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Shorinji Kempo

2月4日(土)の修練。

本日は、泉田会館での修練。寒い2月にしては暖かな空気に恵まれた中、鍛錬に励みます。

明日が愛知県知事選挙と言う事で、地域の拠点でもある泉田市民館は、投票所として使用されるので前日から入館出来ません。刈谷北道院設立当初は、そんな時は専有道場での道院修練を行い、15時くらいから刈谷市体育館の柔道場で自主練習をしたりしましたが、市民館の隣りの旧JA施設を地区が買い取った事により、代替施設として使用出来る流れに成りました。2つの施設の鍵を普段から持たせて頂いている事もあり、易筋行の円滑な継続がやりやすくなり実に有り難い事です。

昇級試験や発表会と言う節目も一段落したので、今日は技術の理法の部分を皆で体験する時間を取ろうと考えていたのですが、続々と体調不良や家族予定での欠席や遅れての参座の連絡が。今日は半数が休む事になった上、スタートに間に合ったのが2人と言う状態で、さて内容をどう変えようかなとと思案しますが、思えば数年前までは全員が参座してもこの人数だったなと、このコロナ禍でも何とか道院活動を継続出来ている事自体に、感謝・感謝です。

取り敢えず、自由練習では今日参座してくれる6人の下の級から科目の復習をして行こうかと決めて、それ以外の時間では普段やらない「遊び」の部分を織り交ぜようかと、腕相撲や腕立て伏せ等の筋トレもやってみました。普段やらない事は、皆楽しんでやりますが、伝える側が飽きさせない工夫をしつつも、受け取る側の飽きない意識・思考も大事だなと、学ぶ側でもあり伝える側でもある自身の在り方も顧みました。

やろうとしていた理法の探求の時間に、ホワイトボードに書いて伝えようとしていた事を、皆が集まる前に少し書いていたのですが、その残りを観て学科・法話の内容を考えます。その前に、「脳トレ」として今日休まれた6人の「休んだ理由」を皆に伝え、全員分を覚えられたかをチャレンジしました。6人分覚えるのも大変と言えば大変ですが、遊びの要素が強いので割りと皆楽しんで覚える事にチャレンジします。その後更に、遅れて参座した3人の「遅れた理由」を足し、更にスタートに間に合った3人のケガや作務の最中に叱られた出来事を足して12人分を出しましたが、ここまで来ると覚えようとチャレンジする人も居ません。

その後の学科・法話では、「自分の事しか考えていない人は、実は自分の事もしっかり大切に出来ていない」と言う話をしました。自分の事を支えてくれている周囲の環境に想いを馳せられない人が、自分の事を大切に出来る訳も無い、との話は皆理解出来た様で、それを出来る様にする為にも「他人の存在に関心を持つ事」を説きました。自分の練習相手を大切に出来ない人・関心を持てない人が、自分の鍛錬の時間を充実させられる訳も有りません。今回、全員分の名前を憶えていない人も何人かいましたので、今後その辺りがどう変わって行くか、注目していきたいものです。

キックミットを使用しての当身・鎮魂行と進み、自由練習では小5白帯のA君からスタートし、「自分の苦手な事」を自分で確認・選択し、皆で同じ事をやる様にしました。「一番下」から始めているのですが、実は上の級に進んでいても、基礎の部分でまだ意識出来ていない人は相当います。先日少年五級に合格したA君・Y君にも、「基本の体捌き・足捌きをもっと上達させないと、次の試験は無いよ」と伝えてありますが、まだまだひとつひとつの動きや意識が高まっているとは言えません。結局は自分次第ではありますが、少しでも高まって行ける様に粘り強く伝えていくだけですね。

最後の締めの気合い出しは、「今日は半分の人数だから、いつもの2倍出して」と言うと、実に良い気合いを響かせてくれました。良い雰囲気で締められたこの雰囲気を大切にしながら、技術レベルも挙げられる様に、工夫をして行きたいものです。

1月29日(日)、「泉田町芸能音楽発表会」での演武発表。

本日は、4年ぶりの開催となった「泉田町芸能音楽発表会」で、少林寺拳法の演武を披露して来ました。

コロナ禍により、各種地区行事が軒並み中止となったこの3年間。その間の地区の役員さん達の気遣いも近くで見る事が出来ましたが、感染者を出してはいけないと言う意識と、地域行事を絶えさせてはいけないと言う意識の狭間で、苦悩されていました。ようやく世の中の流れも変わり出し、一般観覧者無しで終了後のお楽しみ抽選会もやらないと言う形で4年ぶりの開催が実現しました。

2010年10月から活動開始し、2011年の4月から泉田市民館での修練を開始した刈谷北道院は、その年の盆踊り大会や年明けの芸能音楽発表会で演武披露の場を頂いて来ましたが、それが出来ないこの3年間で、これまでの行いが実は人前での発表と言う緊張感のある貴重な鍛錬の瞬間だったのだと、痛感しました。今在籍していくれている人達は、大半がコロナ禍に入ってからの入門者であり、その鍛錬の機会を体験して来なかったのですが、昨夜が昇級試験だった事もあってか、多くの人が実に良い意識で発表に赴く事が出来ていました。

今回はWちゃんを号令役とした6人での団体演武と、昨夜少年六級に合格したR君・H君、少年五級に合格したA君・Y君、副道院長のNさんとH君の3組の組演武を用意しました。実は、組演武を披露したR君は午前中から碧南で法事が有り、また団体演武に出演した小5緑帯のY君は、16時から家族の予定があるとの事で、参加出来ない可能性も有る状況でしたが、R君のお母さんから「出られる可能性に賭けて、練習させて貰えませんか」とのお話もあり、代役も段取りしながらR君に組演武をやって貰う事にしました。

