「理事長通信」カテゴリーアーカイブ

3月 理事長通信

合掌

 2011年3月11日、東北沖でマグニチュード9.0の巨大地震が発生、太平洋沿岸を巨大津波が襲い、東京電力福島第一原発事故が起きました。そして、2018年3月11日・・・。災害関連死を含む死者19,533人、行方不明者2,585人。復興庁によると今なお避難生活を余儀なくされている方が今年2月時点で約73,000人、そのうち約53,000人が仮設住宅での不自由な生活を続けられています。7年が経過した被災地では土地の嵩上げや防潮堤の建設が進み、復興住宅や商業施設も相次いで完成するなどハード面での復興は徐々にではあるが前進しているようです。しかし、被災地住民の方々ひとりひとりの暮らしや心の復興はどこまで進んでいるのでしょう。特に、福島第一原発事故の後遺症に苦しむ福島県の方々約34,000名が今なお県外避難中ということからも未曾有の大災害がもたらした後遺症はそう簡単には癒えません。自然災害の恐ろしさ、人間の無力さをまざまざと思い知らされた“東日本大震災”。各テレビ局からは様々な視点による追悼番組が制作・放映され、7年という時間の経過によってこれほどの未曾有の大災害であっても風化されつつある現状に警鐘が鳴らされる一日となりました。犠牲となられた多くの方々のご冥福をお祈りすると共に、被災されたすべての方々の心の平安を願うばかりです。愛知県連盟としては発生の翌年(2012年6月1日)から5年間にわたって現地を訪れ、被災状況や復興状況を見聞きすることや防災活動の在り方、減災知識の習得に取り組んできました。何よりこの災害を風化させないための継続的な活動を試行錯誤しながら取り組んできたところです。毎年開催する愛知県大会の参加賞に“福島県産のお米”を配らせていただいていることもその一つです。今後も継続して自分たちにできる取組みを模索しながら次世代に伝え続けなければならないと思っています。

 さて本日(3月11日)、岡崎市中央総合公園内武道館において「2018年考試員・審判員講習会」を314名(近隣県からの参加者含む)の参加者を得て無事に開催することができました。年1回開催されるこの講習会は、参加者資格が四段以上ということで県内の指導者層が全員参加する講習会でもあります。自身が昇格考試(昇級・昇段)や大会審判を担当するための自己研鑽の場としてだけでなく、各所属において拳士を指導する立場での必要な知識や情報を得る機会でもあります。しかし、年1回だけの機会で終わらせない取組みでなければなりません。継続して学ぶ機会、そして実際に考試員・審判員として役割を担う機会がなければなりません。現状、昇段考試員は毎月実施している考試員研修会の参加者の中から、そして大会審判員についても年に3回程度実施している審判研修会参加者から選抜しています。県内11ヶ所で開催される昇級考試や各市町での大会審判に加えて学生連盟、高校連盟主催の大会審判の派遣等、担当していただくには研修会参加者からという方向性は今後も変わりません。

2018年度から、これまで県連に委託されていた昇格考試に関する業務(具体的には毎月の昇格考試と年1回の考試員・審判員講習会等)と専門学校禅林学園閉校による愛知武専の運営を「愛知県UNITY運営委員会」という耳慣れない新組織で運営することが決まっています。考試・審判技術の向上と、過去5年間で学生数がほぼ半減している武専の活性化に取組むことが引き続きの課題になっております。考試員、審判員の資格者自身が積極的に自己研鑽の場を求めていただけるように毎月の研修会や武専の内容を今以上に魅力あるものに高めていかなければならないと痛感しています。昨日の講習会でもお話ししましたが、まずは毎月の昇段考試員と資格者を対象に行っている技術研修会を武専研究会授業と合体した形で実施することを検討しています。その時間枠の中で年3回くらいは審判研修も実施していく予定です。義務感や負担感を感じずに進んで参加できる研鑽の場を提供するためのアイデアやご意見をお寄せください。

先月号でも書きましたが、新設される組織については現時点で示されている内容が明確ではないと感じています。今回の運営母体変更についてまさか「内容的に従来からの昇格考試と武専運営をこれまでと同様にやるのだから何も問題ない」との認識であるとは思ってはいませんが、実際に運営する地方組織としては時間のない中で整理することも色々あり、年度末の運営が窮屈になっています。

組織機構改革で求められた“組織の区別化”とは何だったのでしょうか。

※少林寺拳法“グループ愛知”ポータルサイト構築計画に伴い以下のサイトが立上っています。

 

(愛知県連盟サイト:https://shorinji-aichi.jp/wp/kenrenにて紹介)

  ■11支部サイト掲載(スポーツ少年団・大学・実業団)

 

(愛知県教区サイト:https://shorinji-aichi.jp/wp/kyoukuにて紹介)

   ■54道院サイト掲載

 

