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Shorinji Kempo

4月9日(土)の修練。

本日は、専有道場からのスタート。夏の暑さを感じさせる好天の中、皆が集まります。

つい何週間か前まで「寒い、寒い」と言っていた気もしますが、あっと言う間に「暑い、暑い」と言う気候に。ここ数年、四季を感じる間も無く、暑さ寒さが過酷な時期に移行する様になった気もしますが、それでも日本の中では愛知県は穏やかな方でしょう。コロナ禍の前から、少子高齢化の影響から拳士数減少が叫ばれていますが、それでも産業のしっかりしている愛知県下では、恵まれている方でしょう。その恵まれた環境に感謝して、挫けず諦めず活動を継続させていきたいものです。

3月の人事異動とまん延防止重点措置の解除により、久しく参座を控えられていた、Nさんも久しぶりの専有道場へ。また4月入門の小2白帯A君も、初の専有道場にお母さんに連れられて1番乗りです。ここ2年間の入門者の保護者の皆さんは、月1回の道院修練時の距離の長くなる送迎をこなして下さっていますので、今後Nさんと私の車2台では、専有道場からの移動に支障が出る事が予想されます。ですので、今月からグループLINEでの参座者数の把握と、14時半からの送迎の可能な方を募る事にしました。今回は、Wちゃんのお母さんに御願いし、今日の朝の時点で欠席の連絡を頂き、2台で移動する事にしたのですが、昇級試験で送迎している車の中で、皆が楽しそうに雑談しているのを見るにつけ、時々は「小ドライブ」の機会が有るのも良いかと思い、再度Wちゃんのお母さんに協力を御願いしましたところ、Wちゃんもお母さんが来てくれる事を楽しみにしていた様で、快諾を頂きました(笑)。

鎮魂行後の学科・法話では、知人の本山職員さんが書かれているページを回し読みします。小2のA君はほとんどの漢字を読めませんでしたが、先に隣りの人に読んで貰った文を音読させる事で、何とか混ざります。ページの内容が、自分の可能性を信じる事でチャレンジ出来る人間の性質について書かれていましたので、時折り止めながらその内容を皆に説明しました。読めない文字を音読出来る様になったA君の姿を示す事で、他の人達にもその内容を実感出来た様に思います。

場を変えて、易筋行を。易筋行のスタートは、私が遅れて到着する事が多いので、準備運動やウォーミングアップの主座を「無茶ブリ」し、先に始めていて貰いますが、緊張の中で何かしらを指示し動きます。今日は小5のY君に御願いし、終えた後に皆に「そちら側に立っている時に、自分が前に立ったらどうしようとイメージして聞く様に」と伝えました。指示されないと動けない・自分で考えて判断出来ない人を目指しての修行ではありませんので、少し緊張感の有るストレスの掛かる時間を受け取って貰おうと思います。

今日は4月入門のA君の、初の長目の土曜日参座。少しずつ出来る事を増やす為に、ウォーミングアップの内容と基本の突き蹴り受けを交互に入れて、身体操作のコツを伝えます。これは先に入門している「先輩」達にも有益な時間であり、何の為にそれをしているのかを意識した上で、反復する事が必要でしょう。

その後、幾つかのグループ分けをして習熟に努めます。Nさんが参座して下さると、小6茶帯のH君の科目の復習も出来ますし、それに続く存在である小6緑帯のH君の科目の習熟の時間も取れます。その間、その下のグループの相手を私が出来ますので、少しゆとりを持って全体に目を配る事が出来るのも、有り難いところです。

ラスト20分を過ぎたところで、拳サポーターとすね当てを着けての運用法を。今日は、中段攻撃に対する防御・反撃を中心に行いました。最初は中段突に対する反撃、次は中段蹴りを退って受けてからの中段突に対する反撃、最後にカウンターで順突を当てる、と段階を進めて行きました。タイミング的に付いていけない人もいましたが、最後に3つの段階のどこで反撃するかは、自分で選択出来ると言う事を説明し、限定無しの空乱を数回。久々参座のNさんも含めて、皆暑い中で奮闘していました。

時間的には結構オーバーしてしまいましたが、全体的に良い雰囲気で易筋行を締めくくる事が出来ました。この時間・空間が有る事が当たり前ではないとしっかり感謝し、少しでも多く長く再現出来る様に努めて行きたいと思います。

 

4月2日(土)の修練。

本日も、泉田市民館での修練。春の陽気を感じる中で、鍛錬に励みます。

いつの間にか季節は巡り、新年度に入りました。コロナウイルスの影響もまだまだ続きそうですが、そんな中でも活動を継続出来ている事に感謝して、弛まざる修行に邁進しないといけませんね。あれこれ段取りも滞りがちですが、行事開催も視野に入れて、日々の修練を充実させていきたいものです。

今は学校の春休み期間の様で、親御さんの里帰りに合わせて、祖父母の顔を観に行っている人も居たりで、参座はやや少なめ。修練終了30分前に、4月入門希望の小1男子A君の保護者の方に、入門手続きや法人の区別について御説明する予定でしたが、副道院長のNさんが疲労回復の為、小5茶帯のH君が体調不良の為欠席する連絡を頂き、また小5緑帯のH君も15時で早上がりするとの事で、説明の時間4年生までの面々で取り組んで貰う事に。大いに不安ではありますが、「ま、何とかなるわな」とゆったり構えます(笑)。

先週初の昇級試験合格を終えたメンバーもいて、割りと皆良いテンションでの取り組みが見て取れます。暫く試験科目の習熟がメインの時間が続きましたので、今日は剛法での受け手の接触の感覚と、柔法での力の吸収と伝え方の感覚を養う時間を取ろうとイメージ。相対で相手に触れる時間を多めにしました。入門したての頃は、先ずは自分の動きを高める時間が多く成りますが、「ただ自分が一生懸命動くだけ」に成りがちです。相対で相手に触れて、自分の力や動きを有効に相手に伝えてこそ、身体を動かした意味も出て来る訳ですから、「ただ自分の課題をこなして終わり」に成らない様にしたいものです。

