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Shorinji Kempo

5月14日(土)の修練。

本日は、専有道場からのスタート。やや小寒い空気の中、皆が集まります。

今日は、開祖忌法要を挙行しました。コロナ禍で行事開催どころか、通常の修練を円滑に継続させる事も容易ではない状況で、昨年に続き開祖忌法要を行えた事は有り難い事です。先週はGWで1週間のお休みで、今週の平日の学科・法話の時間で開祖の事に関するページを読み込む事をしていなかったので、グループLINEで「予習」をして頂く連絡を回しました。結果として大半の人は読み込んで来てくれた様ですし、過去に何度か読んでいる事もありましたので、導師法話の内容をどうしようかと思案します。

私自身、刈谷北道院を設立する前の時期に、開祖の生誕の地を訪れ、地元の道院長の方や金剛禅の元代表の方から、開祖の幼少期の話を伺う機会に恵まれた事もありましたので、開祖が岡山県で生まれ、どの様な気質でどう過ごしていたか。戦時中に、軍の特務機関員として中国に渡り、どの様な経験をしたか。その後、日本に戻り、何故金剛禅を開創されたのかを話しました。共に少林寺拳法を修行する仲間のいる、ロシアとウクライナが紛争をしているこの時期に、「開祖は『絶対に戦争を起こしてはいけない』と言ってたそうだよ」と言う私の言葉を、皆はどう聞いてくれたでしょうか。

場を変えて、易筋行を。Nさんは右足の親指の調子が悪く、送迎を終えた時点で帰られたのですが、その途中で用事で出ていた奥さんもピックアップしての移動でした。久々にNさんの奥さんに御会いすると、「随分、元気な小さい子が増えましたね」と声を掛けてくれました。道中、賑やかだった事でしょうが、何となく嬉しそうな表情に見えました。

基本演練では、振子の動きを重点的に。4月入門の小2A君の習熟度を挙げる為でもありますが、他の面々にとっても、基本的な身体操作のレベルを挙げる事は必要な事でしょう。細かい部分を含めて、入門して1年経つ人達でも「まだまだ理解出来ていないんだな」と感じる点も多いので、簡素な内容を反復している間に、少しでも意識とレベルを挙げて欲しいものです。

易筋行後半は、緑帯以上は「龍王拳第一系・単演」を、残る4人で「天地拳第一系・単演」を。小2A君の為に、3までの動きを繰り返して貰いましたが、集中力の無いA君と一緒に、よく頑張ってくれていたと思います。緑帯組はその後更にグループ分けして柔法の法形の習熟を。白帯組もグループ分けして、それぞれのレベルに合わせた内容にします。私は各組合せを見て回り、ちょこちょこアドバイスを挟みますが、少しずつながら進歩を見せてくれる人もいます。

締めの直前には、一番上のグループには柔法のちょっとした「遊び」を伝えて、技術に対する興味や喜びも触発しておきます。それぞれに楽しそうにやっており、開祖忌法要での法話の最後に述べた、「人間は、完璧な生き物じゃない。そんな人間同士が援け合って幸せな社会を創る事を目的に、開祖は金剛禅を開創された。今ここで出会った仲間とは、出来るだけ良い雰囲気で練習出来る様になりたいね」と言う言葉を体現してくれている様な姿でした。その後、締めの気合い出しをビシッと決めて、作務を終え帰路に着きました。

4月30日(土)の修練。

本日も、泉田市民館での修練。やや涼しい風も吹く春の午後に、鍛錬に励みます。

GW期間と言う事もあり、家族行事等で欠席者も多い中、参座してくれた人達で意義の有る時間・空間を目指します。

一旦、昇級試験受験の流れに間が空いたので、あれこれ練習方法を試せます。これまで培ったものを、一度も体験していない人も多くいますので、一定のパターンで向上を目指しつつ、そこで行き詰ったら違う方法を足してみる機会も必要でしょう。先日少年六級に合格したものの、上半身の反動を付ける事で身体を動かしがちな小5Y君に、他の人達と同じメニューで、腕の自由度を制限した形で何度かやってみました。「下半身主導」や「丹田起動」と言う感覚は、簡単に養えるものではないでしょうが、少しずつでも求めていって欲しいものです。

基本演練では、前重心と後ろ重心の体捌きと、その為に必要な足捌きを中心に。ウォーミングアップメニューも織り交ぜて反復しましたが、1年以上繰り返している人達でも、姿勢が歪んだり足捌きが適切ではなかったりします。基本的な体捌き・足捌きが出来てこそ、質の高い法形に繋がって来ますので、土台からしっかり積み上げて行きたいものです。

6月に誕生日の小5Y君と小4E君2人の写真を撮り、学科・法話の時間では2人の誕生日を足した数字のページを選択。そのページが試験の際の学科宿題に向けての取り組み方を記したページだったのですが、改訂版を手にしている小4H君と小2A君の少年読本には、そのページがありません。小学生達からも、「このページ抜いたらダメなんじゃない?」との声が挙がりましたが、他の人に借りて一緒に読み込みます。

