「理事長通信」カテゴリーアーカイブ

2019年9月 理事長通信

合掌

 不寛容が先に立ち異文化摩擦や大国の自国第一主義が目に余ります。先日、トランプ大統領がデンマークのフレデリクセン首相との“デンマーク自治領のグリーンランド売買”についてのやり取りの不満から、デンマークへの公式訪問を急遽中止すると表明しました。一国の大統領が相手国の「発言が気に入らない(アメリカに対してそんな口のきき方はない)から訪問を中止した」とのコメントにはただただ呆れるばかりです。今、日本国内で社会現象となっている感がある“あおり運転”と大差ないことをアメリカ大統領がごく自然に行っているように私には思えてなりません。世界規模で内向きの社会が構成される中、国の内外を問わず“分断”や“対立の先祖返り”が常態化してきています。「使える核兵器」と言われる小型核の開発に余念がない状況。米ロの中距離核戦力(INF)廃棄条約が失効したばかり。同じく新戦略兵器削減条約(新START)は2021年の条約失効までに継続合意がなされなければならない状況等々。トランプ政権、プーチン政権、習近平政権による世界の覇権争いの中心には依然として“先祖返り”の核戦力増強が見えてきます。そんな状況の中で「唯一の戦争被爆国」である日本のとるべき道はやはり核兵器禁止に向けた確固たる意志を示す以外の選択肢はないように思うのですが・・・。

さて、前述の“あおり運転”はネット上に“悪質行為のデータサイト”まで登場してくるなど、今も続々と被害情報や目撃情報が寄せられている状況になっています。法整備が急がれるところです。また、それと並行してSNSによる情報拡散の被害(今回の事件に関するデマ情報によって発生した人権侵害の問題)についても大きな問題となっています。利便性や手軽さから言えば私たちの生活環境は激変しました。途方もない便利さを手に入れた私たちは同時に人としてかけがえのないものを失う危険性と背中合わせだと思います。そんな中、長い夏休みを終えて小中学生が新学期を迎えます。二学期制を採用している学校以外は9月1日が始業式となりますが、この9月1日は近年、一年間で子供の自殺が一番多い日と言われています。今年はその日が9月2日になりますが、夏休み明けの始業式の日です。小中学生の自殺に関する原因の最上位に位置するのが「SNS」による個人攻撃です。ある意味、直接手を下すことなくバーチャルの世界で手軽に相手を攻撃することができるツールということなのでしょう。少なくても自分たちが関わる世界で不幸な出来事は防がなければなりません。と同時に、所属拳士にも自分たちの役割としてどうあるべきかも考えさせ、会話を重ねていくことで理解させていかなければなりません。助けるつもりが当事者になっていじめの標的にされることもあり、難しい問題ではあります。単純に正義感だけで片付く問題ではないことを私たち指導者も十分に認識して慎重に子供たちを守っていかなければなりません。何よりも保護者との信頼関係も欠かせませんね。

全国大会への道のりがいよいよ佳境に入ってきました。実行委員会は当然ですが、豊田市の所属長をはじめ幹部拳士による打合せは毎週行われているとの報告を受けています。大会会場の地元、会場に精通していることでいろんな役割を担っていただく豊田市の皆さん方のご協力にただただ感謝申し上げるしかありませんが、役割を分担している中では15年前の開催準備とは異なり「本当に3ヶ月後に開催するの?」と言われるくらい淡々とここまで進めてきたようにも感じています。台本をきちんと仕上げ、それぞれの役割を十分に組み上げたうえで一気にラストスパートという流れになります。再三お願いしている「ワンコイン寄付」への対応を含めて、全国大会開催の意味をもう一度理解していただいたうえで当日を迎えることができればと考えています。残り3ヶ月を切りました。地区理事を中心に積極的に関わっていただきたいと思います。

 

 

 
 

※少林寺拳法“グループ愛知”ポータルサイト構築計画に伴い以下のサイトが立上っています。

 

(愛知県連盟サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kenrenにて紹介)

  ■15支部サイト掲載(スポーツ少年団・大学・実業団・アトラクションチーム)

※「2019年少林寺拳法全国大会inあいち」

 

(愛知県教区サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kyoukuにて紹介)

   ■56道院サイト掲載

 

再拝

2019 年 9月 1日

愛知県連盟理事長  多月 文博




2019年8月 理事長通信

合掌

 指導者層の高齢化によってグループ組織においては次世代への継承が叫ばれ続けている中、愛知県においては2017年5月に高橋法昇先生(前/名法道院長、初代愛知県連盟理事長)、同年10月には徳嶋繁先生(前/豊橋道院長、第二代愛知県連盟理事長)、そして去る7月29日(火)、前/熱田道院長であり第三代愛知県連盟理事長の藤田昌三先生(大範士・九段・本部66期生)が急逝され、83年間の生涯を閉じられました。この地方の少林寺拳法の礎を築かれた偉大な先輩方を立て続けに失なってしまいました。藤田先生は香川県三豊郡大野原町(現・観音寺市)のご出身で、少林寺拳法が創始されて7年後の1954年に入門、仕事の都合で愛知県に移られてからは1965年に一宮道院、1968年には熱田道院を設立されて以降、県内外を問わず20名近い道院長を輩出、東海地方における少林寺拳法の布教・普及に尽力されました。「続けることに人を育てる基礎がある」とおっしゃっておられたことが私の中には残っていて、とにかく一つのことを続けることの大切さを説き続けられた指導者だったと感じています。いつも穏やかでにこやかに接していただき、私にとっては本当に親しみやすい、温かい先生でした。県連理事長になってからも「悪いことしてるんやないんやから、思った通り自信をもってやったらええんや」と、折に触れて背中を押していただいていたような気がします。道院長交代された後も公私を問わずいろんな行事に参加してくださり、いつも温かく見守っていただきました。門弟の方々に囲まれ笑顔を絶やされない姿は私たち後輩道院長にとっても目指す姿でもありました。決して偉ぶることなく大所高所に立ったアドバイスに幾度となく肩の力を抜いていただいたような気がしています。心よりご冥福をお祈りしたいと思います。