各種受けの接触の感覚を試した後は、逆にキックミットを使用しての当身の感覚を。こちらも如何に自分のエネルギーを相手に無駄無く伝えるか、に課題を置きます。何だかんだ、皆「強く成りたい!」と言う意識は少なからず持っている様で。少しでも、そこに近付ける様にサポートしたいものです。

学科・法話の時間では、読本の「守主攻従」のページを回し読みします。最近、クイズ的に「六つの特徴」を暗唱させると、皆競って覚えようとします。ただ「覚えて来い!」と言っても覚えないでしょうから、何かしらの「仕掛け」が必要なんでしょうか。「守主攻従」を読み、「まず強く成る。その上で、自分から先に手を出さない精神性も身に付けたい」との話をしました。語句を覚えて終わりではなく、教えを自分に浸透させて、日々の生活に反映させられるぐらいを目指したいですね。

鎮魂行後の自由練習では、久しぶりに「逆小手もどき」を。久しぶりだと、持ち方を忘れる人も出て来ますが、それでも何人かは「ここは間違えない様に」と言った部分を覚えようとしています。今日は、ポイントに対して「何故、こうするの?」と言う問い掛けをし、その理由を説明する様にしましたが、反復する中でその理由を実感する人もいた様です。

想定より早く、A君とその御両親が到着されましたので、自由練習後半は1人ずつ前に立って貰い、「A君でも出来る内容で」とリクエストし、基本とウォーミングアップの号令役をやって貰いました。手続きの説明はカンペを忘れてしまい、あれこれ抜けが有った様に思いましたが、その分金剛禅の修行の在り方や、A君にどう取り組んで欲しいか、どう変化していって欲しいかの話に時間を割きました。ホールの後ろから修練の様子をチラチラ観ながらの御説明でしたが、時折「遊んどるのぅ!」と言う先輩達の振舞いも見つつ、それなりの内容には成った様に思います。

今日渡す予定だったA君の道衣を忘れてしまったのは大失敗ですが、帰りに「次は持って来るから、これから頑張ってやろうな!」とい伝えると、嬉しそうに足元に抱き着いて来るA君。新たな「後輩」の存在に刺激を受けている人もいますので、皆で協力して良い修行の空間を創って行きたいと思います。

 

3月26日(土)の修練。

本日は、泉田会館での修練。横殴りの大粒の雨と強風に吹かれながら、鍛錬に励みます。

もう3週間以上前ですが、今年度の泉田町の敬老会の会長さんから、「翌日の総会に向けて、前日の昼から市民館のホールで会場設営したいので、使わせて貰えませんか」と御電話を頂きまして、「どうぞどうぞ!」とお譲りしました。3年前の地区長さんでもあり、第3回の刈谷北道院の演武祭にも来賓として出席して下さった方ですが、毎回直接打診の連絡を下さり、代替の泉田会館の確保までして下さいます。「地区の行事の会場の確保の為に、年間利用計画に土日を含めない様に」と言う「通説」が有る中、もう10年以上土曜日の修練場所として配慮して頂ける事に、感謝・感謝です。

先日の市民館での利用者団体の会議でも、泉田会館が建物の2階に在る為、高齢の方は利用し難いとの実情が述べられていましたが、せっかくの施設ですから小学生達には存分に活用して貰いましょう。

今日は、修練終了後に安城市の道院に御邪魔して、A君・Y君・Wちゃんの小4トリオの少年六級の審査をして頂く予定の日。基本演練から試験の審査に近い雰囲気と内容にしましたが、当事者達の最終チェックとしてだけでなく、初の試験や次の試験が少年六級に成るであろうR君・E君・H君の小3トリオにも、「自分の試験の時にどんな在り方をするか、イメージして取り組む様に」と伝えると、少し眼差しが変わります。「試験の為の修練」ではないですが、そこに向けての習熟を、受験する人以外の人達にも、有効に活用していきたいものです。

学科・法話では「少林寺拳法の六つの特徴」のページを回し読みし、それぞれに補足説明をします。先週の武専時に、急遽怪我をされた先生の代わりに、昇格考試の学科の採点を担当したのですが、普段なかなか出来ない経験をした事で、改めて学科や教えへの探求の大切さを感じました。技術とリンクさせた上での教えの浸透を目指したいものです。

鎮魂行後に、うがい・手洗いをして暫し休憩。午前中に、体験参加してくれている小1男子A君のお父さんから、16時からの体験参加と入門手続きの希望の御電話を頂きました。手続き自体は来週に法人の区別等の説明を終えてからにして頂きましたが、A君が加わった状態での修練パターンを想定。試験組と色帯組の2つに分けて科目の習熟を進めながら、白帯組も基本技術の習熟に努めます。

16時半前に到着したA君に、突き蹴りの反復をした後に道衣を羽織らせてサイズを確認すると、やはり嬉しそうです。またA君に一つずつポイントを伝えて行くと、割りと素直に進歩しますし、それを観ていたのか同じ小学校の同学年でもあるМ君も、ポイントを踏まえた上達をしていたのには、少し驚きました。最後に、「何となく練習するより、強く成りたい・上手く成りたいと思って練習してる人の方が、多分強く成れるし上手く成れるよ」と伝えると、A君も気を散らしながらも意味を理解している事が伝わって来ました。