年明けの運営会議で、私達の出番が発表会のトップバッターとなっており、R君はとても間に合えない状態でしたが、「間に合えない人がいるので、後半のスタートにして貰えませんか?」と御願いしたところ、即検討して承諾を頂けました。普段、集中力や意欲に欠ける傾向の有るR君ですが、前日の昇級試験も含めて、同じ学校の同学年でありながら1年近く後輩に当たるH君と、刺激し合いながら良いテンションと動きを身に付けて行き、「やらせて良かったな」と最も思える成長をしてくれました。

今年の地区長さんのお孫さんに当たるA君とY君の演武も、気持ちを途切れさせずにやり切れましたし、Nさんと会場の皆さんにも「2代目道院長候補」と紹介したH君の演武も、会場全体が息を飲んで見入る程の気迫と動きを見せてくれました。発表会自体に少しアクセントを加えられたかなと手応えを感じながら、全員で合掌礼をして、集合写真を撮る為に泉田会館に移動しました。

グループLINEで御願いしておいた事もあってか、保護者の皆さんも続々と移動して下さいましたが、いざ写真を撮ろうとすると、4年前の2倍以上の人数で顔が確認出来ない大きさの写真と成りました。今回、全員が都合を付けて出演してくれた事もあり、その御両親や兄弟のほとんどが来て下さった訳で、「これだけの人数の人が、今回の演武発表に協力して下さったのか」と改めて感謝の想いが湧いて来ます。地区の方からの出演者へのお礼として小学生にはお菓子・一般にはボックスティッシュを頂きましたが、加えて泉田町内で採れた里芋も頂き、「ちょっと分けて下さい」と御願いすると、小5緑帯のA君のお母さんが率先して動いて下さいます。ピンク色の髪をしたファンキーなお母さんですが、日頃からのその行動力にも感謝です。

今回の発表に際して、デジカメでの撮影係を「愛する一番弟子」のR君に御願いしようと、年明けに「受験で大変な時期だろうけど、やれたらやってくれる?」と連絡すると、既に豊橋市に有る国立大学に推薦で合格したとの返事が。撮影係を快諾してくれただけでなく、4月からは大学の寮に住む為に豊橋市住まいに成るものの、撮影の為にいつでも戻って来ますと、嬉しい言葉も聞かせてくれました。合格祝いとして簡単なお菓子を用意し、「2代目道院長」のH君から「愛する一番弟子」のR君にお祝いの贈呈もして貰いましたが、周囲の保護者の方からも拍手が起きる良い雰囲気。この行いが、刈谷北道院関係者や地域の方々に対してどの程度の貢献に成ったかは判りませんが、「やって良かったな」と思える幸福な空気を感じながら、泉田会館を後にしました。

1月28日(土)の修練。

本日も、泉田市民館での修練。冷たく強い風が吹く中、鍛錬に励みます。

今日の修練は、夜からの昇級試験と明日の「泉田町芸能音楽発表会」での演武披露に向けた総仕上げの日。午前中に公民館長さんから、会場設営がしてある旨の御電話を頂き、明日の雰囲気を感じながら練習出来るなと、内心ニンマリです。

到着してホールを観ると、机やステージ上の機材が設置されていたので、一旦移動させて元に戻そうと現状の写真撮影している時に、昨年の公民館長さんが地区の役割りでいらっしゃいました。3月に場所をお譲りする事へのお礼と共に、ホールの様子を観て明日の会の話題に成りましたが、何も行事をやれなかった昨年度の行いに悔いが残っているのかなと感じる様子でした。「5月8日からは、また世の中も変わりますね」と期待を込めた言葉も聞かれましたので、地域の方々の活動にも出来る範囲で協力していきたいものです。

作務を終えて、小5緑帯のA君と話す時間を取ったので、皆に「自分達で、試験や発表会の為の練習をして」と伝えたのですが、ほとんどの人が明日が発表会の本番だと言う自覚が無い様子。いきなり舞台の上での発表をやらせてみましたが、団体演武の面々は自分の号令や並ぶ場所も把握出来ていない状態でしたので、静か~に説教です。「この時間って、僕も不愉快なんだけどさ。もう少し、何とかならんの?」と言われた人達が、どう変えてくれるでしょうか。

学科・法話の時間では、言葉についてのページを回し読みします。「なるべく楽しい雰囲気で、のびのびと~」と意識していますが、それが出来る様になって来ると、はしゃいで言葉遣いが乱れて来る人がいます。堅苦しく成らない様に気を付けつつも、節度は上手に保ちたいものです。その辺りのサジ加減を自分で調節出来る人の方が、関係無い様で実は技術レベルも挙がる様な気もします。

今日はいつもスイミングで早上がりするR君と同級生のH君が、たまたま同じ書道教室に通っていて、その教室が段取りした漢字検定を受験しました。2人共に、今日の夜に少年六級を受験するので、15時過ぎに参座してくれました。遅れての参座や早上がりは有りましたが、その瞬間は滅多に無い刈谷北道院の全在籍者が一堂に会した事に。「この人数でよく続けられているな」と思いますし、多くの方からの支えも頂いていますので、少しでも長く有意義な空間を継続させたいものです。