さて、世界は数年前から内向きの社会に向かっています。“自国最優先”“自分さえよければ良い”という考え方は他者を受け容れない閉鎖的な社会を形成していきます。他国との関係はもとより自国内でも分断を生み出します。トランプ政権になってからのアメリカ、EU離脱問題が契機となったイギリスをはじめただお互いの考えをぶつけ合い非難し合うだけでは妥協点を見出せるわけがありません。行き着くところは破滅しかありません。8月6日、広島に原爆が落とされた日から74年を迎えました。米ロで保有する世界の9割(計1万2千発以上)を占める核兵器の存在。核なき世界への希望がますます細っていく現状を私たちはどうすることもできないのでしょうか。

今秋11月23日(土)・24日(日)に開催する全国大会のテーマは『原点回帰 半ばは自己の幸せを 半ばは他人の幸せを』です。原点を見つめ直し、私たちは何を目指す組織なのかを自らを含めて問いかける機会にすべく掲げました。心底“半ばは他人の幸せを”考えるということはどういうことなのかを。先月行われた参院選挙期間中にも候補者同士、政党間での誹謗中傷や非難合戦が絶えませんでした。世の中全体が他者を貶めることでしか自分たちの主張を表現できなくなってさえいるように思います。せめて自分たちの力が及ぶ身近なところから変えていくことに価値を見出していかなければならないとあらためて思っています。

明日8日から暦の上では立秋を迎えます。厳しい暑さをしのぎながら残り3ヶ月となった全国大会準備期間に全力投球です。引き続きご協力をお願いします。

 
 

※少林寺拳法“グループ愛知”ポータルサイト構築計画に伴い以下のサイトが立上っています。

 

(愛知県連盟サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kenrenにて紹介)

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※「2019年少林寺拳法全国大会inあいち」

 

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   ■56道院サイト掲載

 

再拝

2019 年 8月 7日

愛知県連盟理事長  多月 文博

 




2019年7月 理事長通信

合掌

愛知県内のある企業が福島県の震災復興支援のために、社員食堂で使用するお米を福島県産品に変更したという記事が今月3日の中日新聞朝刊に掲載されていました。使用量は年間約26tにもなるらしく、恒常的に震災復興の一助としたいということでした。愛知県連盟は、東日本大震災の発生翌年から県大会出場拳士への参加賞に福島県産のお米を活用してきました。原発事故の風評被害に少しでもお役に立てればとささやかながら息の長い取り組みにしようと始めましたが、今年で6年目を迎えることができました。皆さんからの評判も良く、すっかり県大会に定着した感があります。何でもそうですが、何かを“続ける”ことは実は大変なことです。自分にとって有益な(ためになる)ことだと実感できることや、自分の好みに合っていることであっても続けることで生じる何某かの負担感が蓄積されると徐々に続けることが難しくなっていきます。明確な目的・目標があっても、本人に強い意志があったとしても物理的な条件が絡むこともあって・・・です。小・中・高・大・就職という成長過程における節目で修行を続けることが難しくなり、やがて遠ざかっていくケースを耳にします。しかし、生活サイクルの変化で一時的に道場から遠ざかり通えなくなっても毎日の生活の中で「教え」の実践を続けることができれば、それこそが開祖が目指された「人づくりによる国づくり」に通じる修行の在り方に繋がっていくのではないかと思います。拳士にとっていついかなる状況においても常に少林寺拳法の優先順位が高く、必要とされる取り組みであり続けることが普及・布教する側にとって最も重要な要素であることは間違いありません。修行目的の確立、修行の在り方を拳士一人一人に根付かせる重要性を再認識させられます。少林寺拳法が真に生きるための拠りどころとなる存在であり続けることこそが生涯修行を可能にする要素になると感じています。

さて、去る6月9日に今秋の全国大会開催会場を使用しての東海大会を、近隣県からの参加者も加わる中で何とか終えることができました。皆さんのご協力にあらためて感謝申し上げます。初めて使用する会場で全国大会に向けたいくつかのシミュレーションを行うという目的をもっての取り組みでしたが、本番に向けて様々な課題が浮き彫りとなった大会になりました。大会終了後の疲労感満載の中で採点・集計システム会社のスタッフ、本部職員と共に問題点の抽出とその改善方法について検討会を行いました。個々の役割を見直すことも含めていよいよ残り5ヶ月足らずのラストスパートに入っていきます。県内所属長の皆さんには各地区の役割に一体感をもってご協力をお願いするところですが、その一助となる「ワンコイン寄付」の取り組みにもご協力をお願いします。事務局からも再三呼び掛けておりますが、所属内での積極的な展開をお願いします。