締めの気合い出しの後に、作務をしながらE君の長野土産を皆で分けつつ、A君のお父さんと来週の予定等を御相談して下の駐車場に行き、帰る車を見送っていましたが、小5茶帯のH君のお母さんらしき車が、再度駐車場に停まり帰ろうとしません。「どうしたのかな?」と思いながら、先に帰ろうと駐車場を出て車を走らせると、左の歩道を走って来る小学生らしき姿が。その瞬間、いつも200m離れた家に帰るのに「送って下さい」とねだる小1白帯のМ君が既にいない事と、H君のお母さんが駐車場で待っていた事が繋がり、車のスピードを落とし窓を開けると、息を弾ませて走るH君でした。「送ってくれたのか?有難う」と伝えると、「はい!」と返事をしてそのまま走って行きましたが、何も指示をされなくても後輩を家まで送り、待たせているお母さんの元に走って戻るH君の存在に、「良い先輩に成ったなあ」と心を打たれましたし、「こんな人が多く育つ空間にしよう」と新たなやる気を頂き、帰路に着く事が出来ました。

3月19日(土)の修練。

本日も泉田市民館での修練。やや寒さがぶり返して来た日中に、鍛錬に励みます。

今日は数名の欠席者が事前に把握出来ていたので、作務もややまったりとスタート。それでも参座した人達の集まりが良く、掃除機掛けも手早く終わりましたので、市民館所有の掃除機のフィルター清掃をする時間の余裕もありました。その後のウォーミングアップと基本演練は、来週に予定されている少年六級受験に向けての習熟も兼ねたメニューを中心に。「横転より起き上がり」や「大車輪」を、一つポイントを伝えたら1回練習し、次のポイントを伝えると言うパターンを繰り返してみました。練習回数としては多くないですが、ただ漫然と繰り返すよりも、集中の度合いは高まった様に思います。

学科・法話の時間では、「技術と学科の学び方」のページを皆で回し読みします。先日の平日の修練時に、2月入門のH君が同じページを読んでいた時に、全く言葉が口に出せなくなり「どうした?」とチラッと見た瞬間に、同じページを開いているであろうH君の読本の文字の配置が、若干様子が違う事に気が付きました。貸して貰って確認すると、同じ様な内容ながら何故か行が7行ほど減り、薄い内容に変わっていました。昨年の秋頃に改定された様ですが、「何でこれに変えたのかな?」と不思議さも感じます。このページを皆で読み、その後地道な努力の大切さと、困難に出会った時にも諦めずに取り組み続ける「心の強さ」の大切さを説きました。果たして、それぞれの胸にどう響いたでしょうか。

鎮魂行の後の自由練習では、数週間ぶりに体験参加してくれる小1男子A君が16時頃に来てくれる予定でしたので、各自の水凖に合わせた内容を先に済ませておこうと考えていましたが、予想より早く親子3人で来て下さいましたので、ちょっと予定を変えて、Wちゃんのタオルを借りて全員で「ハンカチ落とし」を。走る事も出来ますし、ゲーム性もあり楽しんでやれるかと思いましたが、同じ人にしか落とさなかったり、ムキに成ってタオルも拾わずに追いかけ始める人が居たりと、「皆で楽しむ」と言う事でも意識して訓練する必要が有るのだなと実感しました。

その後A君の為のメニューとして、膝上げや蹴り上げを繰り返し、前回参加してくれた時の「転身蹴」の復習をしてから、グループ分けをして、色帯・試験組は「龍王拳第一系・単演」から、「小手抜」と「龍王拳第一系・相対」に移行。基本演練でキックミットを使用しての「十字受」の練習もしていましたので、そこそこの進歩をしてくれた様に思います。A君も含めた白帯組は、引き続き「転身蹴」を。小3白帯のE君とH君に交代でA君の相手をして貰い、反復します。集中力の有る方ではないA君相手に苦戦しながらも、自分の解る範囲でのアドバイスをしながら、2人共頑張って相手を務めてくれました。

締めに、キックミットを使用しての当身を。仕事明けに久々に顔を出して下さったW先生にも混ざって頂き、逆蹴と逆突を繰り返します。大権参加のA君も、「A君、気合出してる?」と声を掛ける度に、精一杯の気合いを出して、突き蹴りを繰り返してくれました。その後のラストの気合い出しも、なかなか良い雰囲気で終えられ作務に入ると、どうやら入門させたい意思を御持ちの様な御両親に、リーフレットを御渡しして、簡単な説明を。その後、17時目安でスポーツ保険の掛金を持参して下さったNさんとW先生と、暫しの相談を。まん延防止重点措置で参座を控えられていたNさんも、人事異動もあり来週からは土曜日はコンスタントに参座出来そうとの事。まだまだコロナウイルスの影響も残りますが、行事開催も含めて協力して取り組んで行く事を御願いし、帰路に着きました。

3月12日(土)の修練。

本日は、専有道場からのスタート。数日前までとは違い、暑さを感じる程の陽気の中、皆が集まります。

今週は、私自身の時間の過ごし方が良く、諸々の段取りがスムースに進んでいて、今日の専有道場への到着も普段よりも10分近く早く着くほどでした。それでも、マンションに荷物を運び込んでいる最中には、お父さんのビッグスクーターの後ろに乗せられた、小4白帯のA君が到着。2人で作務を始めた瞬間から続々と皆が集まり、13時前に大半が到着すると言う盛況ぶりです。「時間に間に合わせる」と言うのは、約束事の中では基本中の基本ではありますが、様々な都合の中で、普段とは違う場所での修練に際して、その時間に間に合わせようとして頂ける事は、当たり前では無いでしょう。その労力に見合った進化・成長を皆に掴み取って貰える様な支えをしたいものです。

やや遅れて到着した小2黄帯のA君と小1白帯のМ君が来た時には、ほぼ作務は終了していましたので、今月少年六級受験予定の小4白帯のY君に「2人に声を掛けて、窓ふきを一緒にやって」と伝えましたが、2度同じ事を聞いた上でY君は2人とは全く違う場所に行き、違う事をしています。他の人に指示されて窓ふきをしているA君・М君の姿を呼び寄せたY君に見せ、「指示された事をどうすればやれるのか、自分でもっと考えろ。考えて判らないなら、他人に聞いて確認しろ。あなたが少年六級に合格したら、今までの白帯と同じ行動をしているだけではダメなのは解るか?」と聞くと、Y君は目を白黒させながら「解ります」と答えます。他の人も作務をしている最中に、「自分でやる事を探せ」と伝えると、自分で考えて行動する人が増えて来ました。行動のレベルや集中力は、あまり高いとは言えませんが、この2年間で入門してくれた人達の、意識の質の高さを感じます。