その後の法話では、「自分自身のレベルを挙げる為に、しっかり取り組む。しかし、他の人はそのレベルではないかも知れないし、そもそもレベルを挙げる事を意識していないかも知れない。そんな時に相手に不満を抱いたり、自分が損をしている様な気持ちに成らない様に」と話しました。自分がしっかり取り組む事も簡単ではないですが、それをやれている事自体が、周囲の支えがあってこそであっり、幸せで有り難い事でしょう。その結果としての自身の進歩も当たり前では無く、そこへの「感謝」があれば、他者への不満も少しは和らぐ事でしょう。その心持ちがあってこそ、「自他共楽」の心境に近付けるのではないでしょうか。

鎮魂行後の自由練習では、あみだくじで相手を決め、その相手との相談で練習内容を決める「リアル自由練習」を久々に。小2A君の相手に成った人と、一組だけ番号を選び、その2組には私が決めた事をやって貰いましたが、他の3組は自分達で決めました。その水準としてはなかなか高くは成り難いですが、「自分達で決めた」と言う意識が、「自分のレベルを挙げよう」と言う意識に繋がってくれれば有り難いもの。その合間合間にアドバイスを挟むと、積極的な意識が有る状態なので、その後の取り組みに違いが出ていた気がします。

「リアル自由練習」は2回やりましたが、まだ体力・集中力が持続しない小2A君の相手に成った小5Y君とY君には、基本の突き蹴りと「発声練習」をして貰いました。やる気の続かないA君の相手は、先輩としてもなかなか難しいものですが、発声練習の相手を御願いした六級のY君は、大きく張りのある声で一緒に声を出してくれたので、普段の挨拶や気合いが小さくなりがちなA君も、実に良い声を出していました。

作務に入る前に、「道院長、発声練習楽しかったです!」と伝えに来たY君の姿に、自分のレベルを挙げるだけではなく、他者の水準で時間を過ごす事に楽しさを感じられる精神性も、「幸せな人生」に必要な要素なのかも知れないと、学ぶ機会を頂けた想いを抱き、帰路に着きました。

4月23日(土)の修練。

本日も、泉田市民館での修練。暑さを感じる程の陽気の中、鍛錬に励みます。

今日は、参座率と集まりが実に良い日。作務の時間からほぼ全員が集まってくれていました。なので、あえて指示を出さずに、それぞれが何を考え、どんな動きをするかを観てみました。ウォーミングアップの時間でも同様に、ほぼ説明をせずに1回やって見せて、「はい、やりましょう!」と動き、「違うんだよなぁ!」と意識するポイントを伝えると言うパターンで。その間、「考えてるか?」、「もっと意識して」と声を掛け、普段から伝えている基本の身体操作の根幹の部分が、意識しなくても出来る様になるまで浸透する事を目指します。

今日はNさんも含めて、上の級の人達に「外受蹴」を3パターン程やって貰おうと考えていましたので、基本演練の時間で外受を練習しました。「軸の意識」を中心に下半身への意識を高めて、その上で手足を動かし、更に相手と接触している部分から、相手に力を伝える。これを、あまり説明をせずに「考えて観ろよ!」と伝えて何度か手本を見せ、何度か反復した上で、「もう少しこうしたい」、「その先にこの動きが有る」と、それぞれの人達の意識を触発する事を目論みます。それが上手く通じる相手ばかりでは無いですが、少しずつ皆の意識が高まっている事を感じます。

学科・法話の時間では、先月昇級試験に合格したA君・Wちゃん・Y君への合格証書の授与と緑帯の贈呈を行いました。その際には、全員に「当日の感想」・「今後の抱負や目標」・「先輩への御礼や後輩へのアドバイス」を述べて貰いましたが、緑帯を締められた喜びを感じさせながらも、それぞれに反省点を述べていたので、今後に向けての期待も感じさせます。一昨年11月に小学3年生で入門して、初の昇級受験に1年半掛かったA君を始め、精神面や運動能力的に秀でた面々ではありませんが、お互い協力して進歩していって欲しいものです。その後の法話では、自分自身で目標をしっかり意識して修行に励むと共に、仲間や後輩が順調に進歩しているかも皆で考えていく。それこそが、「自己確立」と「自他共楽」の金剛禅の人造りにおける2本柱である事を説きました。「競争社会」にはそぐわない考え方かも知れませんが、ここは大切にして行きたいところです。

鎮魂行後の自由練習では、幾つかにグループ分けして習熟に努めます。予定通り、上のグループには「外受突」から「外受蹴」に進み、その後バリエーションを付けるまで。緑帯を巻いたばかりのの3人と、その後に続く存在であるR君・E君・H君の小4トリオを含めた6人は、少年六級の科目の復習を。小3黄帯のA君と新入門のA君は、基本の突き蹴りやウォーミングアップの動きを反復します。それぞれのグループで集中力の無い人が散見しますが、一緒に鍛錬に励む仲間がサポートする事で向上して行ってくれると有難いですね。

Nさんが30分程早上がりされましたので、グループ分けをし直して、上のグループにWちゃんを加えて、柔法の練習に進みます。少年六級を合格したばかりですが、2か月先に合格したH君の練習を観て、「自分もやりたい」と次の科目次の科目と進みたがります。当然1回2回で次に進める程向上はしませんが、自分で「やりたい」と思う気持ちが有る事は、重要なポイントでしょう。同じ日に合格していながらも、意欲と集中力に欠けるA君とY君に、「それで大丈夫か?」と何度か問い掛けました。それぞれに適したペースが有る事は、しっかり認識し考慮した上で、お互いを支え合いつつも、刺激し触発し合える空間を、皆で創って行きたいものです。