16時過ぎからは、明日の発表と夜の試験の習熟の二段構で。今日は少年五級を受験するY君が、いつになく集中していて動きにも覇気が有りました。その集中力が持たない事が根本的な問題ではありますが、意識しようとしている瞬間が有るなら、自分で自分をより良く変えて行ける可能性があるでしょう。一緒に受けるA君も含めて、「自分を変える意識の無い人に、昇級試験なんて必要無いだろ。もしかしたら今回が最後の受験に成るかもしれないから、悔いを残さない様に気持ちを込めて行けよ」と若干のプレッシャーを掛けつつ、叱咤激励します。その言葉を、どう受け止めどう自分に響かせるか。この後の試験で、しっかり見届けたいと思います。

1月21日(土)の修練。

本日も、泉田市民館での修練。冷たい空気ながら、何処か暖かさも感じる中で鍛錬に励みます。

今日は、事前の欠席と遅れての参座の連絡を多数頂いている状態でのスタート。作務やホールの掃除機掛けに時間が掛かるかなと想定していたのですが、何故か5人の参座で易筋行のスタート時間に間に合いました。大抵そんな時は、掃除機を雑に早く掛けているのでカーペットに残るゴミが多いのですが、迅速な行動と丁寧な作務。これを両立させる事もなかなか簡単ではないでしょうし、意外に修行において心しておかなければいけない点の様な気もします。

そんなこんなを考えていると、私自身の身心がイマ一つ集中し切れていなかったのか、来週に控えた昇級試験に向けた練習中心にせずに、多少実験的な事をウォーミングアップや基本演練で挟みます。初めて行う様な事は当然上手くは出来ませんが、逆にそれまで練り上げて来た事が、どの程度身に付いているかが浮かび上がって来ます。そこに自分で気付き、普段の取り組みに反映させられるか、「ただ、やって終わり」になるかは、その人次第。結局は、その人が求めている自分にしかならないのでしょうが、何処かで良いきっかけに活用出来る刺激を、自ら掴んでくれると嬉しいのですが。

学科・法話の時間でも、「チャレンジする事」を推奨しました。「将来、自分がお金持ちに成ると予想している人居る?」と聞くと2人ほど手を挙げました。「お金の有る人は、お金を使って退屈しない様に楽しい事をすれば良い。でも、そのお金が無い人は、日々の生活でチャレンジする様にしていると、長い人生で退屈しなくて済むんじゃない?」と話しました、何かを成し遂げる為ではなく、「退屈しない為のチャレンジ」。皆の心と頭脳には何が残ったでしょうか。

鎮魂行に入る前の小休止中に、小4緑帯のE君が教典の縛り方について質問して来ました。まったりと扱い方の説明をしていると、他の人も周りに来て聞き始めます。ですので、急遽E君に主座を・打棒を立候補したWちゃんに任せて鎮魂行をスタート。質問している時点で、恐らく「自分が主座をやるんだ」と思って聞いていなかったE君。あちこちに説明を受けた部分でのほころびが見えました。それでも、始める前に小6茶帯のH君に号令を掛ける時のアドバイスを自ら求めたり、「やろう!」とする意識・意欲は有ります。その分の緊張感によって浮かび上がる普段の癖も踏まえて、終了後に改めてアドバイスを。Wちゃんにも打棒の打ち方と、「突抜」の抜き方を照らしたアドバイスを伝えました。また、彼ら2人に、自分で思う直すべき部分を聞いている時に、その話を聞かずに一人遊びで時間を潰している先輩の小5緑帯のY君には、「あなたに主座を任せないのは、そう言うところだよ」と伝えました。それぞれの人達、また周りでそれを聞いていた人達が、次にどう活かしてくれるか。楽しみなところです。

休憩後の自由練習では、昇級試験に向けた習熟と来週の「泉田町芸能音楽発表会」に向けた練習を。新春法会での「1年の目標」で「土曜日だけでもコンスタントに参座する」と述べた副道院長のNさんは、昨年買った道衣のズボンが小さくなりつつある「2代目道院長」のH君との組演武の練習で、充実した時間を過ごしています。初の昇級試験に向けての習熟に励む小4白帯のH君は、今日は入門を誘われた同級生E君との練習です。御家族が運動好きの様で、身体能力は高くどの動きもそつ無くこなすH君。そんな人に有りがちな、闘争心の無さや残心を取った時の意識の集中の低さも感じます。運動能力や物事に対する勘は鈍いものの、意識・意欲が高いE君とは、ある意味凸凹なコンビ。彼ら2人には、ついつい私も求めるものが高くなってしまいますが、伝えるトーンにも気を付けて良い雰囲気を作り、2人で協力して向上する習慣をつけてくれると良いですね。

今回の試験で、最も難関と成る少年五級を受験するA君とY君。芸能音楽発表会での組演武もやって貰うのですが、その順番も覚えて来ずに、内容を書いた紙も持参しなかったA君にまず説教。同じく順番を覚えずに来て、覚える時間を取ったにも拘らず、順番や構えや動きを間違えても気付かないY君に、「今日の修練に臨む為の準備はして来たのか」と説教。ひとつひとつの法形に対する注意点も全く高まらない状態ですので、「さて、今後どうしようか」と悩ましいところです。説教されても話を聞けないところが変わる訳でもなく、A君などは説教された時の所作だけ慣れて上手くなって来ますが、「その前の、説教されなくなる為の部分を上手くなって欲しいんだけど」と思いつつ、「最悪、叱られる時の叱られ方や謝り方が身に付けば、人生何とか成るか」とも思います。自分のどの部分を、どの程度にしたいか。結局は自分次第ですが、ちょこちょこ刺激して行こうと思います。