瞑目の時間を長めに取った鎮魂行の後は、学科・法話の時間で「あ・うん」を回し読みします。巻頭の宗務局長へのインタビューぺージから、「あ・うん」が創刊されてからの課題や少年部用コラムが計画されている部分を読み、「伝える側が工夫をするのは良い事ではあるけど、何の為にやるのか・どんなやり方をするのかを、教えて貰ってないからやりません、なんてのは、修行者として終わってるよ。あなた達は誰かにして貰わなくても、自分でやる気に成って自分で意識して自分で行動する訓練をしているんだよ」と伝えました。その行動のレベルはともかく、まずは「自分からやろう!」と思える人・そして上手く出来ない時は、諦めずに他人の力を借りてでも、良い状況を創り出す為に行動出来る人に、少しでも進化して行って欲しいものです。

場を変えて、易筋行を。今日は今月末に少年六級受験を予定している小4トリオに、2週間前の「予備審査」をすると伝えていました。1月の試験では私自身の段取りの悪さを痛感しましたので、今回は学科宿題の提出に関しても前倒しで取り組ませ、今日が提出期限ですが、先月末には3人共にメドが着いている状態には出来ました。

この3人に小4緑帯のY君に相手を御願いし、他の人達は小5茶帯のH君と小5緑帯のH君に御願いし、ウォーミングアップの「踏み込み」や「天地拳第一系」の単演・相対を練習して貰い、予備審査を開始です。基本的には、動きを理解出来ているかの確認で細かいポイントを伝える事は控えましたが、「きっちり出来ない人には、嫌~な言い方で注意するからね」と予告していた中でしたので、それなりの緊張感は持って試験に対する心構えもある程度整えられて来ました。

それでもそこかしこに、水準不足の動きが散見され始め、特に火曜日・木曜日に上手く出来なくて復習していた「上受突(表)」を、同じ様に布陣や差替入身のポジション取りで間違えていたので、「試験受ける気有るのか!」、「何回同じ事言わせんだよ!」と叱責します。また少年五級に合格しているY君も、六級科目で当たり前の様に間違えているので、「どう言うつもりで、そんな間違えしてんだよ!」と、雰囲気をピりつかせます。ただ、試験に向けた意欲・意識を明確にする為の取り組みですので、程々で切り上げ、ポイントや注意点に対しての意識の向け方を、丁寧な言葉で伝えます。その結果もあったのか、その後の4人の佇まいからは、委縮した感じは無く、試験に向けてもお互い相談する様子が見られましたので、2週間後の試験に向けて、良い段取りが出来そうです。

易筋行ラストは、拳サポーターとすね当てを着けての運用法を。「内受突(裏)」を相手を代えながら反復し、そこから相手の攻撃に対して、順突でカウンターを取る・カウンターの後に、中段逆突を付ける・攻撃を逆突オンリーから、逆突順突をランダムにする、と進化させて行きました。上手く出来る人・そうでない人と様々ではありましたが、「強く成りたい」願望が強い面々ですので、乱捕り・運用法はテンションが挙がります。締めの気合い出しから作務、お菓子の分配も含めて、良い盛り上がりの中で修練を締めくくる事が出来ました。

2月26日(土)の修練。

本日も、泉田市民館での修練。春の訪れを感じさせる陽気の中、鍛錬に励みます。

今日は、1月の昇級試験を受験した面々に、合格証書と帯の贈呈をする予定の日。ただ少年六級に合格した大府市在住のH君が、「家族旅行の為」に欠席でした。実際は、H君が住んでいる地区の子供会の卒業行事が、コロナの影響で中止になり、この2年間学校行事やプールでの授業が全く無かった子供達を不憫に思ったH君のお父さんが、長野県白馬村まで泊りでのスキーに連れて行っているとの事で。他所の子の心情も含めて考慮して、自身の休日をやり繰りする事は、なかなか出来る事ではないなと、感嘆した次第です。

そのH君も含めて、3月に少年六級を受験する予定のA君・Y君・Wちゃんに、「天地拳第一系・相対」を伝える予定でしたが、昇級試験に向けての学科宿題の第一次の提出期限である本日に、A君だけほとんど書いて来ない状態で参座しました。先々週・先週と、2週続けて期限が今日である事と、その為には1日どのくらいのペースでこなさないといけないかを3人には説明したのですが、結局は何もして来なかったA君に、「今日は練習やらなくて良いわ。読本の丸写しで良いから、提出期限の今日、必ず提出しろ」と、机と椅子を用意させて書かせます。

と言う事で、A君以外のメンバーで「天地拳第一系・相対」を練習します。まずは全員で単演を反復し、間合いを開けての相対に移行。それらを踏まえて再度単演を行い、更に間合いを近付けての相対へと進めました。そもそもの単演のレベルが今一つの状態ではあったので、相対のみを長く続ける事はしませんでしたが、交互に取り組む事で、単演の動きの意味が理解出来たのか、相手をイメージする事や当身の位置・角度で、進歩が見られた事は一つ発見でした。

学科・法話の時間では、少年三級に合格したH君・少年五級に合格したY君に合格証書を授与し、それぞれに「当日の感想」や「皆への御礼やアドバイス」を述べて貰いました。特に、刈谷北道院のただ一人の茶帯と成るH君は、技術レベルだけでなく、「良い先輩として、何をすれば良いか」と言う事を繰り返し伝えていますので、コメントだけでなく普段の行動でも成長が見られます。先日の「成果発表会」を観に来て下さった学校の担任の先生も、「彼に頼りっきりでして」と笑顔で言って下さっていた様に、日常に良い影響を及ぼす修行に成っている様で、嬉しい事です。