言うまでもなく、全国大会の開催は部外に向けた少林寺拳法の広報と部内組織の活性化に寄与することです。他のスポーツや武道との識別化も重要な目的の一つです。何よりも少林寺拳法を“行じる”私たち自身が少林寺拳法の持つ存在価値や独自性を存分にアピールする場として活用していかなければなりません。“誰が”ではなく“何を”成すべきかにこだわって準備を進めていきます。

今大会は15年前のナゴヤドームでの開催とは異なり宿泊施設の半分以上が名古屋市内となり、会場までのアクセスが約1時間かかる立地条件です。豊田市内とその近隣市町の宿泊施設は全国から来られる拳士や関係者の皆さんのために優先的に使っていただくために県内の皆さんのご協力を切にお願いします。なお、宿泊やお弁当、入場整理券や祝賀会に関する申し込みは『日本旅行予約サイト』(「2019年少林寺拳法大会inあいち」専用サイト)を窓口にします。公平感を保つために全国都道府県での代表拳士選抜大会終了後に予約サイトをオープンしますから今しばらくお待ちください。

 2020年度から本実施となる武専改革に向けて試行錯誤が続いています。急激な変化はどうしても違和感が生じることから従来と大きく変わらない内容で5月に第1回目の“愛知県修練会”を催しました。“僧階学習”とベテラン道院長による“開祖を語る”を軸にした座学を午前中に配して「今伝えなければならないこと」をテーマに引き続き取り組んでいくつもりです。今月21日の第2回愛知県修練会では山口西京道院の長田先生をお迎えして開祖を語っていただきます。受講者の反応も参考にしながらの取り組みとなります。否定的な意見も耳に届きますが、まずはできることから実行していくつもりです。前向きなご意見をお寄せください。

 

 

 

 
 

※少林寺拳法“グループ愛知”ポータルサイト構築計画に伴い以下のサイトが立上っています。

 

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再拝

2019 年 7月 10日

愛知県連盟理事長   多月 文博




2019年6月 理事長通信

合掌

「この世に生を受けてまだ間がない幼い命が理不尽に消えていくことには悲しみが一層つのります。加えてそこに「加害者と被害者」という関係が存在する出来事であればなおさらやりきれなさが残ります。」5月28日午前の通学時間、川崎市多摩区の路上でスクールバスを待っていた小学生19人が包丁を持った男に次々と襲われ、通学途中の小学生1人と見送りに来ていた保護者1人が死亡、3人が重傷を負うという凄惨な何ともやりきれない事件が起こりました。

私も経験がありますが、突然起こった悲しい出来事に対してその関係者はひたすら原因を求め、原因者がいる場合はその対象者に怒りを向けることで一時的にせよ気持ちのバランスを取ろうとします。今回の事件はその後の調べで綿密に計画されたものであり、犯人も自殺してしまっていることから持っていき場のない怒りと共にやりきれなさが一層募ります。事件について軽々に語ることは不謹慎ですが、事故にせよ事件にせよ尊い命が一瞬で失われる悲しみの深さは言葉に表しようがありません。そして続く今月1日、東京都練馬区で父親による長男殺害という事件が発生しました。前述の川崎市多摩区の「児童殺傷事件」を受けて“長男の怒りの矛先が自宅に隣接する小学校の児童に向けられる”ことを危惧して決断との供述とか。長年にわたっての家庭内暴力等も根底にある複雑な事情があったとはいえ、高齢の父親が息子を殺めるという尋常ではない出来事にやはりやりきれなさが残ります。同種の事件の連鎖を防ぐ手立てが求められますが、背景として横たわっている社会環境を考えると一朝一夕に対処できるものではないでしょう。このところ続発している高齢者ドライバーによる暴走事故や依然として無くならないあおり運転等々、様々な原因による人心の荒廃も大きな社会問題となっています。「当たり前のことが当たり前にできる」世の中を目指して私たちは自分にできることを積み重ねていくことが修行の目的の一つでもあります。1947年、戦後まもなく創始された『人づくりによる国づくり』の取り組み。『半ばは自己(わがみ)の幸せを 半ばは他人(ひと)の幸せを』の理念は時の移り変わりにかかわらず人として常に持ち続けていなければなりません。そのためにもまずは『自己確立』、頼りになる自分をつくるためにも自分自身は「常に客観的に自分を見つめる眼を持ち続けたい」と思っています(なかなかできませんが・・・)。

さて6月に入って高校連盟によるインターハイ予選を皮切りに全国中学生大会選考会、秋の全国大会小学生の部の選考会と続き、昨日(9日)に例年の愛知県大会に代わる東海大会を何とか終えることができました。全国大会のシミュレーションという側面を持った大会でしたが、当初の終了予定を約100分超過する運営となってしまいました。出場拳士をはじめ早朝よりまた雨の中、会場に詰めかけていただいた全ての皆様方に多大なご迷惑をおかけする結果となってしまいました。実行委員会として心よりお詫びいたします。主な原因ですが、今回のシミュレーションの目玉となっていたタブレット端末による採点・集計システムの運用については危惧していた通信障害ではなくシステム立上げ作業や、操作方法の不慣れさから生じたトラブル、予選からの抽出組数の問題等がありました。加えて初めての施設の使い勝手から生じるトラブル、出場拳士がなかなか集められなかったことも遅れが生じた原因の一つでした。全国大会に向けてシステム開発会社のスタッフや本部職員も加わっての運用でしたが、多くの課題が浮かび上がりました。他に、大会成績の速報(ツイッターによる配信)や、大会に関する情報を県連HPで発信する等様々なチャレンジについても大会終了後に行われた検討会議では幅広い議論の中で今後の方向性が確認され、全国大会本番に向けていよいよ残り5ヶ月間の勝負となってきました。