その間、少年団体演武の3人は、ほぼほったらかしでしたが、集中してやっている感じではありませんが、何処か楽しそうです。「まあ、こんなもんで良いか」と流し、説教する時間の多かったA君とY君に対しても、時計を観ながら最後まで「説教された」に成らない様に、徐々にトーンを柔らかくして締めの気合い出しに繋げます。作務の進み方においても雰囲気の良さは感じましたので良しとして、眼鏡の忘れ物をしたE君に眼鏡を受け渡すまでを終えて、本日の修練を終了しました。

,1月14日(土)の修練。

本日も、泉田市民館での修練。昨夜から続く雨の中、鍛錬に励みます。

今日は、月末に昇級受験を予定している小5緑帯のA君・Y君・小4黄帯のR君・白帯のH君の4人が、受験出来るレベルに到達しているかの見極めを予定していた日。15時からのスイミングの為にR君が早上がりするので、それまでの時間にまず少年六級の見極めを行い、その間副道院長のNさんに指揮して頂こうと考えていたのですが、午前中にNさんから長女のRちゃんの大学受験の送迎の為に休む旨の連絡を頂きました。小学3年生で入門し、中2の3月に刈谷北道院初の准拳士初段に、同級生のМちゃんと共に成ったRちゃん。いつの間にか大学受験する年齢に成っていたかと、感慨深いものです。

Nさんの代わりに小6茶帯のH君に指揮を御願いするかと考えていましたら、H君のお母さんから部活動の為に到着が14時過ぎに成るとの連絡が。ですので、受験予定者4名を前に並ばせ、他のメンバーにも同じ内容で、基本の審査をする事にしました。さすがに月末に受験すると成って、他のメンバーよりは集中はしているものの、そこかしこで技術的未熟さや意識の低さが観えて来ます。技術レベルもそうですが、「自分の試験に対して、真剣に全力で取り組む」ぐらいの事は、最低限出来る様にしておきたいものです。

その後到着したH君に任せて、少年六級を受験するR君・H君の確認を。技術面はそこそこ出来ているものの、気迫や残心等の意識面で抜けの多い2人。静かなトーンで技術的ポイントを指摘しますが、それよりも「自分でやる気に成る」と言う部分を、自ら掴んで欲しいものです。その後の学科・法話では、私自身の資格試験に関連して、普段の習熟に向けた取り組み方や、試験当日の自分に適した準備や心構えの整え方を説きました。聞いている人に何がどれだけ伝わったかは判りませんが、何かしら、自分の日々の生活に活用してくれる嬉しいですね。

学科・法話明けに、スイミングに向かうR君にお菓子を渡して送り出し、キックミットを使用しての当身に入ろうとしましたが、学科・法話で話したかった事として、Rちゃんと一緒に准拳士初段に合格したМちゃんが、元々は引っ込み思案だったものの、少林寺拳法で気合を出す事によって、人前で声を出す事が出来る様になり、小学校5年生の時には児童会会長に立候補して当選するまでになった事を話し、これまで学級委員等をやった事がある人がいるか聞いてみたら、小6茶帯のH君と小5緑帯のWちゃんのみでした。「少林寺拳法は、社会に役立つリーダーを育成する為に創始されたものなんだから、もしやれる人は4月からの新学期で何かに立候補してみ」と話しました。本当に立候補する人がいるかどうか、4月以降が楽しみです。

鎮魂行後の自由練習では、少年五級を受けるA君・Y君の見極めを。他のメンバーはH君の指揮の元で進めて貰います。今日は,小2白帯のA君が発明クラブの為に16時過ぎに到着する予定でしたので、A君が来てからは「龍王拳第一系・単演」をやる様に伝え、受験者の見極めを進めますが、自分のレベルを挙げる為に必要な準備・段取りをほとんどしないA君・Y君は、なかなかに手が掛かります。それでも、動く前に法形毎のポイントを言葉で説明する様に求め、自分で口にした言葉を意識して動けているかを観ました。出来ていない部分も多いものの、見極めの時間内でも意識が高まっているのを感じましたので、残り2週間を自分のレベルを挙げる為にどう使うか、しっかり意識する様に伝えて、見極めを終えました。

その間、後ろで「龍王拳第一系・単演」をやっているメンバーが、集中して取り組んでいる様に観えなかったので、「やれやれ、また説教か」と思いながら8人にやって貰いましたが、普段話を集中して聞けず、自分の身体の動きを点検するのが苦手な小2白帯のA君が、号令に合わせて動かす手足と身体の向きは間違えずに出来るレベルに成っていた事には驚かされました。これも、本人の意識だけでそこまで到達出来る訳も無く、真剣に取り組んでいる様に観えなかった先輩達が、実は効果的な関わり方をしてくれていたいのかと、目の玉を洗われたような想いがしました。

その後の締めの気合い出しも良い感じでしたが、この雰囲気の良さを活かしつつ、すぐには結果を出せなくても、小学生達に任せる時間も増やしてみようかと思いながら、帰路に着きました。

1月7日(土)の修練。

本日から、2023年の修練がスタート。専有道場での新春法会の為に、皆が集まります。

相変わらずのコロナ禍の中で新たな年もスタートし、円滑な道院運営も簡単ではないでしょうが、明日がどうなるかは判らない状況で「最善を尽くす」と言う事は、人の一生でも同じ事でしょう。「困難な状況が待っているから」悲観したり諦めたりするのではなく、「より良い自分」・「より良い社会」を目指して日々精進に励む。修行の大前提でもある事でしょうが、人生の糧と成る取り組みを心掛けたいものです。