先週、短い時間ながら見学・体験に来てくれた小1男子のA君が、15時過ぎにお父さん・お母さんに連れられて来てくれました。今日は合掌礼等の作法も少し伝えておこうかと思い、易筋行に入る前に皆で「自己紹介」をしました。同じ学校に通う同学年のМ君は今日体調不良で休みでしたが、学科宿題の途中だったA君も一旦輪に加え、車座に成って皆で挨拶します。じっとして話を聞いたり、相手と目線を合わす事があまり得意では無いA君ですが、自分の番が来た時は、出来るだけ大きな声を出そうとしてくれていますので、可能性も感じます。

体験のA君にも混じって貰って、少しゆっくり目のペースで鎮魂行を行います。周りに立った「先輩達」からも、「一緒に大きな声を出そう」と言う雰囲気が感じられて、なかなか良い空気で進みました。また瞑目の時間では、A君には目を開けて貰ってその様子を観て貰い、打棒を打つ時も「この音に負けない様に、気合いを出してみて」と伝えてやってみますと、少しでも気合いを出そうとする姿勢が見られます。また、見学してみえた御両親も、他の人の出す静寂からの気合いに、驚かれている様子が伺えました。

自由練習では、元々は「リアル自由練習」として、あみだくじで決めた相手と、やる内容を自分達で決めて、自分達で意識して鍛錬する時間を取る予定でしたが、A君の為に先週の復習としての逆突・逆蹴の反復と、そこに蟹足を足して「転身蹴」が出来る下地を準備します。その後、学科宿題を3時間掛けて書き上げたA君に、やるべき事や約束を聞いただけで覚えられないなら、メモをしてでも必ず取り組む事と、自分の出来る事すら満足に取り組めていない現状と、出来る事はまずきっちりやり切る事を伝え、輪に加えて全員であみだくじをします。

体験のA君に当たった人には、やる内容を指定してそれに取り組んで貰いましたが、それ以外の人達には自分達で何をやるかを決めて貰った「リアル自由練習」。総じて意識が高まった分、「しっかりやろう」と言う姿勢が見られましたが、「やらない人」はどんな練習をしても然程変わらないもので。何かをもう一工夫すれば、もう少し良くなる可能性も感じますし、飽きて来たり上手く進んでいない組合せになった時に、どう対処するかを考慮しておく必要性も感じます。

途中、集中力を欠いてダラダラし始めた我が子を観て、イラ付き始めたA君のお父さんに、「頑張ってる所を見て、褒めてあげて」と諭すお母さんの姿もチラチラ見ながら、果たしてこの空間を「自分の息子を伸ばしてくれる場」と思うか、「締まりの無い、ダラダラした場」と思うかの空気も探ります。それらも踏まえて、最後の気合い出しは、A君は一度もやっていない開足中段構からの上段突を、簡単に伝えた状態でやってみました。最後が締まると、何故かしっかりやったような気に成れるもので。その勘違いにすがってはいけませんが、その日その時を良い状態で締めくくる事も大事にして、次の機会に備えたいと思い、帰路に着きました。

2月19日(土)の修練。

本日は、専有道場からのスタート。風が穏やかだったからか、寒さが厳しい2月にしては暖かく感じる気候の中、皆が集まります。

12月・1月と行事を開催していたので、通常の道院修練としては久しぶりの今日。2月入門予定(本日保護者の方に、手続きの御説明をする予定です)の小3男子H君は、初めての専有道場になりますが、13時の10分前に到着した大府市在住のH君に続き、2番手で時間に遅れずに無事に来てくれました。月1回、保護者の方に更なる送迎の負担を御願いする事に成りますし、専有道場から泉田市民館への移動にも、御協力を御願いする事に成ります。それに見合った意義を受け取って貰える様な、取り組みにしないといけませんね。

皆で作務を終え、瞑目の時間を長く取る鎮魂行とその後の法話へ。自分自身にとって意味の有る行いを意識する事と、後輩や仲間にとって「良い手本」で在り得る様な意識を持つ事を説きました。その意識を持てるかどうかで、「自己確立」と「自他共楽」の金剛禅の2本柱に近付いていけるかが決まるでしょう。上手くそこに導いていきたいものです。

学科・法話の時間では、「あ・うん」の師家の年頭挨拶の部分を皆で回し読みしました。読めない漢字の部分をお互いお教え合いながら読み終え、改めて「意味が解らない人居る?」と聞いて、その部分を捕捉しながらその内容を伝えて行きます。香川県に本山を置き、どの様な事を目指して活動をしているのか。せっかく届く会報ですから、少しでも伝えておこうと思います。

場を変えて、易筋行を。今回は移動の御手伝いを小1男子のМ君のお母さんに御願いしましたが、その際に御礼をする事や市民館に入ってからの迅速な作務を皆に伝えました。移動してからの皆の動きはなかなかなもの。祭壇も、私が達磨像を入れたカゴをホールに置き、玄関から入ってくる頃にはセットされていましたし、いつも遊んでばかりの小4男子A君も、チラチラこちらを気にしながらしっかり働いていました(笑)。