雨の中、早朝から街頭や駐車場に立って整理にあたっていただいたスタッフの皆さんをはじめ、各所属での修練以外に定期的に集まって完成度を高めてきてくれたアトラクションチームメンバー、慣れないタブレット端末に終日向き合っていただいた審判の先生方、終日大会運営を支えていただいた全ての所属長や拳士各位に対して改めて心より感謝いたします。ありがとうございました。

皆さんからいただいた声の中には耳を塞ぎたくなるようなご意見、ご指摘もありましたが、正確な事実を把握した上で適切な対策を講じていきます。引き続き一体感をもって全国大会開催に向けて準備を積み上げていきますのでご協力をお願いいたします。

 

 
 

※少林寺拳法“グループ愛知”ポータルサイト構築計画に伴い以下のサイトが立上っています。

 

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再拝

2019 年 6月 10日

愛知県連盟理事長  多月 文博




2019年5月 理事長通信

合掌

このところ高齢者ドライバーの絡む交通事故が絶えません。幼児が被害者となるケースも重なっています。怒りの持っていき場がない理不尽さに関係者だけでなく心を痛め、ただ悲しむことしかすべがないことも同じです。被害者がどういう基準で誰にどうやって決められるのか? 答えのない問いかけを繰り返すしかない堂々巡りが続きます。人に限らず生命に軽重はありませんが、特に幼い命が理不尽に消えていくことには悲しみが一層つのります。歩行者をはじめ交通弱者に対する配慮が世界的にも劣っているとされる日本。ここにも他人に対する感性が問われているように思います。

さて、5月11・12日の両日、全国道院長研修会(一次)が3年ぶりに開催されました。開祖忌法要が行われることもあって参加者は多く、管長講話の中での説明は430名ということでした。部長・監督研修会も同時に開催されましたが、交わることなく全く別メニューでの運営でした。内容的には「各種ハラスメント」「道院経理」について顧問弁護士と顧問税理士がそれぞれ担当され、社会環境の変化に組織が一体となって敏感にかつ迅速に対応していく必要性が説かれました。今回の研修会テーマは個人的には大きく分けて三点。「広報の在り方」「後継者づくり」、そして「コンプライアンス」だと捉えました。超少子高齢化社会の到来や組織機構改革のタイミングもあってグループ組織が急激な縮小化傾向にある中で、金剛禅布教の在り方を模索し現状を打開しようとする組織の苦しさは当然のことながら本山も地方も、そして各道院も変わりありません。各県教区の取り組み報告やテーマ別のディスカッションも組み込まれていましたが、時間の制約もあって中途半端に終わったように感じます。組織の根幹に関わる課題ですから実効性のある施策がポンポン飛び出すわけではありません。個人的にはもう一度原点に立ち返って布教者としての自覚を振り返ってみることから始めてみようと思っています。

組織機構改革以降、法人の区別化でグループ組織内の役割が明確にされています。今回の道院長研修会では秋(11月23・24日)に愛知県で開催される全国大会について触れられる場面はありませんでした。配布資料の中にA4サイズ1枚の大会要項が入っていただけでした。道院長研修会ですから他の法人(一般財団法人)の行事説明をする必要はないという考えかもしれませんが、組織の役割分担の中で少林寺拳法を部外にアピールすることでの効果としては全国大会やインターハイをはじめとした高校・中学の取り組み、つまり一般財団法人の活動に勝るものはないのではないかと思っています。しかも、全国大会に出場する拳士はその大半が道院拳友会所属拳士であることを考えれば二日間の研修日程の中で5~10分程度の説明時間が捻出できなかったのかいささか疑問です。各法人の独立性を高め、区別化を明確にすることの意味は十分に理解しているつもりですが、同じグループ内組織の全国的な行事の案内すら触れないという今回の対応は理解に苦しみます。実際、多くの参加者から“全国大会アピール”がないことに対して「違和感がある」という声と共に大会準備の進捗状況や会場へのアクセス、宿泊ホテルの確保状況等々、たくさんの問い合わせをいただきました。イベントへの盛り上げのためにと早々に仕上げた大会ポスターの掲示された場所は事務所上の錬成道場の入口ということで、今研修会の大部分の日程が行われた講堂や本堂ではなく研修会参加者全員の目に触れる場所でもありませんでした。こんなところにも組織の活性化を阻害するような問題が潜んではいないでしょうか? いずれにしても主管する立場の愛知県としては非常に残念でした。願わくば二次以降の同研修会での柔軟な対応を期待したいと思います。とりあえず、当初の計画通り県連ホームページに貼ってある全国大会バナー「2019年少林寺拳法全国大会inあいち」にアクセスして最新情報を確認していただくよう手当たり次第にお願いをしてきたところです。