4月16日(土)の修練。

本日も、泉田市民館での修練。暖かな陽気と涼しい風が吹く中、鍛錬に励みます。

台風の影響も有るのか、暑さを感じたここ数日の中では、涼しさもある絶好の「鍛錬日和」。年々、こんな日が長く続かない気候に成って来ましたので、出来る内に「自ら鍛える」時間を充実させておきたいものです。

4月入門の小2A君が、13時からの泉田市民館での修練に参座する初日の今日。「体力が無い」とお母さんが仰る以上に集中力が無いA君ですので、フル参座で修練に励む時間を全う出来る状態ではないでしょうから、ペースや内容も考慮しなければいけないでしょう。今日もまずはA君に伝える内容&その応用形からスタート。同じ小2白帯のМ君も同じ日に参座してくれると、同じ内容で同じペースで進むと言う「楽」が出来ますが、今日はМ君が御休みでなかなか2人が揃いません。「先輩達」には「退屈」な内容が続くかも知れませんが、逆に先輩達がそれ程高く離れたレベルで存在していないので、良いのか悪いのか。

今日は、基本の身体操作の中から、振子・膝上げを選択してウォーミングアップの動きから高めます。また基本技術の順突・逆突・順蹴・逆蹴をA君に説明し、順突から進めます。説明をほとんど聞いていないA君ですが、横についてポイントを伝えると割りと高い水準で再現します。「意外とこの子は伸びるかもしれないなぁ」と少し驚きますし、逆に「どうせ出来ないだろう」と伝える側が可能性を諦めてしまわない様にしなければと、自戒します。

学科・法話の時間では、先ずは腰を立てる座り方と意識を、A君を手本にして皆に伝えます。まだまだ「姿勢を整える」事を意識しなければいけない段階のA君ですが、それは誰もが常に意識しなければいけない事でしょう。法話の中でも、誰かが「日本人は、努力すれば幸せになれる・努力する事は良い事だと信じている『努力教の信者』が多い」と揶揄していた事を伝え、「僕も、モロに『努力教の信者』だね(笑)。努力したからと言って必ずしも良い結果が得られる訳でもない。それでも努力しないよりはした方が良いんじゃないかと、僕は思う。あなた達は、今その訓練をしているんだよ」と伝えました。「やるべき事」を意識して求め続けていられるかで、その人の到達出来る場所が決まって来るでしょうから、その精進の基と成る部分を自ら構築して欲しいものです。

鎮魂行でも、唱和の注意点だけではなく、整列の仕方や合掌礼の意識するポイントも伝えます。「先輩達」はこれまでもやっているはずの事で、新鮮味と興味を抱かせる為にも工夫は必要でしょう。それは本人次第ではありますが、その支えをしてこその「指導者」と言えるでしょう。

自由練習では、3つにグループ分けしてそれぞれの科目を進めます。少年六級に合格した以上のグループは、「下受蹴」と「片手寄抜」を。新しい柔法を教わった時点で、そこに興味と「上手くなった自分」を想像して意欲を以て取り組むWちゃんと、「解らない事をやっている」と思った時点で、思考と身体の動きが完全に止まってしまうA君。どちらも、自分の身体の状態を「自己点検」する感覚に恵まれている訳ではありませんが、「努力教の信者」としては、「意識して努力すれば変われるぞ!」と、声を掛け続けたいものです。

同じ学校の同学年であるR君・E君・H君の小4トリオは、剛法の復習を。集中力も意欲も低いR君ですが、半年後に入門したE君とH君にはやはり負けたくない様で、2人と練習する瞬間は割りと意欲的に取り組みます。最も「強く成りたい」と言う想いの強いE君は、「上受突(表)」の仮バージョンの説明と練習をしていると、「正式バージョンもやりたい」と求めて来ます。あまり自発的に行動するタイプではないH君も、徐々にながら意欲的に取り組む様に成って来ましたし、ポイントを伝えた後のそれを踏まえての成長が、数回後の修練で最も多い存在でもあります。仲間が居なければやる気に成れない様では困りますが、やはり仲間の存在は大きな影響を及ぼすものでしょう。お互いに良い影響・刺激を受けられる様な関係を、構築していって貰いたいものです。

自由練習を終え、締めの気合い出しでの上段突もなかなか良い感じ。小2A君の気合いも徐々に大きく成って来ていますし、他の人達のその瞬間の気持ちの張りもなかなかのもの。その気持ちの張りを、お互いが良い影響を授受出来る様な空間の構築に繋げていって欲しいですし、普段の生活や将来の人生においても、有効に活用していてくれたら嬉しい事です。

4月9日(土)の修練。

本日は、専有道場からのスタート。夏の暑さを感じさせる好天の中、皆が集まります。

つい何週間か前まで「寒い、寒い」と言っていた気もしますが、あっと言う間に「暑い、暑い」と言う気候に。ここ数年、四季を感じる間も無く、暑さ寒さが過酷な時期に移行する様になった気もしますが、それでも日本の中では愛知県は穏やかな方でしょう。コロナ禍の前から、少子高齢化の影響から拳士数減少が叫ばれていますが、それでも産業のしっかりしている愛知県下では、恵まれている方でしょう。その恵まれた環境に感謝して、挫けず諦めず活動を継続させていきたいものです。

