合掌
連日報道されるコロナウイルスの感染者数。感染拡大を防ぐ手立てはどうしても後追いにならざるを得ないことも理解はしているものの、日々急激に感染拡大していく状況に絶望的な気持ちにさせられる方々も多いと思います。立地的に感染症対策(水際対策)は島国には利点があると言われますが、1月29日現在での1日当たりの感染者数を見ると、日本と同地域で同じ先進国のニュージーランドが155人、台湾が47人、そして日本は8万人を超えている状況です(※2月2日現在ではさらに増えて94,913人)。単に、女性が国のトップに立ってリーダーシップを発揮するニュージーランド・台湾の両国と日本のリーダーとの違いと見るわけにはいかないでしょうが、歴然とするこの差をどう捉えればいいのだろうかと思ってしまいます。国の意思決定の仕組みの違いや国民性等々、様々な理由もあるのでしょうが、つまるところどうしても行きつくところは「人、人、人、すべては人の質にあり」という開祖の言葉、金剛禅の出発点に帰結してしまうように思えます。
振り返って、自分たちの判断、決断はどうだったのかはその都度検証しながら次に備えていかなければならないと思っています。今回、2月13日に開催予定だった昇格考試と武専の中止を2月2日に決定して皆さんにお伝えしたところです。約10日前の決定がタイミングとしてどうだったのかは執行部の中でも意見が分かれるところですが、基本的な考え方としては施設側が使用制限を設けない限りは開催する方向性を持ってこれまで臨んできました。開催当日の市中の感染状況はもちろん、他団体との共用の有無、感染対策の内容(レベル)、運営スタッフを含めた行事への参加者数に加えて参加者の意思確認、昇格考試であれば準備期間の確保状況、武専であれば他県からの派遣指導員との調整等々。本山・本部との細かい調整も含めての開催可否の判断に至ります。コロナ禍での行事開催は「無責任極まる」「社会に迷惑をかける行為」との厳しいご指摘もありましたが、どうすれば開催できるかを検討してきました。そんな中で今回中止の決断に至った理由の一つに、ここへきて複数の道院で感染者が出始めたことです。お子さんの発熱からの感染で、しかも当人は無症状だったという点です。あらためて無症状の感染者が普通に生活していることを考えると感染リスクは想像以上だと今更ながらあらためて認識させられました。1月に追加開催して何とか年間6回開催にこぎつけた矢先の武専の貴重な1回、年度変わり目前で新中学生の特例措置が絡んでくる昇格考試と、コロナ禍の中でもいずれも開催する方向で検討してきましたが、諸般の事情を考慮して今回「中止」の結論とさせていただきました。
会員各位におかれましては諸々ご理解くださいますよう心よりご協力をお願いします。
※忌憚のないご意見を県連事務局にお寄せください。
2022.2.3
愛知県少林寺拳法連盟 理事長 多月 文博
(愛知県UNITY運営委員会委員長)