 

来月9日には愛知県の代表拳士が選出されます。全国大会のプレ大会としてタブレット端末を使った0.5点単位の採点集計システムが適用されます。式典内容をはじめ随所に秋の全国大会バージョンを試すつもりです。県内の拳士におかれましては大会出場に限らず15年ぶりに開催される全国大会への積極的な参画をお願いします。

 
 

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2019 年 5月 15日

愛知県連盟理事長  多月 文博




2019年4月 理事長通信

合掌

先週末4月20日(土)の午後、本山にて全国都道府県教区長会議並びに全国都道府県連盟理事長・各連盟部長会議が開催されました。昨年は別開催の全国会議でしたが、今年度は理事長・教区長の任期切れに伴う新任研修の絡みもあったのか、同時開催されました。合同で行われた1時間の会議の中では宗由貴少林寺拳法グループ代表(総裁改め)からのご挨拶、あわせて宗昂馬専務理事の副代表就任が発表されました。晩婚化、晩産化に加えて多重ケア世帯の増加等、超高齢化社会を迎える中での組織運営の在り方や方向性を中心に武専リニューアルの現況やその他問題、課題についても話が及びました。その後会場を禅林学園校舎に移して行われた全国都道府県連盟理事長・各連盟部長会議では冒頭、川島一浩(一財)連盟会長から今年度の事業方針・計画についての説明があり、公益性の高い一般財団法人としての役割を果たしていくためにこれまで以上に不特定多数に向けた公益活動を社会に発信していく方向性が示されました。それを受けて広報活動や各種ハラスメントへの対応について6県1グループでディスカッションを行い議論した内容を発表するという手法を取り入れる等、単なる連絡会議の場ではなく双方向の意見交換を中心に本部と地方組織の連携強化を目指す川島会長色が浸透してきているように感じました。各県ではそれぞれ特色のある広報活動も行われていることから、「点を面に変える活動」の必要性について発言させていただきました。

さて、翌日の4月21日(日)には春日井市総合体育館において2019年度の愛知県連盟定期総会ならびに愛知県教区全体会議に加えて今回から新たに設置された「愛知県UNITY運営委員会」総会も開催し、2018年度事業報告と収支報告(UNITY運営委員会は収支報告を参考資料提出)、2019年度事業計画(案)と収支予算(案)を原案通り承認していただくことができました。毎月慌ただしく開催している所属長会議での意見交換を少しでも補完したいという執行部の思いから、今回は議案書に記載している内容説明を極力省いて質疑応答中心に進めさせていただきました。“拳士数の減少化傾向に歯止めをかけるための具体的な対策の効果”や“指導者の高齢化状況”、“東海大会・全国大会に向けた準備状況や予算内訳”に関すること、“個人情報の取り扱いに関する要望”等々、多岐にわたって質問が出されました。特に、これまで一般社団法人SYORINJI KEMPO UNITYからの委託事業として県連で実施してきた昇格(昇段・昇級等)に関する事業と専門学校禅林学園の武専運営を引き継いだ「愛知県UNITY運営委員会」に関する質問も多く、想像以上に皆さんへの周知度が低く感じられ、具体的かつ丁寧な説明があらためて必要と感じました。UNITY本部から示された会則で網羅しきれていない部分についても早急に内規でカバーする等の対応も必要だと感じましたし、早いタイミングで対応したいと思います。県連、県教区、県UNITY運営委員会の役割分担をもう一度きちんと整理したうえで各所属の負担について再構築しなければならないと痛感しています。

4月7日(日)から新方式での武専がスタートしました。所属長をはじめ県内拳士のご理解のもとまずは無難なスタートとなりましたが、5/26、7/21、3/8の3回はUNITY武専ではなく愛知県独自開催の「研鑽会」という位置付けなります。次世代に開祖の思いを伝える取組の真価が問われることになります。伝えたいこと、伝えなければならないことと、学びたいこと、身につけたいことをいかに継続して結び付けていけるかが運営側の課題です。コミュニケーションを今まで以上に大切にして乗り切っていきたいと考えていますから引き続きご協力をお願いします。

まだまだ浸透していないかもしれませんが、愛知県連盟のホームページに「2019年少林寺拳法全国大会inあいち」のバナーを貼って、大会準備状況をはじめとして様々な情報を発信していく環境を整えつつあります。是非、ご覧になってご意見もお寄せください。

 

 
 

※少林寺拳法“グループ愛知”ポータルサイト構築計画に伴い以下のサイトが立上っています。

 

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再拝

2019 年 4月 22日

愛知県連盟理事長  多月 文博




2019年3月 理事長通信

合掌

 天災が不意打ちする日本列島。“平成”は自然災害が特に記憶に残る時代でした。2019年3月11日・・・。2011年の発生から数えて8回目のその日を迎えました。「東日本大震災」の被災地では先週あたりから犠牲となられた方々を悼む鎮魂のための行事や未曽有の大災害を風化させないための様々な取り組みが紹介されています。しかし、昨年発生した西日本豪雨や北海道地震、それに相次いだ台風や記録的な猛暑などの自然災害によって多くの人が被災したことですらたった数か月で記憶が薄れがちになってしまう時間の流れはあらためて私たちに自然に向き合う姿勢を問いただす試練を与えようと準備しているのでしょうか。災害関連死を含む死者はこの一年で22,131人(昨年同時期より2,598人)に増え、行方不明者もいまだ2,533人(同 ▲52人)も残っていらっしゃるということです。避難生活を余儀なくされている方も約52,000人、復興住宅や商業施設などハード面での復興に比べて被災者の方々の止まった時間を動かすことの難しさを感じずにいられない8回目の春です。