再拝

2018 年 3月 11日

愛知県連盟理事長  多月 文博




2月 理事長通信

合掌

 自らの限界に挑戦し続ける姿は多くの人々の感動を呼びます。韓国・平昌で開催されている第23回オリンピック冬季競技大会には世界92ヶ国、約3000名の選手が15競技102種目にエントリーしており、日本との時差がないこともあって毎日よりリアルにそしてタイムリーに感動が届いています。“スポーツの祭典”とも呼ばれるオリンピックは個別の競技種目ごとの世界大会とは異なりそれぞれの競技が持つ独自性を目の当たりにすることもでき、この一瞬にかけてきた選手たちの思いや努力の積み重ねの大きさにも感動させられます。挫折からの復活、選手生命を断たれるような怪我からの復帰と、国を超え競技種目を越えて人間が持つ力の偉大さにあらためて気づかされます。大会はまだ終わっていませんが、日本選手で注目を集めた男子フィギュアスケートの羽生選手、女子スピードスケート500mの小平選手、女子スキージャンプの高梨選手をはじめメダルに手が届いた選手だけではなく、届かなかった選手、他国の選手も含めて参加選手全てから久々に爽快感がもたらされているように感じます。北朝鮮との政治色の色濃さが何かと注目を集め論じられ続ける今大会ですが、小平選手とこの種目の世界記録保持者でありオリンピック三連覇を目指した韓国の李相花のレース後のシーンが多くの人の感動を呼んでいます。競技であるいじょう勝者と敗者が生まれるのは当然のことですが、“勝つためにはどんな手段を使っても”という心の動きが生まれることは国際大会であっても同じ、むしろ強くなることさえあるのかもしれません。ロシアのドーピング疑惑も一つの象徴であるように思います。そんな中で、お互いの努力を認め合い、健闘をたたえあう姿はやはり美しく多くの感動を呼びます。その中心に日本人選手がいることに誇らしさを感じた日本人も多かったのではないでしょうか。

ある作文コンクールにおいて評価された小学校6年生の剣道少年の作品が目に留まりました。『残心』と題された文章の中にこんな一節がありました。

 

『僕は幼稚園の頃から六年間続けている剣道の稽古で、何百回いや何千回も残心という言葉を耳にしてきた。だが、その意味を深く考えずに過ごしてきた。“残す心”と書いて残心。先生が言うには技を打った後に腕を伸ばして抜ける。そして抜けた後には相手の方に振り返り、もう一度竹刀をスッと構え直すということだった。でも腕を伸ばすだけなら残心という言葉でなくてもいいような気がする。何で「心」という文字が入るんだろうと思っていた。・・・ぼくは先生の試合を見ていて、残心とは単なるポーズではなく心構えなんだと思った。剣道は相手がいるからこそできる武道だ。そのありがたさをお互いに感じ合い、どんな試合でも相手に感謝をする。それも残心だということが感じられた。僕の尊敬する先生は七段になってもまだ剣道について学び続けると言っていた。・・・まず今日からは残心の心を大切に持つことを意識して剣道に向き合っていきたい。』(新聞記事から一部抜粋)

 

「何のために少林寺拳法をやっているのか?」

私たちは身をもって「大切なこと」を伝えることができているのだろうか?

常に自らを振り返ることの大切さをあらためて思い知らされた気がしました。

 さて、先月号でも少し説明しました“武専の運営母体が2018年度より禅林学園からSHORINNJI KEMPO UNITY(以降、文中ではUNITYと表現)に移行される”ことに伴い、先日(2月17日)本山にてUNITYと禅林学園による「武専・UNITY運営会議」が開催されました。会議の詳細については2月25日に開催する所属長会議にて説明しますが、専門学校禅林学園の閉校、全国35地区の“武専コース”運営を各都道府県連盟に委託するのではなく「UNITY運営委員会」という新たな組織を作って運営するに至った経緯などが説明されました。今回の会議については、私にとっても昨年末からの急な展開もあって完全に理解できたとはとても言い難い内容ではありました。組織機構改革以降、その目的であった“組織の区別化”をより推進するためには多くの課題があり、“組織の一体感と組織の区別化”との相反する運営体制構築に苦心しながら現在に至っているわけですから、このタイミングで組織を新設して既存の業務の一部を新組織に移管するという根本的な判断も含めて理解できない部分が多くあります。特に、UNITY、宗教法人、一般財団法人の役割分担を根本的に理解することが今更ながら求められているような気がしています。愛知県から提出した事前質問は川島理事(UNITY)からの説明で大半は理解することができましたが、坂下教頭(禅林学園)からの「武専は金剛禅の教育。しかし安定的な施設確保を考えると宗教法人では難しい。よって教育内容から言っても一般財団でもなくUNITYが担うことが一番理にかなっている」という説明には違和感が残りました。

会議の全体を通して2018年度は試行的な位置づけで、2019年度からの本実施に向けて諸問題に対する方策を固めていくというような方針と受け止めました。運営規約も示されていない中での地方組織の新設。どういう形で2018年度の「愛知県UNITY運営委員会」活動内容を皆さんに示して認めていただくのかも全く見えていませんが、新年度のスタートを切らなければなりません。毎月開催される昇格考試、武専共に一部スケジュールの変更等はあるかもしれませんが、原則的には内容は変わらないと理解してください。昇格考試受験者、そして武専学生の皆さんに影響が出ないように早急に準備を整えていきたいと考えています。多くのご質問やご意見等が予想されますが、その都度わかる範囲で応じていきたいと考えています。引き続き、ご理解・ご協力をお願いします。

※少林寺拳法“グループ愛知”ポータルサイト構築計画に伴い以下のサイトが立上っています。

 

(愛知県連盟サイト:https://shorinji-aichi.jp/wp/kenrenにて紹介)

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(愛知県教区サイト:https://shorinji-aichi.jp/wp/kyoukuにて紹介)

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再拝

2018 年 2月 20日

愛知県連盟理事長 多月 文博




2018年 新年のごあいさつ

所属長の皆様へ

 