3月の人事異動とまん延防止重点措置の解除により、久しく参座を控えられていた、Nさんも久しぶりの専有道場へ。また4月入門の小2白帯A君も、初の専有道場にお母さんに連れられて1番乗りです。ここ2年間の入門者の保護者の皆さんは、月1回の道院修練時の距離の長くなる送迎をこなして下さっていますので、今後Nさんと私の車2台では、専有道場からの移動に支障が出る事が予想されます。ですので、今月からグループLINEでの参座者数の把握と、14時半からの送迎の可能な方を募る事にしました。今回は、Wちゃんのお母さんに御願いし、今日の朝の時点で欠席の連絡を頂き、2台で移動する事にしたのですが、昇級試験で送迎している車の中で、皆が楽しそうに雑談しているのを見るにつけ、時々は「小ドライブ」の機会が有るのも良いかと思い、再度Wちゃんのお母さんに協力を御願いしましたところ、Wちゃんもお母さんが来てくれる事を楽しみにしていた様で、快諾を頂きました(笑)。

鎮魂行後の学科・法話では、知人の本山職員さんが書かれているページを回し読みします。小2のA君はほとんどの漢字を読めませんでしたが、先に隣りの人に読んで貰った文を音読させる事で、何とか混ざります。ページの内容が、自分の可能性を信じる事でチャレンジ出来る人間の性質について書かれていましたので、時折り止めながらその内容を皆に説明しました。読めない文字を音読出来る様になったA君の姿を示す事で、他の人達にもその内容を実感出来た様に思います。

場を変えて、易筋行を。易筋行のスタートは、私が遅れて到着する事が多いので、準備運動やウォーミングアップの主座を「無茶ブリ」し、先に始めていて貰いますが、緊張の中で何かしらを指示し動きます。今日は小5のY君に御願いし、終えた後に皆に「そちら側に立っている時に、自分が前に立ったらどうしようとイメージして聞く様に」と伝えました。指示されないと動けない・自分で考えて判断出来ない人を目指しての修行ではありませんので、少し緊張感の有るストレスの掛かる時間を受け取って貰おうと思います。

今日は4月入門のA君の、初の長目の土曜日参座。少しずつ出来る事を増やす為に、ウォーミングアップの内容と基本の突き蹴り受けを交互に入れて、身体操作のコツを伝えます。これは先に入門している「先輩」達にも有益な時間であり、何の為にそれをしているのかを意識した上で、反復する事が必要でしょう。

その後、幾つかのグループ分けをして習熟に努めます。Nさんが参座して下さると、小6茶帯のH君の科目の復習も出来ますし、それに続く存在である小6緑帯のH君の科目の習熟の時間も取れます。その間、その下のグループの相手を私が出来ますので、少しゆとりを持って全体に目を配る事が出来るのも、有り難いところです。

ラスト20分を過ぎたところで、拳サポーターとすね当てを着けての運用法を。今日は、中段攻撃に対する防御・反撃を中心に行いました。最初は中段突に対する反撃、次は中段蹴りを退って受けてからの中段突に対する反撃、最後にカウンターで順突を当てる、と段階を進めて行きました。タイミング的に付いていけない人もいましたが、最後に3つの段階のどこで反撃するかは、自分で選択出来ると言う事を説明し、限定無しの空乱を数回。久々参座のNさんも含めて、皆暑い中で奮闘していました。

時間的には結構オーバーしてしまいましたが、全体的に良い雰囲気で易筋行を締めくくる事が出来ました。この時間・空間が有る事が当たり前ではないとしっかり感謝し、少しでも多く長く再現出来る様に努めて行きたいと思います。

 

4月2日(土)の修練。

本日も、泉田市民館での修練。春の陽気を感じる中で、鍛錬に励みます。

いつの間にか季節は巡り、新年度に入りました。コロナウイルスの影響もまだまだ続きそうですが、そんな中でも活動を継続出来ている事に感謝して、弛まざる修行に邁進しないといけませんね。あれこれ段取りも滞りがちですが、行事開催も視野に入れて、日々の修練を充実させていきたいものです。

今は学校の春休み期間の様で、親御さんの里帰りに合わせて、祖父母の顔を観に行っている人も居たりで、参座はやや少なめ。修練終了30分前に、4月入門希望の小1男子A君の保護者の方に、入門手続きや法人の区別について御説明する予定でしたが、副道院長のNさんが疲労回復の為、小5茶帯のH君が体調不良の為欠席する連絡を頂き、また小5緑帯のH君も15時で早上がりするとの事で、説明の時間4年生までの面々で取り組んで貰う事に。大いに不安ではありますが、「ま、何とかなるわな」とゆったり構えます(笑)。

先週初の昇級試験合格を終えたメンバーもいて、割りと皆良いテンションでの取り組みが見て取れます。暫く試験科目の習熟がメインの時間が続きましたので、今日は剛法での受け手の接触の感覚と、柔法での力の吸収と伝え方の感覚を養う時間を取ろうとイメージ。相対で相手に触れる時間を多めにしました。入門したての頃は、先ずは自分の動きを高める時間が多く成りますが、「ただ自分が一生懸命動くだけ」に成りがちです。相対で相手に触れて、自分の力や動きを有効に相手に伝えてこそ、身体を動かした意味も出て来る訳ですから、「ただ自分の課題をこなして終わり」に成らない様にしたいものです。