通常移動後の準備運動や基本演練を、小5緑帯のH君に御願いするのですが、今日はいきなり小5白帯のH君に御願いしてみました。指名された時点で、マスクの下でオロオロしているのが見て取れましたし、靴下を脱ぐのも忘れて、その後の号令の声もやや震え気味で、基本演練で指示する内容も自分自身でどう動くかも解ってない内容を選択する等、ある意味でH君らしい「心の弱さ」が判り易く出ていました。普段の修練中の振舞いの中からでも。「自分で考えて、自分で決断する」と言う事をしてないんだなと伺えるH君。専有道場からの移動の際に、私の車に同乗していたH君との会話の中で、同級生30人が全員携帯電話を持っていて、H君自身も小2から持たされている事を知りましたが、現代社会の流れに順応する事も大切ですが、自分の感性や能力を開発する時期に、発達した通信機器に頼る習慣に染まる事への危険性も感じ、易筋行での号令役に指名してみました。結果は予想通りで、皆に「ただ他人の号令に従って動いているだけじゃなくて、自分が代わって号令を掛ける立場に立てる様な聞き方をしろよ。そうすれば、僕と同じレベルには成れるだろ」と伝えましたが、当のH君はどんな聞き方をしてくれたでしょうか。

その後、3月に少年六級を受験するA君・Wちゃんの確認も見越して、運歩の確認を。昨日勤務中に御電話を頂き、今川町在住の小1男子が16時からの見学を希望されていましたので、それまでの間に少しでも試験に向けた習熟・確認を進めます。帯に色の着いた3人に前に立って貰い、号令役を任せて運歩の確認をしますが、型を覚えるのが苦手なA君にとっても、号令役をしている人間にとっても、それぞれのレベルに応じた練習内容に出来ました。

16時少し前に御夫婦と1人の元気な男の子が到着。暫し見学して頂きましたが、本人に「少しやってみる?」と聞くと「やれたらやりたい」と言っていましたので、見学者A君でも出来る様な内容に移行し、暫く後の私が抜けた後の修練内容もイメージして、キックミット等も使用します。16時20分から小3男子H君のお母さんに来て頂く予定でしたが、若干到着が遅れましたので、先に見学者A君に入って貰い、逆突・逆蹴の反復に入ります。

その後、H君のお母さんが到着されましたので、小5緑帯のH君に任せて、後ろのスペースで説明に入ります。1月の「成果発表会」時にもH君は参加してくれていて、観覧されていたお母さんも、本山が香川県に在る事も開祖が金剛禅の開創された理由も聞かれていましたので、かなり走り気味でほぼ手続き面の御説明で終了。抜けてた部分は後程LINE連絡で御伝えする事でフォローしました。

その間、体験者A君の相手も含めて、協力して進めてくれる色帯や高学年組の姿も見守りつつ、H君のお母さんが中座された時には、私もキックミットを持ってA君の相手をする事も出来ました。短い時間ながら、それなりに楽しんでやってくれていた様に思いますので、もし継続して体験入門してくれるなら、皆で協力して有意義な時間にしたいと思います。

 

2月5日(土)の修練。

本日も、泉田市民館での修練。細かい雪が降る程の冷たい空気の中、鍛錬に励みます。

2月に入って、更に寒さも増して来た様な気がします。体調不良で欠席する人も居る中で、参座してくれる人達には何かしらを手にして帰って貰いたいものですが。今日は3月に少年六級を受験する小4トリオのA君・Y君・Wちゃんの習熟の為のメニューと、久々に運用法を取り入れる事を想定してスタート。Wちゃんは家庭の都合で欠席でしたが、基本演練の内容を大幅に組み替え、「龍王拳第1系・単演」を伝えます。

先月の昇級試験で合格した3人を前に並ばせ、その後ろに並んだメンバーでグループにして習熟に励み、時折止めてはポイントを伝えたり、次の段階に進んだりとしてみましたが、初めての動きに戸惑いながらも、何とか覚えようとする人や、構えも覚束無い小1白帯のМ君相手に、何とか伝えようと奮闘する人等、それぞれに学ぶ事が多い時間に出来たと思います。

学科・法話の時間では、3人に「好きな数字」を言って貰い、その数字を合計して回し読みをするページを決定。少林寺拳法の「三徳」に関するページでしたが、それぞれに何を感じ取ってくれたでしょうか。今の面々は、割りと「強く成りたい」と思って取り組んでいる人が多い様に思いますが、その中で多少なりとも「世の為、人の為」に行動しようとする要素を、自ら欲してくれると嬉しい事です。

スイミングに通う為に15時で早上がりするR君の為に、学科・法話後の15分程で拳サポーターとすね当てを着用しての運用法を。上段攻撃に対しての防御・反撃を反復しますが、相手と共に進歩・成長する事を意識出来てこその乱捕りや運用法でしょう。ともすれば、「自分さえ良ければ」と成りがちなメンバーが多いですので、「強く成りたい」と言う意欲は維持しつつ、金剛禅の在り方に沿った人造りの行としての鍛錬に少しでも近付けていかなければいけませんね。

鎮魂行後の自由練習では、メインは少年六級を受験する2人の習熟のメニューを、相手を変えながら。2列に並び、運用法時と同じ様に相手を変え、組合せ毎にやる内容を指定します。A君・Y君は「小手抜」の相対を反復しましたが、前半で「龍王拳第1系・単演」をこなしていた為、入門して1年3ヶ月が経過したA君も、ようやく鈎手守法やその後の体捌き・足捌きを理解しつつあります。また12月入門のМ君は、「正対構からの内受突」を行いましたが、振身が全く出来ていませんでしたので、ウォーミングアップ・メニューの振子の動きに戻り、組んだ先輩と一緒に左右の重心移動を繰り返して貰いました。結果、その後の輪になっての上段突では、しっかりした振子をしながらの突きに進化していましたので、その時その時で意味の有るメニューに変えて行く大切さも実感しました。

自由練習後半では、受身の練習として「横転からの起き上がり」と「大車輪」を。どちらもA君・Y君は不充分な出来ですが、ポイントを伝えて反復させると、徐々にながら向上して行くのが判ります。特に、自分の身体の状態や左右の違いへの理解度や、「出来ない事を、出来る様になるまで努力する」意識の乏しいA君は、度々集中を欠いたり意欲を落としたりしましたが、都度「今、何をする時間だ?」と叱咤し、左右の違いを意識して整える姿勢までは到達しました。自分が出来る様になった事に気付いた瞬間は、やはりA君も嬉しそうです。3月の昇級試験に向けての時間をきっかけにして、自信と自分で意識して自分を整える習慣を身に付けて貰いたいと思います。