さて、昨日行われた武専で最後の修了式(新方式への移行期間が2025年度までは残されていますが)を執り行いました。2018年度研究科修了者は6名。参列していただいた在籍拳士の方々もいささか少なく感じられる節目となりましたが、まずは無事に修了式を迎えられた方々の11年間の長きにわたる自己研鑽の取り組みに敬意を表します。と同時に、在籍者の減少になかなか歯止めをかけることができていない現状に対して改めて運営責任者としての責任を深く感じる機会となりました。どこに問題があるのか?どう対処していけばいいのか?の答えは一朝一夕に見出せることではありません。今年度は武専リニューアルの件もあって、一年間かけて在籍者の皆さんとの意見交換に努めてきましたが、まだまだ積極的にやりとりする雰囲気にまでは至っていないかもしれません。新年度においても皆さんとのキャッチボールを続けていくことで答えを見つけていきたいと思っています。何よりも、所属長各位に対して武専への参加を呼び掛けていきます。指導体制の構築も容易ではありませんが、可能な限り学ぶ意欲を高められるような選択肢も増やしていきたいと考えています。

愛知県における少林寺拳法は1962年9月に始まりました。以来57年間、諸先輩方によって布教・普及が図られて今に繋がっています。先の大戦直後に創始され、大きく変化していく社会環境の中で変わらない「教え」と「技術」を伝え、育み続けることは並大抵の取り組みではなかったと思います。今を生きる私たちはこの変わらない「教え」と「技術」を次に伝え続ける重要な役割を等しく担っています。各所属で、そしてこの自己研鑽の場を通してです。そして、県内のすべての拳士自身が日常生活の中で教えを実践し続けることがその役割に通じることだと思っています。

 

 

昨年の理事長通信11月号から武専改革に関する発信を続けてきました。来月以降の武専運営についてある程度理解していただけたのではと思っています。   ※以下、再掲

 

【主な変更点(抜粋)】

➀予科・本科・高等科・研究科の4科11年制から単年度の取り組みとなります。

 年間開催回数は10回から6回となりますが、愛知県独自に4回追加します。

※2019年度は全国大会開催のため3回追加して計9回開催します

 [UNITY武専]:6回

 [愛知武専]:4回(2019年度は全国大会開催のため3回) ※県連HPに開催日を掲載

 

➁在籍拳士(現在、予科1年~研究科3年)は「指導者養成コース」に所属して、武階別(初・二段、三段、四段、五段以上)で受講していただきます。

 旧研究会、旧研究院所属拳士は県独自開催の「修練応援コース」に所属して武階に関係なく引き続き受講していただきます。

  ・従来の内容に加えて特昇対策、僧階昇格、初心者・休眠復帰等(検討中)

 

➂制度移行期間(2025年度までの7年間)現在籍拳士(予科1年~研究科3年)が最長7年間(現在の学年によって1年ずつ異なる)継続することで研究科修了扱いになります。

   ※論文提出必要

 

※少林寺拳法“グループ愛知”ポータルサイト構築計画に伴い以下のサイトが立上っています。

 

(愛知県連盟サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kenrenにて紹介)

  ■15支部サイト掲載(スポーツ少年団・大学・実業団)

 

(愛知県教区サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kyoukuにて紹介)

   ■56道院サイト掲載

 

再拝

2019 年 3月 11日

愛知県連盟理事長  多月 文博




2019年2月 理事長通信

合掌

 競泳女子の池江璃花子選手が今月12日、白血病を患っていることを公表しました。来年の東京五輪では金メダルの有力候補と目されており、日本水泳界のみならず海外にも衝撃が走りましたが、弱冠18歳の女性アスリートの勇気ある告白に、各界から応援の声が上がっていることにとどまらず、骨髄バンクへの問い合わせやドナー登録が急増するなど、世界を舞台に活躍を続けるアスリートの発信力の高さに改めて驚かされます。「越えられない試練は与えられない」という前向きな考え方や意志の強さに勇気づけられた人も多いのではないでしょうか。今後、彼女が闘病生活を通じて発信されるだろうコメントについても注目されます。一日も早い回復を祈りたいですね。