各種受けの接触の感覚を試した後は、逆にキックミットを使用しての当身の感覚を。こちらも如何に自分のエネルギーを相手に無駄無く伝えるか、に課題を置きます。何だかんだ、皆「強く成りたい!」と言う意識は少なからず持っている様で。少しでも、そこに近付ける様にサポートしたいものです。

学科・法話の時間では、読本の「守主攻従」のページを回し読みします。最近、クイズ的に「六つの特徴」を暗唱させると、皆競って覚えようとします。ただ「覚えて来い!」と言っても覚えないでしょうから、何かしらの「仕掛け」が必要なんでしょうか。「守主攻従」を読み、「まず強く成る。その上で、自分から先に手を出さない精神性も身に付けたい」との話をしました。語句を覚えて終わりではなく、教えを自分に浸透させて、日々の生活に反映させられるぐらいを目指したいですね。

鎮魂行後の自由練習では、久しぶりに「逆小手もどき」を。久しぶりだと、持ち方を忘れる人も出て来ますが、それでも何人かは「ここは間違えない様に」と言った部分を覚えようとしています。今日は、ポイントに対して「何故、こうするの?」と言う問い掛けをし、その理由を説明する様にしましたが、反復する中でその理由を実感する人もいた様です。

想定より早く、A君とその御両親が到着されましたので、自由練習後半は1人ずつ前に立って貰い、「A君でも出来る内容で」とリクエストし、基本とウォーミングアップの号令役をやって貰いました。手続きの説明はカンペを忘れてしまい、あれこれ抜けが有った様に思いましたが、その分金剛禅の修行の在り方や、A君にどう取り組んで欲しいか、どう変化していって欲しいかの話に時間を割きました。ホールの後ろから修練の様子をチラチラ観ながらの御説明でしたが、時折「遊んどるのぅ!」と言う先輩達の振舞いも見つつ、それなりの内容には成った様に思います。

今日渡す予定だったA君の道衣を忘れてしまったのは大失敗ですが、帰りに「次は持って来るから、これから頑張ってやろうな!」とい伝えると、嬉しそうに足元に抱き着いて来るA君。新たな「後輩」の存在に刺激を受けている人もいますので、皆で協力して良い修行の空間を創って行きたいと思います。

 

3月26日(土)の修練。

本日は、泉田会館での修練。横殴りの大粒の雨と強風に吹かれながら、鍛錬に励みます。

もう3週間以上前ですが、今年度の泉田町の敬老会の会長さんから、「翌日の総会に向けて、前日の昼から市民館のホールで会場設営したいので、使わせて貰えませんか」と御電話を頂きまして、「どうぞどうぞ!」とお譲りしました。3年前の地区長さんでもあり、第3回の刈谷北道院の演武祭にも来賓として出席して下さった方ですが、毎回直接打診の連絡を下さり、代替の泉田会館の確保までして下さいます。「地区の行事の会場の確保の為に、年間利用計画に土日を含めない様に」と言う「通説」が有る中、もう10年以上土曜日の修練場所として配慮して頂ける事に、感謝・感謝です。

先日の市民館での利用者団体の会議でも、泉田会館が建物の2階に在る為、高齢の方は利用し難いとの実情が述べられていましたが、せっかくの施設ですから小学生達には存分に活用して貰いましょう。

今日は、修練終了後に安城市の道院に御邪魔して、A君・Y君・Wちゃんの小4トリオの少年六級の審査をして頂く予定の日。基本演練から試験の審査に近い雰囲気と内容にしましたが、当事者達の最終チェックとしてだけでなく、初の試験や次の試験が少年六級に成るであろうR君・E君・H君の小3トリオにも、「自分の試験の時にどんな在り方をするか、イメージして取り組む様に」と伝えると、少し眼差しが変わります。「試験の為の修練」ではないですが、そこに向けての習熟を、受験する人以外の人達にも、有効に活用していきたいものです。

学科・法話では「少林寺拳法の六つの特徴」のページを回し読みし、それぞれに補足説明をします。先週の武専時に、急遽怪我をされた先生の代わりに、昇格考試の学科の採点を担当したのですが、普段なかなか出来ない経験をした事で、改めて学科や教えへの探求の大切さを感じました。技術とリンクさせた上での教えの浸透を目指したいものです。

鎮魂行後に、うがい・手洗いをして暫し休憩。午前中に、体験参加してくれている小1男子A君のお父さんから、16時からの体験参加と入門手続きの希望の御電話を頂きました。手続き自体は来週に法人の区別等の説明を終えてからにして頂きましたが、A君が加わった状態での修練パターンを想定。試験組と色帯組の2つに分けて科目の習熟を進めながら、白帯組も基本技術の習熟に努めます。