合掌

所属長の皆様におかれましてはよき年をお迎えのことと、心よりお慶び申し上げます。

旧年中は県連運営・県教区運営に対して様々なご指導・ご協力をいただきありがとうございました。心より感謝申し上げます。

 振返ってみれば昨年は、1月20日のトランプ・米大統領就任以来「米国第一主義」に翻弄されたかのような一年でした。北朝鮮問題や”エルサレムをイスラエルの首都とする”発言はその最たるもののひとつとして世界中に緊張感をもたらしていると言えます。一方国内に目を向ければ、近年まれに見る長期政権となった安倍政権が今年6年目を迎えました。政権を奪還した2012年以来ほぼ1年に1回行われてきた国政選挙は政権維持を目的とした場当たり的なそしてきわめて強引な政権運営としか思えません。世界に類を見ないスピードで進む超高齢化社会。北朝鮮問題の緊張感の高まりがあるにせよ、社会保障と財政改革という喫緊の課題を棚上げにするかのような防衛費優先のバランス感に大きな不安を覚えます。長期政権だからこそ近視眼的な政権運営には陥ってもらいたくないと思いますし、安倍総理の悲願と言われる「憲法改正」についても将来につながる提案内容であることを期待したいものです。今年は明治150年とメディアでも言われます。明治維新がもたらした最大のものの一つが「民主主義」です。昨今の政権運営からは「民主主義」の崩壊が危惧されています。過去の悲劇が繰り返されないことを願っています。

 

 さて、創始70周年の節目を経た少林寺拳法グループにとって2018年はまた一つ大きな変革を迎えます。草創期に少林寺拳法の圧倒的な拡がりを支えてきたものの一つに「武専(武道専門学校)」の存在があったことは言うまでもありませんが、物凄いスピードで拡大を続ける組織を支えるために全国各地の指導者養成機関として大きな役割を果たしてきました。その武専の運営母体が2018年度より禅林学園からSHORINJI KEMPO UNITYに移行されます。具体的には本部地区(岡山・徳島・香川・愛媛・高知県)と東京地区を除く全国35地区において地方組織となる「●●県UNITY運営委員会(仮称)」を設置して、現在各県連で行っている昇格考試と新たに武専の運営を主催することになるということです。既に、所属長や拳士に対しても通知が行われているところです。組織機構改革を経て地方においては県教区・県連という組織の区別化が明確にされましたが、新たにUNITY運営委員会(仮称)が設置されるということです。詳細は現時点でも明らかになっていませんが、県連に対して運営委員会の体制構築が求められています。愛知県は99%が道院で構成されていますが、組織の性格上県連が主体となって運営体制も県教区と一体感を持たせて運営にあたっています。今回、新しい組織が県連内に設置されるのではなく並列的に設置されることと、運営業務の一つ(昇格考試)が県連から移ることで様々な見直しが発生します。詳細不明、準備期間がない中での組織変更となりますが、武専学生の皆さんには極力影響が及ばないことを最優先に検討を進めていきます。ご理解をお願いします。

 また、ご存知のように2019年11月23・24日にスカイホール豊田(豊田市総合体育館)にて全国大会開催が決定しています。愛知県にとっては三度目の全国大会主管となりますが、遺漏のないように準備を進めていかなければなりません。

 

2011年に皆様からのご支持をいただき現職を拝命してからはや今年で8年目を迎えます。引き続き県内各所属の活性化に向けて試行錯誤を繰り返しながらの取組みとなりますが、皆様との十分な対話を心掛けてこれまで以上に風通しの良い、そして柔軟な組織運営を目指していきます。

愛知県連盟・愛知県教区にとって充実した一年となるよう引き続き皆様のご理解・ご協力をお願い致します。

 再拝

2018年1月吉日

愛知県連盟理事長 多月 文博

愛知県教区教区長 林  正義

 

 

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12月 理事長通信

合掌

 今年のノーベル平和賞の授賞式が10日、ノルウェーのオスロ市庁舎であり、核兵器の開発や使用などを法的に禁じる「核兵器禁止条約」の国連での採択に貢献したことが評価された国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN〈アイキャン〉)にメダルと証書が贈られ、ICANのベアトリス・フィン事務局長と広島での被爆体験を証言してきたカナダ在住のサーロー節子さんが改めて各国に核廃絶への協力を呼びかけました。北朝鮮の核開発問題がICBMの発射実験によってより現実味を帯びて深刻化する中でトランプ米大統領の発言、それに歩調を合わせる安倍首相の発言、そして何の議論も行われずに検討に入ったとされる航空自衛隊の戦闘機に搭載する射程数百キロの巡航ミサイル導入計画等々、核兵器禁止条約にも署名・批准しない立場をとり、「核兵器国と非核兵器国の間の信頼関係を再構築し、核兵器国もしっかり巻き込む形で現実的で実践的な核軍縮の取り組みを粘り強く進めていきたい」とする世界で“唯一の戦争被爆国”である我が国の『核廃絶』に向けたスタンスについては浅学菲才の私にはとても理解のできない部分ではあります。当然のことですが、「良いことは良い、悪いことは悪い」と単純に言い切れない外交の難しさ、戦略的な部分が全てを曖昧な形にせざるを得ないのでしょうか。