今日の新春法会でも、集まった時点での役割分担で司会進行を小5緑帯のY君・撮影係を小5緑帯のWちゃんに御願いし、進めます。私の導師法話も時計も見ずに長くなった気もしますが、逆に目の前の人達の状態を確認しながら、伝えるべき事を話せていた様に思います。その後、全員で少林寺拳法面・生活面での「今年の目標」を発表しました。「しっかり考えているな」と思う人も居れば、自分の前に話した人と同じ内容の言葉を発しているだけの人も居れば。色んな人が集う中での有意義な修行を目指したいものですね。

場を変えて、易筋行を。その送迎を、今回は副道院長のNさんと小5緑帯のY君のお母さんに御願いしていて、先を考えていた訳では無いのですが、Y君のお母さんの車に乗るメンバーを小6茶帯のH君と小5緑帯のA君を含めた3人にして、市民館の鍵を渡して先に向かわせました。その後Nさんの車に乗る大半・法衣を畳んで片付けをして発つ私の順で市民館に着いたのですが、先発した3人が今月末に少年五級を受ける2人を含んでいた事もあり、私が遅れた10分程の時間を。H君の指揮の元、自分達で練習していてくれた様です。新春法会をスタートする前に、全員が揃う前に作務が終わっていた事もあり、16時で早上がりをするY君と最も習熟度の低いA君に、「片手寄抜」の鈎手守法の取り方のポイントを伝えていたのですが、市民館に着いた時にはNさんも交えてそれを復習していましたので、「蒔いていた種」が実りつつある土壌の醸成を感じます。

その後の易筋行では、基本の身体操作に対する意識を、改めて伝えます。それを意識して動こうとする人も居れば、ただ手足の動きを繰り返す人も居ます。どちらも「サボっている」訳ではありませんが習熟度には違いが出て来ますし、逆に今出来ていない人が、この先も出来ないと決まっている訳ではありませんので、可能性を諦めずに粘り強く伝えて行きたいものです。

その後の易筋行では、段取りが遅れていた月末の「泉田町芸能音楽発表会」の内容を皆に渡し、グループ単位で習熟に励みます。その前日の昇級試験を受験する4人と、NさんとH君には組演武を御願いし、それ以外のメンバーには団体演練をやって貰う予定です。そのまま昨年11月から3月に延期した4回目と成る演武祭に繋げたかったのですが、コロナ禍の状況やその先の流れを考えると、今年度の演武祭は控える方向で、その分日々の修行の充実を求めた方が良さそうな気がします。昇級試験合格も行事開催も、ただ通過して終わりに成るのではなく、そこの辿り着くまでの過程とその後に手に入れられるものも、しっかり求めて行ける1年にしたいと思います。

市民館から参座した小緑帯のY君と小5白帯のA君にも「1年の目標」をして貰い、その後拳サポーターとすね当てを着けての運用法を。結局は基本の身体操作が土台と成るのですが、それを応用出来る人とただ動く人も居ます。それでも動けないよりは、まずは動こうとする人でなければいけないでしょう。そのやる気を引き出すと共に、何を意識してどうすれば良いのかを伝え、それを自分で意識出来る様な人たちに成って貰いたいものです。

皆で作務を終え、作業をされていた地区長さんや公民館長さんとも新年の挨拶を交わしましたが、芸能音楽発表会の事前会議を含め、あれこれ役割りがありそうな口ぶりでした。少林寺拳法の組織としても新たな役割がありそうですし、私自身の仕事や生活の変化も含めて、生活ペースを整えておかないと対応出来ない流れが予想されます。しかし、それこそが修行の意義でもあるでしょうから、道院を維持出来てそこにチャレンジ出来る事を当たり前と思わずに、しっかり取り組み、良い結果を手にして行きたいと思います。

12月24日(土)の修練。

本日も、泉田市民館での修練。前夜から降った雪の余韻の残る、冷たい空気の中で鍛錬に励みます。

本日が年内最終日の修練納め。今年度は全くやれていなかった泉田会館の清掃を行う予定でしたが、私自身が風邪気味なのと、この冷たい空気の中で窓ガラス磨き等を行うのも、皆の体調面で厳しいかなと思い、取り止めとしました。その代わりと言う訳でもありませんが、皆にじゃんけんをして貰い、勝った6人の希望する内容の修練を15分ずつ行ってみました。それぞれが、「自分には何が必要か」を考えて、それが身に付けられる訓練方法を考案してくれると良いのですが、そうでなかったとしても意識する事自体が良い効果を生んでくれると期待しています。

学科・法話の時間では、先月昇級試験に合格した小3黄帯のA君と小5緑帯のWちゃんに合格証書授与を行いました。それぞれに、「当日の感想」・「今後の抱負」・「仲間への御礼やアドバイス」を述べて貰いましたが、1年前の少年八級合格の際には一言もコメント出来なかったA君が、試験会場での他道院の小学生の姿を観ていたり、次の課題として「龍王拳第一系相対」を選んでいたりと、一味違う姿を見せてくれた事は嬉しい限りです。またWちゃんも、仲間へのコメントで多くの言葉を残したりと、それぞれに色々意識して取り組んでいるのだなと、今後の成長を期待したくなる在り方をしていました。