せっかく皆で受身をやりましたので、締めの時間に急遽投げ技の「掛かり稽古」を入れてみました。座布団を数枚敷き、一人が前に立ち、「諸手巻小手」の要領で目の前に居る全員を投げると言う流れでやってみましたが、私が1度手本として全員を投げて回しただけですので、当然1度も練習した事の無い「巻小手」なんて出来るはずもありません。それでも「止まらずにどんどん行け!」と急かし続けると、皆それなりに投げを成立させますし、逆に下半身を使えずに、腕力だけで振り回そうとする人は、身体が前屈してスピードダウンすると言う結果を自ら感じ取り、有意義な時間と成りました。また少年三級に合格したばかりのH君は、「巻小手」の理法をほぼ体得しているので、私が見せた手本とほぼ同じペースで投げて回して見せましたので、なかなか大したものだと驚かされます。

年齢も技術レベルも集中力も意欲も、少人数ながらそれぞれに違いが有るメンバーが集っていますが、皆で協力して楽しく有意義な時間にする事は、変わらない大目標でしょう。それこそが「社会に貢献する人造り」の大原則でもあるでしょうから、常にそこを指揮して目指して行きたいものです。

1月29日(土)の修練。

本日も、泉田市民館での修練。冷たい空気ながらも、何処か暖かさも感じる陽射しを浴びながら、鍛錬に励みます。

先週の「成果発表会」を終え、何かホッとした気分で1週間過ごしましたが、昇級試験の段取り等、気を抜いてばかりではいけませんね。木曜日には少年三級を受験するH君と、マンツーマンで習熟に励みましたが、ふと少年五級を受験するY君と少年六級を受験するH君に、「試験の雰囲気」を感じさせる練習をしてないなと思い立ち、今日はその段階に来てない人も含めて、ちょっと高めの内容と厳しめの雰囲気で修練を構成しようと目論みます。

作務を終え、ウォーミングアップを割愛して、構えや運歩の審査をしてみますが、やはり付いて来られない人も居ますし、そもそも受験する人がオタオタする部分もあり、「やっておいて良かったわ」とホッとします。また上手く順応出来ていない人でも、何とか喰らい付いていこうとする姿勢が各自に見られ、この1年で入門した人達の、普段の雰囲気の良さを感じさせます。

学科・法話の時間では、3月に昇級試験を予定している面々に、その後に宿題について説明する事も踏まえて、合掌礼に関するページを回し読みし、挨拶の大切さやそこから始まる円滑な人間関係の構築について説きます。泉田市民館も利用者顔触れは高齢者が大半で、この2年間は行事開催や利用頻度が極度に減っていますが、それでも時折り訪れた方々が、小学生達から元気に挨拶をされるとやはり喜ばれる様で、後々「良い指導をされてますね」と声を掛けて頂く事もあります。技術の向上も大事ですが、地域の活性化に繋がる行動の強化も欠かせない要素でしょう。

修練メニューと順番・組み合わせを変えたので、少しゆとりを持って鎮魂行に入れますし、うがい手洗いの時間も取れます。自由練習では受験する3人の確認で、それぞれの組み合わせを呼び寄せ、他のメンバーにはそれぞれの時間で、課題を伝えます。まだまだ集中力の続かない人達が大半ですが、試験を3月に控えた人達を始め、自分の課題に取り組む姿勢が少し良くなって来ましたし、気持ちが崩れた後の持ち直しの時間も短くなって来ています。

3組それぞれの組み合わせで、「なかなか上手いなあ」と思わせる部分と、もう少し強化したいと思える部分もあり、「試験の為」では終わらない弛まざる精進の大切さを再認識します。また入門して1年以上経っても、「小手抜」の動きを覚えられない小4白帯のA君も、3月の受験を意識させ続けていく内に、徐々にながら動きを向上させつつあります。運動能力や身体操作の感覚が鋭い面々ではないですが、少しでも上手に成ろうと努力する習性は身に付けて貰いたいですし、それを仲間で協力しながら出来る様になってくれればと思います。

また今日受験するY君・H君を「小手抜」を練習するグループに入れた時は、2人共に上級者である自分達が練習台に成る事で、ポイントを相手に伝えようとする姿勢が見て取られ、「良い雰囲気だなぁ」と嬉しくなります。受験組の確認を済ませ、締めの気合い出しと作務を良い感じで終えると、今日で休眠するI君のお父さんが御菓子を持って挨拶に来て下さいました。「高校合格してからの復帰」と言うのも簡単では無いでしょうが、今日の受験の相手をバッチリ決めて、その可能性を少しでも高めおいて貰いましょう。

1月22日(土)の修練。

本日も、泉田市民館での修練。ここ数日の中では、穏やかな陽気も感じる気候に恵まれながら、鍛錬に励みます。

今日は、先月から予定していた「成果発表会」開催の日。コロナウイルスの影響や「まん延防止措置」の絡みで、世間的には中止も検討するべき状況なのでしょうが、「行動禅」の修行者としては、如何に工夫して、環境・状況と「調和」しながら「為すべき事を為す」かが命題と成るでしょう。「より良い人生」、「より良い社会創り」を目指す意味でも、歩みを止めない事が肝心でしょう。

スタートの作務の時点から皆の集まりが良く、また私が指示を出さなくても、「成果発表会」の観覧者用に座布団を多めに用意する人が居たりと、若干皆が発表会を楽しみにしているであろう空気を感じます。そんな中での修練は、少し趣向を凝らし、突発のメニューに如何に集中し、全力で取り組むかを課題にします。発表会用の練習・来週の昇級試験の為の習熟・全く別の易筋行を候補にして、代表者のじゃんけんでメニューを決めたりと、多少ゲーム的要素も加えて雰囲気の盛り上げにも心を配ります。