16時半前に到着したA君に、突き蹴りの反復をした後に道衣を羽織らせてサイズを確認すると、やはり嬉しそうです。またA君に一つずつポイントを伝えて行くと、割りと素直に進歩しますし、それを観ていたのか同じ小学校の同学年でもあるМ君も、ポイントを踏まえた上達をしていたのには、少し驚きました。最後に、「何となく練習するより、強く成りたい・上手く成りたいと思って練習してる人の方が、多分強く成れるし上手く成れるよ」と伝えると、A君も気を散らしながらも意味を理解している事が伝わって来ました。

締めの気合い出しの後に、作務をしながらE君の長野土産を皆で分けつつ、A君のお父さんと来週の予定等を御相談して下の駐車場に行き、帰る車を見送っていましたが、小5茶帯のH君のお母さんらしき車が、再度駐車場に停まり帰ろうとしません。「どうしたのかな?」と思いながら、先に帰ろうと駐車場を出て車を走らせると、左の歩道を走って来る小学生らしき姿が。その瞬間、いつも200m離れた家に帰るのに「送って下さい」とねだる小1白帯のМ君が既にいない事と、H君のお母さんが駐車場で待っていた事が繋がり、車のスピードを落とし窓を開けると、息を弾ませて走るH君でした。「送ってくれたのか?有難う」と伝えると、「はい!」と返事をしてそのまま走って行きましたが、何も指示をされなくても後輩を家まで送り、待たせているお母さんの元に走って戻るH君の存在に、「良い先輩に成ったなあ」と心を打たれましたし、「こんな人が多く育つ空間にしよう」と新たなやる気を頂き、帰路に着く事が出来ました。

3月19日(土)の修練。

本日も泉田市民館での修練。やや寒さがぶり返して来た日中に、鍛錬に励みます。

今日は数名の欠席者が事前に把握出来ていたので、作務もややまったりとスタート。それでも参座した人達の集まりが良く、掃除機掛けも手早く終わりましたので、市民館所有の掃除機のフィルター清掃をする時間の余裕もありました。その後のウォーミングアップと基本演練は、来週に予定されている少年六級受験に向けての習熟も兼ねたメニューを中心に。「横転より起き上がり」や「大車輪」を、一つポイントを伝えたら1回練習し、次のポイントを伝えると言うパターンを繰り返してみました。練習回数としては多くないですが、ただ漫然と繰り返すよりも、集中の度合いは高まった様に思います。

学科・法話の時間では、「技術と学科の学び方」のページを皆で回し読みします。先日の平日の修練時に、2月入門のH君が同じページを読んでいた時に、全く言葉が口に出せなくなり「どうした?」とチラッと見た瞬間に、同じページを開いているであろうH君の読本の文字の配置が、若干様子が違う事に気が付きました。貸して貰って確認すると、同じ様な内容ながら何故か行が7行ほど減り、薄い内容に変わっていました。昨年の秋頃に改定された様ですが、「何でこれに変えたのかな?」と不思議さも感じます。このページを皆で読み、その後地道な努力の大切さと、困難に出会った時にも諦めずに取り組み続ける「心の強さ」の大切さを説きました。果たして、それぞれの胸にどう響いたでしょうか。

鎮魂行の後の自由練習では、数週間ぶりに体験参加してくれる小1男子A君が16時頃に来てくれる予定でしたので、各自の水凖に合わせた内容を先に済ませておこうと考えていましたが、予想より早く親子3人で来て下さいましたので、ちょっと予定を変えて、Wちゃんのタオルを借りて全員で「ハンカチ落とし」を。走る事も出来ますし、ゲーム性もあり楽しんでやれるかと思いましたが、同じ人にしか落とさなかったり、ムキに成ってタオルも拾わずに追いかけ始める人が居たりと、「皆で楽しむ」と言う事でも意識して訓練する必要が有るのだなと実感しました。

その後A君の為のメニューとして、膝上げや蹴り上げを繰り返し、前回参加してくれた時の「転身蹴」の復習をしてから、グループ分けをして、色帯・試験組は「龍王拳第一系・単演」から、「小手抜」と「龍王拳第一系・相対」に移行。基本演練でキックミットを使用しての「十字受」の練習もしていましたので、そこそこの進歩をしてくれた様に思います。A君も含めた白帯組は、引き続き「転身蹴」を。小3白帯のE君とH君に交代でA君の相手をして貰い、反復します。集中力の有る方ではないA君相手に苦戦しながらも、自分の解る範囲でのアドバイスをしながら、2人共頑張って相手を務めてくれました。

締めに、キックミットを使用しての当身を。仕事明けに久々に顔を出して下さったW先生にも混ざって頂き、逆蹴と逆突を繰り返します。大権参加のA君も、「A君、気合出してる?」と声を掛ける度に、精一杯の気合いを出して、突き蹴りを繰り返してくれました。その後のラストの気合い出しも、なかなか良い雰囲気で終えられ作務に入ると、どうやら入門させたい意思を御持ちの様な御両親に、リーフレットを御渡しして、簡単な説明を。その後、17時目安でスポーツ保険の掛金を持参して下さったNさんとW先生と、暫しの相談を。まん延防止重点措置で参座を控えられていたNさんも、人事異動もあり来週からは土曜日はコンスタントに参座出来そうとの事。まだまだコロナウイルスの影響も残りますが、行事開催も含めて協力して取り組んで行く事を御願いし、帰路に着きました。