さて、“少林寺拳法創始70周年”を迎えた2017年も残すところ1ヶ月足らずとなりました。今年一年を振り返ってみますと、県内では3月末をもって藤田昌三先生(熱田道院)をはじめ森健太郎先生(江南道院)、佐々木繁士先生(尾張瀬戸道院)、加茂雅久先生(尾張守山道院)が道院長を交代されて後進に道を託されました。加えて5月には名法道院・高橋法昇先生(初代愛知県連盟理事長)、10月には豊橋道院・徳嶋繁先生(二代目愛知県連盟理事長)のお二人が急逝されました。特に、徳嶋先生はご自身が監督を務められていた愛知大学少林寺拳法部の周年行事の最中に倒れられ、そのまま帰らぬ人となられました。この地方に少林寺拳法の種をまかれ、先頭に立って各地への普及に奔走された先生方の大いなる決断、そして生涯を閉じられたお二人の先生方に対しては「本当にお疲れ様でした」以外に言葉が見つかりません。2017年は愛知県少林寺拳法連盟にとっても大きな節目の年になりました。言われはじめて久しい指導者の高齢化、拳士数の減少化傾向に歯止めがかからない現状は当然のことながら廃院を決意されるきっかけの一つとなることもあり、後継者を育て円滑に道院長交代するのではなく、廃院を決意し手続き準備をされている道院長も実際には複数名いらっしゃいます。その中には、毎回毎回誰も来ない修練場所で一人作務を行いひたすら基本演練を繰返す日々もあったとか。そんな日々に自ら終止符を打とうと決心された道院長もいらっしゃるということですから、その心情は察するに余りあるものです。振り返ってみると、組織機構改革を経て普及・布教の現場を取り巻く環境は一変しました。コンプライアンスの観点から一定の条件を満たさなければ道院が公共施設を使えないことは理屈ではわかっていてもなかなか納得できないのが道院長の偽らざる心情でした。費用も含めていろんな説明をしなければならない入門時のハードルの高さは道院長のモチベーションを著しく下げてしまいました。しかし、入門しないまでも見学者が来る、体験希望者が来るということだけでもこの取り組みへの情熱を保ってくれたものです。しかし、それもなくなり兆しさえ見えなくなった時にどこまで気持ちを繋ぎとめることができるか・・・導き出された選択肢が“廃院”だったということです。私たちは常に現状を見据えて分析、対応を考えていかなければなりません。例えば、圧倒的に露出度が減った私たちの活動を少しでもPRするためにと“ポータルサイト”(以下にアドレスを表示)を構築しました。普及・布教活動現場の“見える化”によって「点」の取組みを「面」で対応しようとの試みです。地域性があるかもしれませんが確実に効果が表れてきた道院もあるので方向性は間違っていないと確信しています。手法はいろいろあるでしょうが、“少林寺拳法の本質を広く知ってもらう”取組みがもっともっと必要だと感じています。また、それに付随して公共施設の使用頻度を高めることに関しては、“少子高齢化”という社会環境の変化があるにせよスポーツ少年団の立上げを促進することで対応しようとしています。後継者育成に関してもつながる取り組みだと考えています。見方を変えると、高齢化が進む道院長交代は非常に難しいという現実があるということです。

 私たちの取組みは一過性のものではありません。“少林寺拳法とは何か?”何を目的にしているのか・・・何を目指しているのかを明確にして取り組んでいかなければなりません。社会は今、「自分さえよければ良い」とする内向きの世界に向かっています。そんな中で「半ばは他人のことを考える」という社会を目指します。

「2019年少林寺拳法全国大会」は2019年11月23・24日にスカイホール豊田(豊田市総合体育館)にて開催することが決定しています。1984年の愛知県体育館、2004年のナゴヤドームに続いて愛知県連盟にとっては3回目の全国大会開催となります。少林寺拳法を広く知っていただく機会にすることはもちろん、創始70年を経てあらためて開祖の“志”を繋ぐ意味を実感できるような機会にしたいと考えています。県内が一丸となっての取り組みを目指します。

 今年一年間、県連・県教区運営にご協力いただいた全ての方々に感謝申し上げます。

再拝

 
 

 

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2017 年 12月 10日

愛知県連盟理事長 多月 文博




11月 理事長通信

合掌

 先月の二週続けての週末台風通過以降、木々は紅葉から落葉へとこのところ一気に季節が秋から冬に向かいつつあるように感じます。木々の葉が散る頃、山茶花(さざんか)の花が咲き始めます。山茶花の原産地は日本の九州や四国地方。どちらかといえば暖かい地方の花ですが、この地方などでも寒さに耐えて花を咲かせることから、庭木や生け垣に広く利用されています。椿とよく似ていますが、山茶花は花びらが散り、椿は花ごと落ちるという違いがあるということです。花言葉は「ひたむき」。寒さの中で咲く姿がとても美しい晩秋の花ですが、「ひたむき」という花言葉と共に季節を象徴する花として個人的には印象深い花の一つとなっています。

 さて、毎年八月にジュネーブ軍縮会議で核兵器廃絶を世界に訴えてきた日本の高校生平和大使の演説が今年見送られたことに関し、核保有国とみられる一部の加盟国が高校生にスピーチさせないよう日本政府に圧力をかけていたことが今朝の朝刊で報じられていました。同じ紙面では特定秘密保護法などで萎縮していると指摘される日本の「報道の自由」を懸念するという国連人権理事会の意見が掲載されている等、“言論の自由”や“報道の自由”といった社会生活の中で守られるべき基本的な権利が損なわれつつあるという論旨が目につきました。ただ、ヘイトスピーチにみられるように個人・集団に対する貶めるような攻撃的な発言や、暴力・差別を扇動する目的での主張は匿名化やインターネットという媒体を使ってますます攻撃性を高め威力を増しており、“言論の自由”の名のもとに正当化されていることも事実です。いずれにしても「自分さえよければ」という内向きの世界が蔓延している中で「自他共楽」を実践しようとする私たちの取組みを決して後退させてはならないと感じています。

 2017年も残すところ1か月半となりました。創始70周年の記念事業として今月開催された「ブルースカイキャンパスin多度津」のイベントに愛知県連盟(執行部三役を中心に)として11月3日(金)~5日(日)の三日間参加しました(県連ポータルサイトに掲載済み)。期間中は天気にも恵まれ、本山駐車場に設置された各県の名物料理を紹介する出店エリアで“ひつまぶし”を提供してきました。4日の午後と5日午前中の営業時間内で当初目標の400杯を完売し、いちはやく帰路につきましたが、日曜日の渋滞は甘くなく、結局9時間近くかけてやっと名古屋駅前にたどり着くという強行軍となりました。行動を共にしていただいた道院長各位、幹部拳士には心より感謝申し上げます。

