本日は、専有道場からのスタート。ようやく秋らしくなった土曜の昼に、みんなが集まります。
今日は達磨祭も挙行する予定で家を出たのですが、駐車場に着くまでの間に、古傷の右足首を捻挫してしまいまして(泣)。暫くその場で動けない状態で、「挫けない諦めない達磨の在り方を法話で説くには、丁度良いかな」と涙目になりながらファイトを沸かします。
10月転籍復帰のSさんは、初の専有道場。作務もテキパキこなしてくれます。副道院長のNさんが車の都合で到着が遅れるとの事で、急遽司会役を御願いしてしまいましたが、こちらも問題無く務めて下さいました。
導師法話もいつも通り台本を用意せずに行いましたが、予定の20分弱でそこそこ上手くまとめられた様に思います。話を聞いている人の表情や姿勢も確認しながら話すのですが、今日の小学生3人は基本集中して話を聞けない3人。昨年以降入門の白帯3人は、割りと話の聞き方や姿勢が良いだけに、「先輩」の色帯組の在り方が問われます。とは言え、私自身も段取りや下準備が整ってなく、今日もA3用紙で用意する式次第を忘れ、開祖忌法要の物で代用している始末。そんな時でも、その場に参集した面々でカバーし合う訳ですから、彼らの成長を期待しつつ待ちましょう。
場を変えて、易筋行を。小4七級のA君のお父さんから、「足の指にヒビが入ったから」と易筋行抜きでの早上がりの連絡を頂いていまして、原因を聞くと水筒を自分の足の上に落としたとか(笑)。レントゲンでは特に異常は無く「1週間運動を控える様に」と言われたそうですが、専有道場に来た時も「フツ~に歩いとるがな」と言う状態でしたので、「月末に運動会が有る事を考えたら、週明けの様子を観て、自分で判断した方が良いでしょう」と御伝えしました。「専門家」に相談し意見を求めつつも、「自分の人生は、自分で責任を持つ」と言う意識も必要でしょうね。
易筋行序盤は、全員で逆蹴と運歩と受けの組み合わせを変えて反復し、相対で小1H君と組む人は「転身蹴」。それ以外の組み合わせによって「下受蹴」、「外受蹴」に変えます。Nさんと中2初段のH君の組み合わせでは、急遽「半月蹴」にしましたが、2人共余裕でこなしますし、その後「開身突」に進んでもクリアし、簡単な説明で「押閂投」に進んでも、NさんもH君もしっかりやります。「中2の初段で、五段科目を一発でやれるか」と驚きますし、基本の身体操作をしっかり練り上げて、法形の原理を意識出来れば、初段でも四段・五段の科目を踏襲出来るんだなと、「技の成り立ち」を理解する事の大切さを感じます。
易筋行後半は、白帯H君の相手を先輩4人に15分交代でして貰い、それ以外の3人で科目の習熟に励む時間にしました。どちらのグループも時間単位で課題を変えていったのですが、集中力の続かないH君も、相手とやる事が変わると割りと集中と意欲が持続する様で。ただ今日は、圧倒的に体格の違う「黒帯」が相手をしてくれてこのレベルですから、小学生の先輩相手ではこうはならないかも知れませんね。水準はどうであれ、先輩が自分の相手をしてくれている事の有り難さを、どれだけ理解・意識出来るか。今後のH君に期待です。
3人組の方も、内容を変えてそこそこ充実していました。小5五級のA君も、黒帯相手だと相変わらずの「かまってちゃん」ぶりを見せますが、それなりに光るものを見せてくれます。「あなたが初段を取るのは中2ぐらいかなぁ」と伝えると、それなりに道筋が見えている様な表情でしたので、態度や言動や取り組み方も含めて、小学生のトップとしての自覚を見せて欲しいものです。
復帰したSさんも、基本と法形、級科目と有段科目を関連付けて取り組むのに苦戦されていますが、そもそも「力の生み出し方」や「力の伝え方」を意識出来ている人も多くは無いのでしょう。また24年前は、恐らく法形で左右を行う事も少なかったでしょうから、自分の身体の使い方をバランス良く点検する感覚も養われなかったのかも知れません。息子さんのH君も、体格や筋力がまだ育っていない事もあるでしょうが、若干右に傾く側彎症が入っている感じですので、そもそも「両足で真っ直ぐ立つ」と言う事が、普段から出来ていないのかも知れません。左右のバランスや「軸の意識」や「下半身主導」を基にした縦の感覚を重視する武術の訓練が、健やかな肉体造りに役立ちそうな気がしますし、それを人との関わりの中で繰り返す事で、日常に活きる対人感覚を養って欲しいなと強く思いながら、作務を終え帰路に着きました。