3月12日(土)の修練。

本日は、専有道場からのスタート。数日前までとは違い、暑さを感じる程の陽気の中、皆が集まります。

今週は、私自身の時間の過ごし方が良く、諸々の段取りがスムースに進んでいて、今日の専有道場への到着も普段よりも10分近く早く着くほどでした。それでも、マンションに荷物を運び込んでいる最中には、お父さんのビッグスクーターの後ろに乗せられた、小4白帯のA君が到着。2人で作務を始めた瞬間から続々と皆が集まり、13時前に大半が到着すると言う盛況ぶりです。「時間に間に合わせる」と言うのは、約束事の中では基本中の基本ではありますが、様々な都合の中で、普段とは違う場所での修練に際して、その時間に間に合わせようとして頂ける事は、当たり前では無いでしょう。その労力に見合った進化・成長を皆に掴み取って貰える様な支えをしたいものです。

やや遅れて到着した小2黄帯のA君と小1白帯のМ君が来た時には、ほぼ作務は終了していましたので、今月少年六級受験予定の小4白帯のY君に「2人に声を掛けて、窓ふきを一緒にやって」と伝えましたが、2度同じ事を聞いた上でY君は2人とは全く違う場所に行き、違う事をしています。他の人に指示されて窓ふきをしているA君・М君の姿を呼び寄せたY君に見せ、「指示された事をどうすればやれるのか、自分でもっと考えろ。考えて判らないなら、他人に聞いて確認しろ。あなたが少年六級に合格したら、今までの白帯と同じ行動をしているだけではダメなのは解るか?」と聞くと、Y君は目を白黒させながら「解ります」と答えます。他の人も作務をしている最中に、「自分でやる事を探せ」と伝えると、自分で考えて行動する人が増えて来ました。行動のレベルや集中力は、あまり高いとは言えませんが、この2年間で入門してくれた人達の、意識の質の高さを感じます。

瞑目の時間を長めに取った鎮魂行の後は、学科・法話の時間で「あ・うん」を回し読みします。巻頭の宗務局長へのインタビューぺージから、「あ・うん」が創刊されてからの課題や少年部用コラムが計画されている部分を読み、「伝える側が工夫をするのは良い事ではあるけど、何の為にやるのか・どんなやり方をするのかを、教えて貰ってないからやりません、なんてのは、修行者として終わってるよ。あなた達は誰かにして貰わなくても、自分でやる気に成って自分で意識して自分で行動する訓練をしているんだよ」と伝えました。その行動のレベルはともかく、まずは「自分からやろう!」と思える人・そして上手く出来ない時は、諦めずに他人の力を借りてでも、良い状況を創り出す為に行動出来る人に、少しでも進化して行って欲しいものです。

場を変えて、易筋行を。今日は今月末に少年六級受験を予定している小4トリオに、2週間前の「予備審査」をすると伝えていました。1月の試験では私自身の段取りの悪さを痛感しましたので、今回は学科宿題の提出に関しても前倒しで取り組ませ、今日が提出期限ですが、先月末には3人共にメドが着いている状態には出来ました。

この3人に小4緑帯のY君に相手を御願いし、他の人達は小5茶帯のH君と小5緑帯のH君に御願いし、ウォーミングアップの「踏み込み」や「天地拳第一系」の単演・相対を練習して貰い、予備審査を開始です。基本的には、動きを理解出来ているかの確認で細かいポイントを伝える事は控えましたが、「きっちり出来ない人には、嫌~な言い方で注意するからね」と予告していた中でしたので、それなりの緊張感は持って試験に対する心構えもある程度整えられて来ました。

それでもそこかしこに、水準不足の動きが散見され始め、特に火曜日・木曜日に上手く出来なくて復習していた「上受突(表)」を、同じ様に布陣や差替入身のポジション取りで間違えていたので、「試験受ける気有るのか!」、「何回同じ事言わせんだよ!」と叱責します。また少年五級に合格しているY君も、六級科目で当たり前の様に間違えているので、「どう言うつもりで、そんな間違えしてんだよ!」と、雰囲気をピりつかせます。ただ、試験に向けた意欲・意識を明確にする為の取り組みですので、程々で切り上げ、ポイントや注意点に対しての意識の向け方を、丁寧な言葉で伝えます。その結果もあったのか、その後の4人の佇まいからは、委縮した感じは無く、試験に向けてもお互い相談する様子が見られましたので、2週間後の試験に向けて、良い段取りが出来そうです。

易筋行ラストは、拳サポーターとすね当てを着けての運用法を。「内受突(裏)」を相手を代えながら反復し、そこから相手の攻撃に対して、順突でカウンターを取る・カウンターの後に、中段逆突を付ける・攻撃を逆突オンリーから、逆突順突をランダムにする、と進化させて行きました。上手く出来る人・そうでない人と様々ではありましたが、「強く成りたい」願望が強い面々ですので、乱捕り・運用法はテンションが挙がります。締めの気合い出しから作務、お菓子の分配も含めて、良い盛り上がりの中で修練を締めくくる事が出来ました。