15分単位での易筋行を進め、鎮魂行の時間に。元々気管支の弱い私は、喋ろうとすると咳き込んでしまう状態でしたので、いきなりですが主座を小6茶帯のH君に御願いしてやって貰う事にしました。教典の持ち方等の作法をH君に伝えていると、他の人達が鬼ごっこで遊んでいる中、2人の人が説明を聞きに来ます。「あなた達もこれを覚えておいて、いつでも主座をやれる様に心構えを整えておいて」と話しました。H君の主座もテンポ・所作も堂に入ったもので安定感が有りましたし、一緒に説明を聞いていた2人も、読本の持ち方が主座を意識出来ている持ち方をしていました。

15分区切りの易筋行のラストは、小5緑帯のA君。年明け1月に少年五級受験を予定しているものの、全く習熟度が挙がって来ないA君に、その前のターンで「このままだと1月の試験を延期する事になるよ」と伝えて鼓舞していたのですが、当のA君が選択したのが「鬼ごっこ」でした。「お前、マジで言ってんのか?」と愕然としましたが、彼の自意識はこの程度かなと思い、そのままやや肉体的に負荷の掛かる「鬼ごっこ」を15分間行いました。それまでのどの易筋行の時間より、嬉々として走り回る姿に「やっぱりこんなものだな」と思いつつ、たまにはそんな時間を作ってメリハリを付けていこうと思います。

コロナ禍以前に行っていた、修練最終日後の「一品持ち寄り忘年会」を今年も中止としたのですが、来年の予行演習では無いですが、「何か一品持ち寄れる人は持って来て下さい」と御願いし、私も昨日YouTubeで観た「鶏の照り焼き」を作って持参したのですが、事前に把握していた2^3家族からの持ち寄りだけでなく、既製品から手作りのものまで、今日参座してくれた10家族全てが何かを持参してくれていました。嫌な圧力が掛かっていないかなと気に成りつつも、それぞれのスタンスで何かを提供して下さった事に感謝・感謝です。

今回の持ち寄りに対して、お母さんと協力してお菓子やサラダを作ってくれた人や、自分でホットケーキミックスを使ってたい焼きを作ってくれた人。お父さんが餃子を焼いて来て、皆と一緒にその場に交じって下さったりと、良い関わりをして頂けているなと思います。来年こそは、「一品持ち寄り忘年会」をやりたいなと思いますし、ただ行事をやってヨシではなく、「その場に関わりたい」と思って貰える様な道院運営を心掛けたいと思います。

12月17日(土)の修練。

本日も、泉田市民館での修練。冷たい雨がパラつく中、鍛錬に励みます。

今日は事前に数名の欠席の連絡を頂いており、参座予定のメンバーの顔触れと参座するタイミングを鑑みて、修練内容を想定します。作務の完了にも時間が掛かるかなと考えていましたが、小5緑帯のA君を始め、来た人から割とテキパキ動いてくれたので、易筋行スタートの時間より早く終われました。明日の朝に、地区の役員さんや市民館の利用者団体の代表が集まって、市民館の大掃除が行われる事もあり、作務で使用した掃除機のフィルター清掃の信号を観て、私は掃除機の清掃を始めました。他の人達は鬼ごっこに夢中でしたので、しばらくそのまま遊ばせておこうかと思いましたが、先日少年六級に合格した小4緑帯のE君が「準備運動、始めますか?」と聞きに来てくれましたので、「各自でやっておいて」と伝えましたら、何故か準備運動もそこそこに、自分達で決めた組み合わせで易筋行を始めました。「自主性・主体性が付いて来たのかな」と希望的観測をして、その様子を観ながら、フィルター清掃を進めました。

易筋行に入っても、想定していた内容をほぼほぼすっ飛ばして、組み合わせを変えながら思いつきでやる内容を決めます。大抵話を聞いていない小2白帯のA君には、「ちゃんと聞いてるか?」と度々声を掛け、都度集中する事を促します。他の人達にも、「今聞いた事を、自分が他の人に伝えられる様な聞き方をして。技の手本を観ている時は、今からこの動きを自分がやるんだと思って観る様に」と伝えていますが、学科・法話の時間でも、その意識を持っている人とそうでない人の違いは、聞く姿勢にそのまま表れて来ます。読本の中にあるキーワードを何人かの人に暗唱して貰いましたが、試験に出る出ないに関わらず、自分から「覚えよう」と言う気持ちに成ってもらえる様に、上手く誘って行きたいものです。

キックミットを使用しての当身の後に、鎮魂行を。今日も打棒役を小5緑帯のA君にやって貰いましたが、瞑目している人の前側を歩こうとしたり、回るルートを1列抜かしてしまったり、「この役割りも、注意点を直前に伝えないと出来ないか」と、覚える事・自分で気を付ける事が苦手な人達への伝え方で、もっと工夫がいるなと感じます。

打棒役の改めての説明を終えて、残り時間が1時間と成ってしまいましたので、休憩に入る前に「自由練習は1月に少年五級を受けるA君・Y君の練習を、全員でやりましょう。A君とY君は、今自分がやらなきゃいけない事を、3分で科目表から探して来て」と伝えて、休憩に入りました。しかし、休憩に入った途端に、A君とY君がじゃれ始め、小2白帯のA君も混ざって遊び始める始末。「自分達に対して出された指示に対しても、まともに聞いてないんだな」とガッカリしますが、彼ら自身には一切注意をせずに、他の話を聞く時に気を散らしてしまいがちな人を数人呼び寄せ、自分達は同じ失敗をしない様に伝えました。火曜日の修練時に、同じ様に気を散らしていたA君・Y君に、激烈な説教をしたばかりなのですが、「同じ事を、何回言わせるんだ?」と冷たいトーンで改めて自覚を促します。と言って、それで変われる人達でもないですし、ただテンションだけ下げられても困りますので、程々にして「特訓」に移りました。

