぞ、お前~!」という表情で胸をそびやかしていました(笑)。車に乗り、Aさんから「ちゃんとお礼を言えよ~」と言われたのか、「はぁ~?!」と声を出していたRちゃんですが、窓を開けて「有難うございました!」と笑顔で合掌礼をしてくれました。「年頃」の娘さんと一緒に身体を動かす時間にもなり、「人としての在り方」も説く事が出来る貴重な時間を提供出来ているなと、満足感を抱きながら帰路に着きました。