2月26日(土)の修練。

本日も、泉田市民館での修練。春の訪れを感じさせる陽気の中、鍛錬に励みます。

今日は、1月の昇級試験を受験した面々に、合格証書と帯の贈呈をする予定の日。ただ少年六級に合格した大府市在住のH君が、「家族旅行の為」に欠席でした。実際は、H君が住んでいる地区の子供会の卒業行事が、コロナの影響で中止になり、この2年間学校行事やプールでの授業が全く無かった子供達を不憫に思ったH君のお父さんが、長野県白馬村まで泊りでのスキーに連れて行っているとの事で。他所の子の心情も含めて考慮して、自身の休日をやり繰りする事は、なかなか出来る事ではないなと、感嘆した次第です。

そのH君も含めて、3月に少年六級を受験する予定のA君・Y君・Wちゃんに、「天地拳第一系・相対」を伝える予定でしたが、昇級試験に向けての学科宿題の第一次の提出期限である本日に、A君だけほとんど書いて来ない状態で参座しました。先々週・先週と、2週続けて期限が今日である事と、その為には1日どのくらいのペースでこなさないといけないかを3人には説明したのですが、結局は何もして来なかったA君に、「今日は練習やらなくて良いわ。読本の丸写しで良いから、提出期限の今日、必ず提出しろ」と、机と椅子を用意させて書かせます。

と言う事で、A君以外のメンバーで「天地拳第一系・相対」を練習します。まずは全員で単演を反復し、間合いを開けての相対に移行。それらを踏まえて再度単演を行い、更に間合いを近付けての相対へと進めました。そもそもの単演のレベルが今一つの状態ではあったので、相対のみを長く続ける事はしませんでしたが、交互に取り組む事で、単演の動きの意味が理解出来たのか、相手をイメージする事や当身の位置・角度で、進歩が見られた事は一つ発見でした。

学科・法話の時間では、少年三級に合格したH君・少年五級に合格したY君に合格証書を授与し、それぞれに「当日の感想」や「皆への御礼やアドバイス」を述べて貰いました。特に、刈谷北道院のただ一人の茶帯と成るH君は、技術レベルだけでなく、「良い先輩として、何をすれば良いか」と言う事を繰り返し伝えていますので、コメントだけでなく普段の行動でも成長が見られます。先日の「成果発表会」を観に来て下さった学校の担任の先生も、「彼に頼りっきりでして」と笑顔で言って下さっていた様に、日常に良い影響を及ぼす修行に成っている様で、嬉しい事です。

先週、短い時間ながら見学・体験に来てくれた小1男子のA君が、15時過ぎにお父さん・お母さんに連れられて来てくれました。今日は合掌礼等の作法も少し伝えておこうかと思い、易筋行に入る前に皆で「自己紹介」をしました。同じ学校に通う同学年のМ君は今日体調不良で休みでしたが、学科宿題の途中だったA君も一旦輪に加え、車座に成って皆で挨拶します。じっとして話を聞いたり、相手と目線を合わす事があまり得意では無いA君ですが、自分の番が来た時は、出来るだけ大きな声を出そうとしてくれていますので、可能性も感じます。

体験のA君にも混じって貰って、少しゆっくり目のペースで鎮魂行を行います。周りに立った「先輩達」からも、「一緒に大きな声を出そう」と言う雰囲気が感じられて、なかなか良い空気で進みました。また瞑目の時間では、A君には目を開けて貰ってその様子を観て貰い、打棒を打つ時も「この音に負けない様に、気合いを出してみて」と伝えてやってみますと、少しでも気合いを出そうとする姿勢が見られます。また、見学してみえた御両親も、他の人の出す静寂からの気合いに、驚かれている様子が伺えました。

自由練習では、元々は「リアル自由練習」として、あみだくじで決めた相手と、やる内容を自分達で決めて、自分達で意識して鍛錬する時間を取る予定でしたが、A君の為に先週の復習としての逆突・逆蹴の反復と、そこに蟹足を足して「転身蹴」が出来る下地を準備します。その後、学科宿題を3時間掛けて書き上げたA君に、やるべき事や約束を聞いただけで覚えられないなら、メモをしてでも必ず取り組む事と、自分の出来る事すら満足に取り組めていない現状と、出来る事はまずきっちりやり切る事を伝え、輪に加えて全員であみだくじをします。

体験のA君に当たった人には、やる内容を指定してそれに取り組んで貰いましたが、それ以外の人達には自分達で何をやるかを決めて貰った「リアル自由練習」。総じて意識が高まった分、「しっかりやろう」と言う姿勢が見られましたが、「やらない人」はどんな練習をしても然程変わらないもので。何かをもう一工夫すれば、もう少し良くなる可能性も感じますし、飽きて来たり上手く進んでいない組合せになった時に、どう対処するかを考慮しておく必要性も感じます。

途中、集中力を欠いてダラダラし始めた我が子を観て、イラ付き始めたA君のお父さんに、「頑張ってる所を見て、褒めてあげて」と諭すお母さんの姿もチラチラ見ながら、果たしてこの空間を「自分の息子を伸ばしてくれる場」と思うか、「締まりの無い、ダラダラした場」と思うかの空気も探ります。それらも踏まえて、最後の気合い出しは、A君は一度もやっていない開足中段構からの上段突を、簡単に伝えた状態でやってみました。最後が締まると、何故かしっかりやったような気に成れるもので。その勘違いにすがってはいけませんが、その日その時を良い状態で締めくくる事も大事にして、次の機会に備えたいと思い、帰路に着きました。