 さて、来年度以降の組織運営について所属長の皆さんからご質問をいただいています。道院長の「マイページ」に掲載された全国理事長会議資料の内容に関してのご疑問なので、私の理解の範疇で説明を加えておきます。

一つは次年度以降の武専運営についてです。「武専がなくなるのか?」という質問を受けました。現時点での説明としては、(専)禅林学園の閉校に伴い武道専門コースは本年度をもって閉講し、2018年度からはUNITYに移管されますが在学拳士は今の制度のもとで次年度も続けてUNITY主催の武専コースにおいて学ぶことができるということです。さらに2019年度からはUNITYから都道府県連盟に運営が委託される方向だということです。詳細については今後随時ご説明していくことになります。

 もう一つは新団体会員の設置についてです。「公共施設で支部を開設できるらしいね?」という質問があります。9月度の所属長会議でも決定前の話としてご説明しましたが、各県市区町村の体育協会から委託されて公立体育館や公立武道館で開催する「少林寺拳法教室」(但し、年間通して恒常的に開催するケース)について支部として設置を認めるということです。設置のための細かい条件はたくさんありますが、平たく言えばこういう内容です。決して“公共施設で地域一般支部が設置できる”ということではないことをご理解いただきたいと思います。

 この2件の内容について詳細説明を希望される所属長は、県連事務局あてにお問い合わせください。

 再来年の2019年11月23日~24日、スカイホール豊田(豊田市総合体育館)にて全国大会を主管することが決定しました。総力を挙げて取り組んでいきます。全ての県内拳士のご協力をお願いしたいと思います。

再拝

 
 

 

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2017 年 11月 16日

愛知県連盟理事長 多月 文博




10月 理事長通信

合掌

 晩夏から初秋にかけて、野草に宿る冷たい露のことを「寒露」というそうです。10月は「白露」「寒露」、そして「霜降」へと、露から霜に移り変わっていく時季です。ところで、2000年までは、10月10日が「体育の日」でした。東京オリンピックの開会式を記念して制定された祝日です。10月というのは、夏季オリンピックの開会式としてはかなり遅め。これは「秋霖」、つまり秋の長雨が明けるのを、ぎりぎり早めに見込んで、晴れる確率も高く気候も良いこの日を選んだということだそうです。今では体育の日も10月の第二月曜日になっているため、ともすれば忘れがちになってしまう祝日ですが、運動会や秋祭りが昔からたくさん開催される時季でもあります。「秋晴れ」というように、晴れれば抜けるような雲一つない青空。気持ちよく、爽やかにといきたいところですが今年はこの季節には似つかわしくない真夏日や一気に気温が下がるなど、お天気が変わりやすいのもこの時季の特徴とは言え、寒暖差の大きい日が続きました。10月22日投開票の衆院選もいよいよ終盤戦に入りました。安倍政権に対して想定外の先制パンチを繰り出した形になった小池百合子東京都知事率いる希望の党の出現でしたが、安倍政権打倒で一致しているはずの野党同士の距離感が明確になりつつある中で見えてくるのはやはり国民不在の党利党略戦であるということではないでしょうか。衆院解散の理由にしても各党公約にしてもそもそもの発端ともいえる一連の安保法制や共謀罪の成立、“忖度”という言葉が注目された一連の疑惑解明等々、完全にどこかに吹き飛ばされた気がします。突如浮上してきた感がある「消費税の使途変更」や「教育の無償化」について対決軸を明らかにするため各党公約までが振り回されているような気がしてなりません。問題点をきちんと振り返って総括した上で将来に向けてどうしていくのかという手順が飛ばされています。まさに、問題隠しの手法が国家レベルで行われていると言わざるを得ないように思えます。特に、教育無償化を改憲論に絡めるなど世論の誘い水として利用しているとしか思えません。北朝鮮との緊張がこれ以上ないレベルまで高まっている状況ですが、この国にとって最良の結果が出ることを願うばかりです。

 さて、10月7日に全国都道府県連盟理事長会議が開催されました。議題は大きく分けて組織の活性化に向けた活動方針の再確認と具体的な取り組みについての提案、そして拳士数の減少化傾向への対策内容についてでした。詳細については当日の会議資料もすでにマイページに掲載されているので別の機会にご報告したいと思いますが、もう一つ重要な案件が出されました。昨年10月に開催された大分県での全国大会以降、2018年全国大会は群馬県高崎市で開催されることがすでに決定しておりましたが、2019年から先が決まっていない状況でした。例年ですと3年先まではほぼ確定しているのですが再来年以降が開催県の候補すら上がっていないということで会議の席上で再度立候補が呼び掛けられましたがやはりどこからも手が挙がりませんでした。状況いかんによっては立候補しなければならないことも覚悟してこの度の会議に臨みましたので「皆さんのご了解が得られれば」ということで立候補させていただきました。2019年全国大会は愛知県が主管することに決まりました。最大の課題である開催会場については豊田市にある「スカイホール豊田」に絞って対応を開始しています。私自身にとっても15年前のナゴヤドームでの全国大会以来の担当となりますが、立地条件を生かした愛知県らしい大会にしたいと考えています。来年8月には西尾市でインターハイ、再来年11月(予定)に豊田市で全国大会と、三河地方での大規模大会の開催が続くことになります。県内の活性化に繋がるような、そして何よりも県内拳士の総力を結集できるような大会を目指していきたいと思います。2年間という準備期間を有効に活用して広くアイデアを求めながら進めていきたいと考えています。

