9月19日(土)の修錬。

本日も、泉田市民館での修練。朝晩はすっかり涼しくなり、秋の様相を呈して来ましたが、湿気や日中の気温の高さも感じながら、鍛錬に励みます。

今日は10月入門予定のA君の御家庭から、欠席の連絡を頂いていたので、ちょっと高度な事や運用法等、普段なかなかやれない事をやってみようかとイメージして赴きました。が、市民館に到着した際に、予定ボードの前で作業をされていた面識の有る地区の役員さんから、「今日、この子見学良いですか?」の言葉が。「どうぞどうぞ、良かったら体験も一緒に」と御伝えした当のお孫さんのA君は、特に臆する事無く話しかけて来ます。役員さんに「一緒にやれる内容にしますよ」と御伝えすると、「いやいや、逆にしっかりした所を見せてやって」との事。一旦二人で帰宅されて、水筒やタオルを持参して戻って来てくれたA君に、掃除機の手伝いを御願いすると、多少やってくれたものの、「疲れた~」と言って休憩します。また、「黒帯が一番強いんでしょ?最初は何色の帯なの?」と随分帯の色に関心を持っていましたが、遅れて参座した緑帯組を見ると、途端に舞台のカーテンの後ろに隠れます。会議室で作業をされていた役員さんに、見学者名簿に記入して頂いたところ、「もし、今日体験する様だったら、上下関係をきっちり教えてやって」との事で。伺うと「内弁慶」との事ですし、本人からも「~に殴られた」との話が聞けましたので、その辺りを鍛えたいのかなとの希望も伺えます。

この数か月のコロナに影響された変化の中で、入門者獲得を大事にしつつも、無理に入門させるのではなく、「体験止まり」でも関わってくれる存在を増やし、入門した人の「自覚」を促そうかとの想いも強くなっています。今日のA君の姿を見て、A君の出来る水準に下げて、体験参加を促す必要も無いなと感じ、緑帯組の法形の習熟から入りました。

途中、A君のお父さんも見学にみえ、後ろで御覧になってましたが、過去に市民館での修練中に、何度か出入りされる姿を見掛けた事のある方。父親の敬老会の役員としての作業を手伝ってらっしゃった様ですが、休憩中に御話を伺うと、御自身もかつて少林寺拳法をやっていて、20年近く前に私の姿を見掛けた事が有る気がするとの事で!時期的にはギリギリカブっていない感じですが、共通の知人の話で二人だけで盛り上がり、他のメンバーが「なんか楽しそうにしてんなぁ~」と言う視線をこちらに向けて来ます(笑)。またお父さんは何度か市民館から出入りされたのですが、わざわざ全員分のスポーツドリンクを買って、差し入れて下さいました。その事自体、実に稀有で有り難い事ですが、「冷えた状態で頂いた方が美味しいから、全員1本ずつ取りに来て」と伝えると、全員が私の所に来る前に、先にお父さんに対して「有難うございました!」と合掌礼をしていた事は、当たり前の事とは言え、今まで無かった事だけに嬉しい驚きです。

15時前に帰宅されたA君親子に、「作務を手伝ってくれた御礼」のお菓子を渡し、「また体験に来て下さい」との言葉を伝え、見送ります。遅れて参座したY君を交え、順番を入れ替えて「学科・法話」、「基本演練」、「鎮魂行」と進めますが、鎮魂行の唱和や号令や気合いで、なかなか良い「張り」を見せてくれるY君には、「ここを直したらもっと良くなる部分が有るんだけど、聞きたかったら後で自分で聞きに来て」と伝えると、自ら聞きに来ます。後は、それを体現出来るかどうか。また「自由練習」での組み合わせ毎の法形の習熟で、Nさんに何度か修正点を指摘されていた時に、相変わらずの「すねる瞬間」が入りますが、「やる気、有るのか?」、「もっと気を張れよ!」と伝えると、表情が変わります。彼の今後に期待ですね。

Nさんが参座出来る様になって、土曜日の修練での習熟度が挙げやすくなっています。今年度は、合同での昇級試験の実施は無さそうですが、各自の科目の習熟は進めておきたいものです。ここ何回かの修練で、次回が少年四級の受験になるI君の科目を進めていますが、今日は「切抜」の練習をしながら、その相手をしていたH君の二人には、その先にある「巻小手」のイメージも伝えました。普段、技術の習熟に対してあまり熱心ではないI君ですが、今日はNさんと「切抜」の内と外を繰り返し練習して為か、「切抜(内)」の鈎手守法での崩しと、「逆小手もどき」をくっ付ける事で「巻小手」が完成する事が、イメージとして繋がり納得出来た様で、2種類の方向に投げられているH君の姿を見て、珍しく目を輝かせていました。

その後の挨拶の時の声の張りや、作務の際の動き方に、I君のいつもと違う心の軽さを感じ、「技術の面白さが、人間を活動的にする事もあるんだな」と、新たな発見をした気持ちで帰路に着けました。

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