さて、「第三者委員会」という名称を目にする機会、耳にする機会がここ数年圧倒的に増えた気がします。以前は大手企業の不祥事や事件、教育現場でのイジメ等による人権にかかわる深刻な問題が発生した時にその当該企業や学校、教育委員会や行政が「第三者委員会」を設置して事実関係を把握するための調査や再発防止策等改善案の提案を求めるための手法として用い、それなりに存在感を示して設置目的にかなうような結果に結びつけてきたように思います。しかし、ここ数年頻発している公的機関、特に最もあってはならない政府機関における数々の不正や疑惑、不祥事に対する「第三者委員会」の設置に関していえば第三者とは名ばかりで、委員会メンバーの選任からしてすべてに利害が絡む政争ツールとなってしまい、むしろ真実を隠蔽するために「第三者委員会」を設置して導き出された調査結果を正当化しようとする意図が見え隠れしているようにも感じられてなりません。そもそも第三者委員会とは当事者である当該企業や団体の構成員ではない独立した「第三者」によって構成されるべき委員会で、不祥事等を中立的な立場から調査・分析するために設置されるものであって、多くは弁護士や公認会計士等の専門家や学識経験者等専門的知見を有する者によって組織され、内部調査による事実を正確に把握することはもちろんのこと、原因究明や再発防止策の提案等まで明確に行うことでその存在感を示すものでなければならないと思います。権力側が自分たちをより正当化するための手法として利用するようになってはなりません。現場を押さえられない限りは何とでも言い逃れができるかのごときこのところの政権運営にため息しか出てきません。東京新聞・望月記者の質問封じの手法にしてもしかりです。国家の品格が問われます。

昨年の理事長通信11月号から武専改革に関する発信を続けています。併せて、毎月の武専授業の中でもディスカッションの時間を捻出していただき、20~30分間学生の皆さんと意見交換を行ってきました。2019年4月以降の武専運営についてある程度理解していただけたのではと思っています。ここに至る根本的な経緯についてはもちろん十分に理解していただきたいところですが、まずは制度そのものがどうなるかを理解していただき受講手続きに移っていただきたいと思います。  ※3/1~3/15日までの間にマイページから手続きをお願いします。

【主な変更点(抜粋)】

➀予科・本科・高等科・研究科の4科11年制から単年度の取り組みとなります。

 年間開催回数は10回から6回となりますが、愛知県独自に4回追加します。

※2019年度は全国大会開催のため3回追加して計9回開催します

  [UNITY武専]:6回

  [愛知武専]:4回(2019年度は全国大会開催のため3回) ※県連HPに掲載

➁在籍拳士(現在、予科1年~研究科3年)は「指導者養成コース」に所属して、武階別(初・二段、三段、四段、五段以上)で受講していただきます。

 研究会、研究院所属拳士は「修練応援コース」に所属して武階に関係なく受講していただきます。

   ※午前中の座学も含めて一日のタイムスケジュールは大きくは変わりません

➂制度移行期間(2025年度までの7年間)継続することで研究科修了扱いになります。

   ※論文提出あり

 

◎詳細については3月度の武専(3/10)で再々度説明します。

 

 全国大会に向けての取り組みは6月9日開催の東海大会でシミュレーションできるように準備しているところです。採点・集計はタブレット端末を使って行います。開催要項や申込ファイルの配信等順次進めていきますが、受付時点からの作業をシステム会社が担当することになるので、申込期限は厳守していただきます。これまでのように直前まで変更や追加受付することはできないことを十分にご理解ください。

※少林寺拳法“グループ愛知”ポータルサイト構築計画に伴い以下のサイトが立上っています。

 

(愛知県連盟サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kenrenにて紹介)

  ■15支部サイト掲載(スポーツ少年団・大学・実業団)

 

(愛知県教区サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kyoukuにて紹介)

   ■56道院サイト掲載

 

再拝

2019 年 2月 20日

愛知県連盟理事長  多月 文博




2019年1月 理事長通信

所属長の皆様へ

 

合掌

所属長の皆様におかれましてはよき年をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。

旧年中は県連運営・県教区運営、そしてUNITY運営委員会(昇格・武専)に対して様々なご指導・ご協力をいただきありがとうございました。心より感謝申し上げます。

 

 さて、昨年の理事長通信1月号では武専改革の第一報として専門学校禅林学園からSYORINNJI KEMPO UNITYに運営母体が移行することを取り上げ、詳細不明のままでまずは皆さんへの協力を呼び掛けました。その後、年度も変わった10月下旬になってようやく「2019年度からの武専について」UNITY運営委員会会則、武専の制度、運営、内容等の概要が示され、一気に2019年4月スタートに向けて動き出さなければならなくなりました。しかし、示された内容への理解度や準備期間の短さ等もあって各地区から様々な意見が出されたようで、中には2019年度実施の再考を求める上申もあったように聞いています。一方、愛知県は近隣県と意見を交わしながら一定の方向性を共有しつつ、あくまでも予定通りの実施に向けて準備を進めてきました。十分とは言えないまでも所属長や在籍学生の皆さんへの説明を繰り返すことも準備の一つでした。少林寺拳法創始の頃とは格段に社会環境が変化していく中で、その時々に組織は的確にかつ柔軟に対応を繰り返して今に繋がっていると信じています。前後を含めて6年間にわたったSKPは組織を取り巻く環境の変化に対応せざるを得なかったこととはいえ、一方では有形無形に大きな代償をもたらしたことも事実です。この度の武専改革もその延長線上にあると思っています。少林寺拳法の発展を草創期から支え、普及拡大に大きく貢献してきた武専の役割をこれまで以上に高めていかなければならないのがこの改革の最も重要なところだと認識してが、昨年末ぎりぎりのタイミングで、しかも唐突に「新制度の実施を一年間延期し、2020年度から」とする通知がもたらされました。理由は、移行期間が短いことに加えて詳細の周知不十分、各地区へ十分な理解が行き渡っていないと判断したとのことでした。県連では次年度の施設確保のための使用団体間調整も既に終えており、在籍学生の次年度受講手続きも始まっている中での“一年間延期”通知にどう対処するかを検討していますが、これ以上の混乱を避けるために個人的には予定通り粛々と進めていくべきではないかと考えています。