引き続き、所属長はじめ拳士各位のご理解、ご協力をお願いします。

 私事で申し訳ありませんが、全国理事長会議翌々日の深夜(9日)、母が他界しました。会議の翌日(8日)に実家のある兵庫県姫路市内の病院に立ち寄り、夜までそばにいて多治見に帰宅した3時間後に病院からの緊急連絡でした。大事な全国会議が終わるのをまるで待っていてくれたかのような旅立ちでした。「本当の強さは優しさを貫くこと」と背中で示し続けてくれた母を追い続けることができなくなった寂しさはありますが、9月初旬に余命1ヶ月の宣告を受けてから丁度1ヶ月、最期まで周囲に感謝し続ける生き方を見せてくれた母に感謝です。総裁をはじめ本山・本部、県内所属長の皆様からたくさんのご弔詞や供花、弔電を賜りました。本来であればお一人おひとりに直接お礼申し上げなければならないところ、紙面をお借りして心より皆さん方にお礼申し上げます。ありがとうございました。

再拝

 

 
 

 

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2017 年 10月 18日

愛知県連盟理事長 多月 文博




9月 理事長通信

合掌

 「人、人、人、すべては人の質にあり」

安倍首相が衆院の解散を表明した。6月に野党が憲法53条に基づいて要求した臨時国会召集の要求を、3ヶ月余りも放置した挙句、今月28日に召集する臨時国会の冒頭解散だという。8月に内閣を改造しながら首相の所信表明演説や代表質問を一切せずにである。「北朝鮮と少子高齢化という国難突破の解散」と取ってつけたような解散理由を説明するが、森友・加計問題をはじめとした自らを取り巻く現状を突破する解散だと大半の紙面が一斉に論評している。少数派の意見に耳を傾けることなく民主主義と立憲主義を軽んじる5年間に及ぶ安倍政権の姿勢そのものが問われる総選挙になってほしいと多くの国民が願っている。数を頼りに傍若無人とも思えるような政権運営を進めてきた安倍政権。10月10日公示、22日投開票で行われる国政選挙で私たちはしっかりと意思を示さなければなりません。

 さて、2018年全国高校総体(インターハイ)が東海四県にて開催(2018 彩る感動 東海総体)され、少林寺拳法競技は8月1~5日に西尾市総合体育館にて行われることが決定しております。開催に向けて着々と準備が進められている状況ですが、『2019年少林寺拳法全国大会』を愛知県連盟が主管できないかという話が持ち上がってきています。ご承知のように来年2018年は群馬県連盟の主管で開催することが決まっていますが、2019~2021年については現時点では未定の状況です。今年4月に開催された全国都道府県連盟理事長会議においても主管連盟の募集が議題に上っており、連盟本部は開催2年前を決定期限と定めて全国に主管連盟の呼びかけを行ってきました。しかしながら、なかなか手を挙げるところがない状況が続く流れの中で、愛知県連盟に対して非公式に打診、協力要請があり、急きょ執行部にて検討しなければならない展開となりました。“組織の構成団体である立場からすると拒否する選択肢は物理的に困難な要因がない限りはありえない”との結論に達し、早急に所属長の意見を求めるために9月24日の所属長会議に至ったわけです。会議では執行部に一任するという形で皆さんからの信任を得ることができました。あくまでも、10月7日開催の全国都道府県連盟理事長会議での状況判断となりますが、会議の当日までにどこからも手が上がらない場合は愛知県連盟が主管することになります。仮にそうなった場合に最大の課題となるのは会場の確保です。2年後の開催となると時間的に非常に厳しいタイトな取り組みとなります。愛知県体育館の老朽化、ガイシホールの改修工事期間と重なること等、いきなりの難題と向き合っていかなければならない状況です。拳士数の減少傾向にはなかなか歯止めがかからない状況ではありますが、組織の活性化のためには“全国大会の火”を消すことはできません。大規模県連としての役割をしっかりと果していかなければなりません。“その時その時にできることを精一杯”の取組みを続けることこそ開祖の志に沿うことだと信じています。愛知県内の拳士が一体となって取組んでいけるように、そして次の世代にしっかりと繋ぐことができるようにしていかなければなりません。

 今後とも、所属長をはじめ県内全拳士のご理解、ご協力をお願いいたします。

再拝

 

 
 

 

※少林寺拳法“グループ愛知”ポータルサイト構築計画に伴い以下のサイトが立上っています。

 

(愛知県連盟サイト:https://shorinji-aichi.jp/wp/kenrenにて紹介)

  ■11支部サイト掲載(スポーツ少年団・大学・実業団)

 

(愛知県教区サイト:https://shorinji-aichi.jp/wp/kyoukuにて紹介)

   ■54道院サイト掲載

 

 

2017 年 9月 26日

愛知県連盟理事長  多月 文博




8月 理事長通信

合掌

 7月29・30日にアメリカ・カリフォルニア州サンマテオで開催されていた世界大会での愛知県内拳士の活躍が、31日朝に速報で入ってきました。早速、県連ホームページにアップして皆さんにお知らせしました。今大会には、愛知県大会(6月に開催)でも演武披露でご紹介しました9名(実際には、全国実業団連盟枠で選抜されたデンソー所属の拳士2名を加えると総勢11名が世界大会に出場)の拳士が昨年の全国大会(大分県別府市にて開催)を経て日本代表として出場されました。結果はお知らせしたようにそれぞれの出場種目において最優秀賞を受賞されました。出場拳士並びに関係者各位に対して心よりお祝いを申し上げると共に、これまでの研鑽にあらためて敬意を表するところです。創始70周年という節目の世界大会でもあり、今後の世界大会の在り方ももしかしたら検討されるかもしれない(個人的な見解ですが)というタイミングで素晴らしい成果を挙げていただきました。大会結果が全てではありませんが、拳士一人ひとりにとってかけがえのない貴重な体験となったことでしょう。今後の修行の糧としていただき、一層の研鑽を重ねていっていただきたいと思います。お疲れ様でした。