この2人に限った事では無いですが、話を聞いていないだけでなく、見ている動きを立体的に自分に置き換えてイメージする事や、「やっているつもり」の自分の動きが適切なのかどうかを、点検する事が苦手な人がいます。そもそも武道に関わる時間が無ければ、私自身も自己点検の感覚なんて持っていなかったでしょうから、珍しい事でもないのかも知れません。ただ技術レベルは挙げて貰わないと、受験希望に応える事も出来ませんので、まずは鈎手守法をしている時の、手の形・状態や体勢・ポジション取りを繰り返します。なかなか向上しない上に、すぐ忘れてしまう2人ですが、とにかく繰り返すしかありませんね。他の人達も全く同じ事をして、先ずは動きを覚える人や、更に上の感覚を探してもらう人等、それぞれに合わせた課題を提示しました。

後半はグループ分けしての習熟に入りましたが、主役のA君・Y君の意識や習熟度はあまり挙がりません。それでもそれぞれの組み合わせで、それなりに楽しそうに取り組んでくれていましたので、「まあ、良しとするか」と切り上げ、締めの気合い出しと冷たく強い雨に変わった寒空の下での作務を終え、帰路に着きました。

12月10日(土)の修練。

本日は、専有道場からのスタート。本格化する寒さの前の暖かな陽気に恵れた中、皆が集まります。

久々の行事の無い道院修練。作務・鎮魂行・その後の法話と、そこそこの雰囲気の中で進んでいきます。参座してくれた人の表情を観ながら、話す言葉と内容を構成していきますが、「今、自分は何をするべきか」を意識して聞ける人もいれば、意識出来ずに余所見や他事を始めてしまう人がいます。「小学生の集中力なんてそんなもの」と言えばそうでしょうが、どうせなら「より良く変われる」取り組みであって欲しいものです。

久々の「あ・うん」を活用しての学科・法話では、全員に聞く様な進め方をすると、一度答えた人も2回目を言いたくなり手を挙げます。やり方や進め方によっては、技術面でももっと自主性・主体性を培えるはずだなと思いますが。そんな中、最も集中力と意欲の低い小2白帯のA君は、皆の前で自分の考えを話す事を「恥ずかしい」と言って尻込みします。ですので、「あなたが、今までに行った一番遠い所って何処?」、「そこと刈谷市と違うところって有った?」、「それが有る世界と無い世界、どっちが良い?」、「それは何故でしょう?」と質問に答えさせる形にして、「今、あなたは自分の考えを発表出来たけど、別に恥ずかしくないでしょ」と伝えると、それに気付いたA君はエビの様に後ろに逃げて行きました。「自分の出来る事を増やす」と共に、それを「自分の意志で行動する」事で高めて行けると良いですね。

場を変えて、易筋行を。とすんなり行きたかったところですが、泉田市民館に着いた時に、先に移動を始めた人達が到着していません。スイミングで早上がりする小4黄帯のR君の車に2人乗せて頂き、その内の1人の小5緑帯のA君に鍵を渡しておいたのですが。「5分は早く出てるはずだよな。もしや~?」と携帯電話を確認すると、マナーモードで気付きませんでしたが、R君のお母さんから御電話を頂いてました。折り返したものの電話は繋がらず、そこから5分程して車が到着。到着するなり、R君が大きな声で「いや~、すいません!お母さんが寝落ちしまして!」と言い、運転席のお母さんが「余計な事言わなくて良いの!」とばかりに、R君を叩いている姿は実に微笑ましいものでした(笑)。R君が専有道場に到着した時も、たまたま玄関のドアの雑巾掛けをしていたのですが、車の外まで送ってくれたお父さんとグータッチをして走って来たりと、家族仲の良さを感じさせますし、そんな家庭に少しでもプラスに成る関わりをしたいものだと思いました。

易筋行のスタートは、相対での正対構での各種受けと反撃を裏と表で行ってみました。法形を正対構で行う事で左右の身体の動きを練り上げる事が出来ますし、その中で共通する動きを見付けられれば、法形に無い動きでも即こなす事が出来ます。そんな中でも、「話を聞いていない・手本を観ていない」小5緑帯のA君とY君は、裏表を間違えるだけでなく、攻撃や受けまで他の人達と違う事をしていても全く気付かずにいます。1月に少年五級を受験したいと希望している2人に、冷たいトーンで「自分が今から動くつもりで説明を聞いて手本を観る様にと、何回言わせるんだ?」と説教します。その都度、「はい!」と返事はしますが、そこで満足しない様にして貰えると有り難いですね。

易筋行後半は、グループ分けして習熟を図ります。少年四級に合格したY君が、頻繁に「逆小手」をやりたがりますので、Nさん・H君に五級に合格したWちゃんを加えて、四級科目の「突抜」をやった後に「逆小手」を。決して身体を動かす事が好きでも得意でもないWちゃんですが、新しい事をやる時は集中して取り組みます。「逆小手」を倒れる寸前の態勢まで攻者に作って貰う「ゴールから始める」やり方で先ず行うと、自分よりデカい相手を倒せる事で、ノリも良くなっている様です。