今日の「成果発表会」では、私はNさんと技法紹介する予定でしたが、Nさんも県庁勤めと言う事もあり、この状況での参座に対して、御家族の理解を得るのもなかなかに大変です。そんな中でも、15時以降にと「時短」で参加して下さることに成り、実に有り難い事で。そのNさんの到着と同時に、舞台の幅を広げる作業に入ります。自ら率先して手伝う人間もいれば、当たり前の様に鬼ごっこで遊ぶ人間もいます。当然の事ながら、遊んでいた人間は呼び寄せてセッキョーです(笑)。

今日の発表会に際して、デジカメでの撮影係を刈谷北道院の入門第1号であり、「愛する一番弟子」であるR君に御願いしておいたのですが、約束していた16時より少し早めに到着してくれました。ホールの入り口のドアの外に来たであろうR君を出迎えると、そこには「誰、このおっさん?」と思う人が。そこには3年ぶりに会い、マスク越しに大人びた顔に成長した高校2年生のR君が立っていました。バスケットボールを長くやっていた事もあってか、身長も私と同じぐらいに成り、脚の長さや顔の小ささによる等身の違いは、「あんた、何人だ?」と思う程のカッコ良さです。現役門信徒への紹介や挨拶や、R君を中心とした集合写真を済ませた後に、R君にデジカメを渡して、座布団による観覧席設置を済ませると、小学生達がR君を囲んではしゃいでいる様子を、嬉しく微笑ましく眺めていました。

保護者の方に御伝えした集合時間も近付き、一人で自分の動きを確認する人や、緊張せずに遊んでいる人も居る中、準備万端で時を過ごしますが、観覧者が全く現れません。ちらちら駐車場を覗き、「30枚以上座布団を用意して、1人2人じゃ寂しいなあ」と不安に成りましたが、「1番乗り」を嫌がる日本人の気質なのか、1組保護者の方が現れると、続々と入館され、ホッと一安心です。白黄帯の団体演練の号令役を御願いしているA君のお父さんお母さんがいらっしゃらず、A君がソワソワして市民館の入り口で待っていましたが、妹のNちゃんを連れて定刻までに無事到着。「成果発表会」をスタートします。

内容は、初めに私が金剛禅に関する紹介をし、その後8名による団体演練、私とNさんによる少林寺拳法の技法紹介、小4緑帯のY君と小5白帯のH君・中1茶帯のI君と小5緑帯のH君による組演武2組。金剛禅の紹介も、例によって特に内容も考えずに、ぶっつけ本番でその瞬間瞬間に頭に浮かんでくる言葉を繋げて、何とか文章を組み立てます。話が長くなり過ぎない様に時計も気にしつつ、本山が香川に在る事・金剛禅を開創した開祖が、何を経緯にして何を目的としていたのか・金剛禅の主業でもある少林寺拳法は、技術的にどんな特徴を持ち、結果どんな人間を育てようとしているのかは、そこそこ説明出来た様に思います。

その後の団体演練は、人数的にも保護者の方にとってはメインと言う雰囲気で、スマートフォンを構える手が、一気に増えます。舞台の横で発表者の姿を見守りつつ、保護者の方の様子も見ますが、それなりに満足して下さっている様に思えました。その後の技法紹介では、Nさんと団体演練にも絡めた動きで剛法を、そして抜技・その発展形である逆技として柔法を紹介し、力をぶつけるやり方と力を吸収するやり方の比較も交えて、金剛禅の目指す「調和」に根差した人造りの在り方を説明します。保護者の方がどう受け取って下さったかは定かではありませんが、帰宅後の疲労感はハンパ無いものでした(笑)。

ラストの組演武2つは、発表も演武を組む事も初めてのH君を始め、なかなかの気迫を見せてくれました。特にメインのI君とH君は、来週のH君の少年三級の試験の組演武を発表する予定で練習していたのですが、先週その様子を観ていて、「投げ技が一つも無いんだな。あなた達投げ技できるのに面白くないから、柔法2つを逆小手と送小手に代えて」と急遽変更し、今日座布団を敷き終わった後に練習している二人の姿を観て、同じ人が逆小手と送小手を掛けている事に気付き、「それだと面白くないなぁ。先週やった巻落、やれたらあれを7構成目に入れようか」と無茶ブリしましたが、守者攻者を交代した2回発表も含めて、そこそここなしてくれました。その後舞台横で待っていた兄の元に行き、皆にあやされていた小2黄帯のA君の妹のNちゃんも一緒に舞台上で全員で合掌礼し、私だけ達磨像の方に行き、皆はそのまま舞台の上で最後の気合い出しを行い、「成果発表会」を締めくくりました。

中止も検討するべき状況での開催でしたが、今月末でいったん休眠するI君のとお父さんがお祖父ちゃんお祖母ちゃんも連れて観覧して下さったり、今年度の泉田町の公民館長さんの息子さんが、小5緑帯のH君の学校の担任をされているそうで、娘さんを連れて観覧に来て下さり、H君のお母さんに紹介されて、挨拶に来て下さったりと、行動するからこそ構築出来た「人の縁」を実感出来ました。またお店の営業開始直前の時間に観覧して下さった、12月入門のМ君のお母さんや、作務を終え、もう用事は無くなったのに、市民館の外で「今度は2人で組演武やれよ」とお子さん達と楽しそうに話されている保護者の皆さんの姿を観るにつけ、感謝の想いを抱くと共に、「やって良かったな」と思う事も出来ました。その後、暫しNさんと今後の見通しや対応を話し、その間「お母さんが帰ったから帰れません。車で送って下さい」、「道院長、早く送って下さい」とねだっていたМ君を200m離れた家に送りがてら、帰路に着きました。