 さて、「1強」を背景に強硬な政権運営が批判を浴び、改造を余儀なくされた内閣ですが、度重なる閣僚の問題発言もさることながら、政権にとって不都合な証言などには向き合わないという姿勢が際立っていました。一般社会では到底看過されることのない“知らぬ存ぜぬ”(“記憶がない”“認識していない”等々)のやりとりが延々と続いたばかりか、事実を解明するための証拠となる記録が全て廃棄されているという事態に至っては、まさに常軌を逸しているとしか言いようがありません。信頼・信用を取り戻すと言っても問題の核心に蓋をし、“内閣改造”という名のもとに陳列商品のリニューアルやそれに伴って不具合があった商品を店頭から廃棄処分したところで消費者の目線はそう簡単には変わらないということを早晩知ることになるでしょう。

 世界大会に続き、国内では今日から全国高校総合体育大会(インターハイ)“南東北総体2017”で少林寺拳法競技が始まりました。あわせて日本武道館では“全日本少年少女錬成大会”、そして、再来週末には全国中学生大会が石川県で開催されます。「単なる武道でもスポーツでもない“行”としての少林寺拳法」を、少林寺拳法を知らない方たちに知っていただく絶好の機会でもあります。少林寺拳法の目的とするところは何か? 日々の実践で私たちが目指しているものは何なのか? は、非常に見えにくいところでもあります。

全ての行動には必ず「目的」が伴いますし、少林寺拳法を行じる私たちにとってはその「目的」、そしてそのための「質」は重要なキーワードです。他の競技種目と横並びの中でその独自性を如何に知っていただけるか? インターハイでの高校拳士の一挙手一投足に注目が集まることでしょう。

 部内では、拳士数の減少がとかく話題になっています。もちろん多くの方に素晴らしさを知っていただき、目指しているところを理解していただくことが普及につながるわけですが、課題となるのはこの取り組みは一過性のものでは決してないというところではないでしょうか。私自身、まずは継続させるため、永続させるために何を発信し続けなければならないのか? 果たして発信できているのだろうか? という振り返りと共に悩みの種が尽きません。気がつかないうちに自分の立ち位置を変えてしまっているのかもしれません。『自己確立』『自他共楽』の理念に基づく実践あるのみと日々言いきかせる毎日です。

 8月は県連行事が唯一ない月です。大会や昇級考試といった各市町の活動や全国規模の行事しかありません。猛暑、酷暑と言われる毎日ですが、体調管理には十分に留意され、9月以降再開される県連活動へのご協力を引き続きお願いします。

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2017 年 8月 4日

愛知県連盟理事長  多月 文博




7月 理事長通信

合掌

 注目を集めた東京都議会議員選挙でしたが、大方の予想をはるかに超える自民党の歴史的な惨敗という結果に終わりました。投票率は51.28%と前回の43.5%を8%近く上回り、『安倍1強』と言われるこのところの政権運営の手法に対する国民の意思表示の場としての位置付けもあって、都民の関心の高さがうかがわれました。強引と言わざるを得ない国会運営に対する批判、投票日直前の稲田防衛相の失言や下村・自民党都連会長の加計学園が絡む政治献金疑惑等々、一連の閣僚や国会議員の失言、暴言等の不祥事を含めた問題行動は言うに及ばず、そもそも議員本人の資質が問題視される事象もあって、小池都知事率いる「都民ファーストの会」への信任というより自民党への批判感情が噴出した結果だというのが今回の選挙評となっています。都議選での大敗、支持率の急落を受けてやむなく本日10日に開催された“閉会中審査”でしたが、参考人として出席した前川・前文科省事務次官の紙資料など一切持たず、まっすぐ前を向いて淡々と、しかも理路整然と答弁する姿とは対照的に政権側の答弁は相変わらず的外れで官僚作成の答弁書を延々と読み上げるなど、時間稼ぎと争点ぼかしが一層募るやり取りだと感じられました。大阪府の森友学園への国有地格安払下げ問題もそうですが、公文書管理を含めた行政の在り方がどう見てもおかしいという印象を国民の大半が感じているなかでも明確な説明がなされないということは、裏返せば説明できない後ろめたさが存在すると思わざるを得ません。物議をかもしながら禁じ手を使ってまでも成立させた「共謀罪」の構成要件をあらためた「テロ等準備罪」の新設を柱とする改正組織犯罪処罰法が明日11日に施行されます。特定秘密保護法(2013年)にはじまり安全保障関連法(2015年)、改正通信傍受法(2016年)、そして共謀罪(2017年)と、現政権4年間の歩みはこの国に短期間で「戦争ができる体制」を整えたともいえます。現閣僚のほとんどが参加している政治団体『日本会議』の思想、2018年度にまず小学校から始まる道徳教科化に関連して、教育勅語については「憲法や教育基本法に反しないような形で道徳教育の教材として用いることまでは否定されない」との答弁書も閣議決定されています。憲法改正へのあくなき執念を見ても政権はこの国をどこへ導こうとしているのでしょうか?