一方、「逆小手」をやりたがっていたY君は、形を作る事から始めますが、鈎手から不充分ですので「作り」も上手くいかず、テンションを下げているのが背中からも見て取れます。「気持ちを強く持てよ」と励ましますが、思えば小2で入門した当時から上手く出来ないと泣きじゃくって、周りにかまって貰おうとする面が有りましたが、「自分の機嫌くらい、自分で直せ」といつも「自己確立」の第一歩を説いていても、「解ってないねぇ」と言う状態です。逆に、Y君の相手をしてるH君が「大丈夫だよ、やれるよ!」、「はら、ここをもうちょっと」、「ほら、出来たよ!」と励ましながら相手を務めている姿を観て、「大したもんだな」と感心しますし、年齢が一つしか違わないH君と自分の振舞いの違いに気付いてくれると良いなと思います。2人共、小学2年生で入門していますが、今や自分が手本を示し、後輩を励まさないといけない立場。締めの気合い出しの前に全員に改めてその事を話し、小4緑帯のE君の東京土産のお菓子を分配して帰路に着きました。

 

 

12月3日(土)の修練。

本日も、泉田市民館での修練。明るい日差しは有るものの、冷たい空気の流れる冬の気候の中、鍛錬に励みます。

今日も数名の欠席・遅れての参座の連絡を頂いていましたので、作務の時間が長くなりそうだと思い、多少早めに出向いたのですが、予想よりも早く他の人が参座してくれて、また意識的に自分からやる事を探して動いてくれたので、少ない人数でもスタートの時間に余裕をもって間に合う事が出来ました。一つ一つの行動において、「自ら意識する」と言う事を自然と出来る様になって貰いたいものです。

基本演練では、開足中段構からの振身や足捌き、各種受けを試します。それぞれの人の履修する科目にも共通する内容ですし、土台を練り上げる効果も有ると思いますが、「ただ手足を動かすだけ」に成ってしまう人も多いもの。「運動する事自体は、無意味ではないか」と思いつつ、如何にして理法を伝え、理解・実践して貰おうかと、苦心します。ただ、級が上がり教わる法形が多く成れば成るほど、先程の基本演練の内容とほぼ同じ動きだなと理解しやすい様ですので、長い目で見て付き合っていきたいところです。

学科・法話の時間では、今週火曜日・木曜日にもした同じ話を。現在、私がある「習い事」で技能習得を試みているのですが、平日の仕事明けの修練日以外に何とか時間を確保して行う為に、より充実した取り組みにしようと、ポイントをノートにまとめて実際の時間より小1時間早く場に向かい、ポイントを確認し、イメージトレーニングをしながら取り組んでいます。それでも「センスの無さ」からスムースに習熟度が挙がらないのですが、これで予習復習をせずにその時間を迎えたら、目も当てられない状態に成る事でしょう。これは、普段皆に伝えている「ポイントを科目表にメモして、参座する前に一度目を通しておく様に」と全く同じ事でしょう。その事と、「学ぶ姿勢」を整える事の大切さと、一連の流れの中で関わった方から、損得勘定抜きで他者の為に行動出来る人の存在への憧れを再認識させて貰えましたので、その事を説きました。ほとんどの人にとっては、「2回目の話」でしたが、何を掴み取ってくれたでしょうか。

キックミットを使用の当身を経て、鎮魂行を。打棒役も希望者にやって貰いましたが、今日の希望者の小5緑帯のA君は、事前に持ち方や通るルートを説明していても、いざ自分がやる瞬間に成ると、全く正反対の方向に行こうとします。自分の状態を客観的に確認して考慮する事や、そこにそれまで教わった事を加味して自分で判断すると言う事が苦手なA君。「この程度の事でも出来ないか」とガックリ来つつも、改めて皆に通るルートと、「何故、そこを通るのか」の理由を説明しました。A君も「そう言う事か」と気付いた様な表情をしていましたので、次の機会の時に覚えていてくれると良いですね。

休憩後の自由練習では、グループ分けして法形の習熟に励みます。緑帯以上の人達は、A君の年明けの少年五級受験に向けて、それ以下の人達には、基本演練で行った「天地拳第一系」の相対を行います。自分が受験の当事者であり、最も真剣に取り組まなければいけない立場であっても、それに適した取り組みはしないA君。時折り冷たい視線を突き刺し自覚を促しますが、それを「自分の目」で呼び起こして欲しいものです。

後半、グループ分けを変えて、それぞれの科目に移行しますが、小2白帯のA君は未だに足幅や身体の向き、拳の高さが定まりませんし、相対で行っている時も、基本的に相手を観る事はありません。私自身が相手をして、「相手を観る!」、「突く場所はここ!」と都度修正して徐々にレベルは挙がりますが、相手が変わるとその相手に合わせると言う事は意識出来ません。横に付いて「相手を観る!」、「突く場所はここ!」と同じ事を伝えますが、「やってるのに~」と半泣きです。「現状ではここまでか」と思いつつ、「びそびそ泣くな!」と叱咤して、手を添えて修正しながら続けさせます。最後までやり切らせた後に「出来たじゃないか~!もっと自信もってやれよ!」と伝えて休憩させると、その後は割りと意欲的に行っていましたが、これを自分で整えるまで自分の意識を高めて欲しいものです。

その間相手をしていた小3黄帯のA君は、普段自分がダラけて叱咤され泣かされている立場ですので、それを目の前で見て、自分が手本を見せ励まさなければいけない状況で、そこそこしっかり取り組んでいました。これが、自分一人で自分を高める取り組みをしているのと違う、集団の中での切磋琢磨の良さなのだろうと改めて思い、締めの気合い出しもビシッと決めて帰路に着きました。