 さて、今年は“少林寺拳法創始70周年”の節目の年です。1947年、開祖は敗戦直後の混乱期に「人づくりによる国づくり」を唱え、自分が生きることで精一杯の社会環境の中で「半分は他人のことを考える」ことの大切さを訴えて、その思想と技法は瞬く間に広がりました。開祖が問い続けたものは“人間とは?”“社会とは?”“宗教とは?”そして、”人々を本当に幸せにする道とは?“であったように思います。そして、「正しい仏法と現在社会を結ぶ新しい道」として少林寺拳法が誕生し、”金剛禅の教え“と”宗門の行としての少林寺拳法“と”組織“が今に遺されたわけです。今を生きる私たちは、少林寺拳法の修行を通して「本当に大切なものを見失わない生き方」を身につけていかなければなりません。世界規模でみると私たちの取組みはほんのささやかな取り組みかもしれません。しかし、開祖の志に共鳴してこの道を歩むかぎりは本来の目的を見失うことなく個々の点を線に、そして面に拡げていかなければなりません。世界は今、自分さえよければ良いという方向に流れようとしています。日本においても”戦前回帰“が声高に叫ばれる現在、「良いことは良い、悪いことは悪い」と言うことができる自信と勇気と見識を身につけること、身につけさせることが修行の目的に通じるとことであり目指すところだと思っています。修行とは日々努力すること。それが自分を変え続ける唯一の方法であることを自身肝に銘じておきたいと思っています。

2013年6月、アメリカの元情報局員エドワード・スノーデン氏によってアメリカ政府のインターネットを通じた世界規模の監視体制構築の実態が暴露されたのは記憶に新しいところですが、関連書にこんな一文がありました。

「理念のために立ち上がることは、時にリスクを伴う。不正を暴くために自分の人生を完全に変えることを、誰もができるわけではない。しかし、私たちはみな人生のどこかで、易きに流れる道と正しい道のいずれかを選ばなければならない場面に出会う。私たちにはみな、小さなリスクを取ることで社会をよりよくすることができる機会があるはず。安全を求めてではなく正しいがゆえに行動する機会があるはず。」(「スノーデン日本への警告」より抜粋)

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2017 年 7月 10日

愛知県連盟理事長 多月 文博




6月 理事長通信

合掌

 6月11日、愛知県体育館にて予定通り『少林寺拳法創始70周年記念 東日本大震災・熊本地震 復興支援 2017年愛知県少林寺拳法大会』を開催することができました。出場拳士は昨年より若干少ない1,141名。今年は本山・本部からの臨席者はありませんでしたが、例年通り小山会長(中日新聞社常任顧問)はじめ夏目和良顧問(中部日本放送相談役)、石黒大山顧問(東海テレビ放送代表取締役会長)、加藤之啓顧問(デンソー専務役員)他、日頃より変わらぬご支援をいただいている方々のご臨席をいただきました。今年は例年の県大会とは異なり全国大会にはつながらない大会であったため(全国中学生大会出場者は選抜)、出場拳士数の減少が心配されましたが、ほぼ例年通りの出場拳士を得ることができました。例年出場拳士が少ない種目については出場資格範囲を拡げたり、“先生と演武を組んでみたい”という拳士の要望に応えて新たに「所属長と拳士の部」を設けました。結果的にこの種目に15所属からの申し込み(団体演武を含む)があり、審査せずに演武披露という形で観客席の皆さんに見ていただきました。高校生・大学生に交って所属長が必死に団体演武をこなす姿あり、所属長に抱っこされてコートに立つ少年拳士とのほほえましい演武ありと、修行の在り方としての大切な一面を見た思いでした。恒例となった『愛知県少林寺拳法連盟アトラクションチーム』の登場に食い入るように目を輝かせる少年部拳士たちの姿。BGMに乗ってスピーディーに繰り出される剛柔一体となった技の数々、一転してコミカルな寸劇、最後はチーム全員による迫力ある団体演武等、会場が一体感に包まれたひとときではなかったでしょうか。

 さて、今大会は運営の要ともいうべき採点・集計システムが途中でダウンし、運営面で大きなトラブルを起こしてしまいました。出場拳士並びに早朝より拳士の一挙手一投足を見守っていただいた保護者の皆様をはじめ関係者の方々に多大なご迷惑をおかけする結果となってしまいました。大会実行委員会を代表して心より深くお詫び申し上げます。大会運営の根幹をなす採点・集計システムの運用については事前にオペレーターの研修会を行う等、シミュレーションを繰り返して万全の状態で大会当日を迎えたはずでした。しかし、最終的にデータを突合する段階でトラブルが発生し、急遽手作業に切り替えて最終結果を出して発表にこぎつけましたが、システム上で反映させなければならない総合点からの減点が当然のことながら最終結果に反映されていなかったり、手作業ゆえの転記ミスや勘違い、印刷工程への移行ミス等々が重なってしまい、種目によっては事実と異なる順位も含めた結果発表となってしまいました。トラブル発生の一報が届いたのはアトラクションが始まったタイミング。会場からの完全撤収5時を守ることも考慮のうえ、その時点での運営目標を「大会結果の発表」に設定して手作業での作業時間を集計チームで推定した結果、“所属長と拳士の部”の演武披露を組込んでもそれ以上に+15分程度はかかるとのことでした。不正確な結果を発表することで以降も混乱を抱えるリスクをとるか、結果発表は後日ということで成績発表しないで大会を終えるかの選択に迫られましたが、会場で皆さんにお詫びしたように“結果発表する”という選択をしました。当然ですが、大会終了後からは結果に関するご意見がいくつか寄せられています。一つ一つに答えることはできていませんが、まずは正確な結果を発表することを最優先に取組み、皆様方に一刻も早くお知らせするために精査しているところです。場合によっては、会場での表彰内容と異なる結果が出てくる種目もあるかもしれません。その時の対応をどうするかについては別途所属長の皆さんに提案させていただきます。

 毎年開催している県大会ですが、毎回反省点が出てきます。同じ失敗を繰り返さないことは当然のことですが、出場拳士の皆さんが安心して修行の成果を発揮できるように取り組んでいきます。今後ともご協力をお願いします。

 
 

 

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再拝

2017 年 6月 12日

愛知県連盟理事長 多月 文博