組織を構成するものにとって「組織決定」は重いものです。ここに至る意思決定の段階での課題や問題点は地方組織の我々にはわかりませんが、実施に向けた手順に問題はなかったかといえば、間違いなくあったと思っています。引き続き、武専学生の皆さんには極力影響が及ばないことを最優先に検討を進めているつもりですし、所属長各位、休眠中の有段者の皆さんにとっても参加していただけるような取組にしなければならないと考えております。引き続きご理解をお願いします。

 さて、本年11月23・24日に開催する「2019年少林寺拳法全国大会inあいち」(スカイホール豊田)に向けての準備をいよいよ本格的にスタートさせていかなければなりません。愛知県で初めて全国大会を主管したのが1984年の愛知県体育館でした。次いで2004年にナゴヤドームでの開催、そして今回が15年ぶりの全国大会開催となります。連盟本部には全国中学生大会やインターハイ等で実績を重ねてきたタブレット端末を使用した採点方式導入を提案しました。今後の大会の在り方に少しでも繋がるようなアイデアを他にも盛り込んでいきたいと考えています。会場へのアクセスは名古屋駅を起点にすると所要時間1時間程度。来県者のための宿泊施設確保交渉も会場のある豊田市を中心に第二段階に入りました。全国各地の選考会開催に合わせて早めの放出も検討しています。愛知県連盟のホームページには既に全国大会のバナーを貼り付けて、準備の状況も逐次発信しています。大会当日には結果も含めて全ての情報発信をここから行っていく予定ですから、今からでも是非ご覧いただきたいと思います。(『愛知県教区』各道院の活動情報もご覧になれます)

 

本年も、引き続き県内各所属の活性化に向けて試行錯誤を繰り返しながらの取組みとなりますが、皆様との十分な対話を心掛けてこれまで以上に風通しの良い、そして柔軟な組織運営を目指していきます。

愛知県連盟・愛知県教区にとって充実した一年となるよう引き続き皆様のご理解・ご協力をお願い致します。

 再拝

2019年1月吉日

愛知県連盟理事長 多月 文博

愛知県教区教区長 林  正義

 

 

※少林寺拳法“グループ愛知”ポータルサイト構築計画に伴い以下のサイトが立上っています。

 (愛知県連盟サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kenrenにて紹介)

  ■11支部サイト掲載(スポーツ少年団・大学・実業団)

(愛知県教区サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kyoukuにて紹介)

   ■54道院サイト掲載




2018年12月 理事長通信

合掌

2018年も残すところ10日となりました。平成最後の年となったこともあって、今年一年の振り返りだけではなく平成の時代30年間を振り返る報道をいろんな機会で目にします。そんな中で先日、恒例の今年一年の世相を一文字で表す漢字が「災」と発表されました。西日本豪雨や北海道地震、それに相次いだ台風や記録的な猛暑などの自然災害によって多くの人が被災したことやスポーツ界でのパワハラ問題、財務省の決算文書改ざんをはじめとした国の機関によるあるまじき行為、そして大学の不正入試問題等々によって多くの人がこれらを人災と捉えたことが挙げられています。今では年末の恒例行事の一つともなっている“今年の漢字”は平成7年から始まり今年を含めてこれまで24文字が選ばれています。第1回目の平成7年は「震」。この年の1月17日に阪神・淡路大震災が発生して大きな被害がもたらされています。平成最後の今年が「災」。“地震国日本”、自然災害と向き合わざるを得ない我が国の歴史を象徴的に捉えているように感じます。

さて、11月の「理事長通信」で2019年度からの武専運営について概要を説明しました。その後、(一社)SHORINJI KEMPO UNITYから各所属長と武専在籍者に対して「2019年度からの武専について」の説明文書が一斉配信されました。これを受けて12月9日(日)の所属長会議、武専授業の中で愛知県としての方向性をお話ししました。しかし、次年度から大きく変わる武専の形を理解することはなかなか難しく、教員を含めた運営スタッフの中でも理解が進んでいないことを痛感させられました。何よりも、今現在武専に在籍されている拳士の皆さんに理解していただかなければ継続判断等検討のしようがないので、方針概要について再度説明を加えます。

 

《(一社)SHORINJI KEMPO UNITYからの通知》

 ■各科11年制(予科~研究科)そのものが廃止となり、単年度4コース制で6回/年となります。内訳は

① 指導者養成コース…従来の予科~研究科に該当します

② 指導者コース…従来の研究院、研究会に該当します

③ 聴講生コース…年間を通じて受講できない拳士のためのコース(指導者養成コース所属)

④ 修練応援コース…休眠拳士も受講できる地区企画の自己修練の場

※在籍特典についてはこれまでどおり昇格考試の際に基本受験条件が減免されます。

※2018年度在籍者への特例措置として2019年度~2025年度の移行期間中にいくつかの要件を満たせば昇格条件等に関わる「研究科修了」扱いとされます。

例えば今年度高等科3年~研究科3年に在籍する拳士は2019年度1年間の受講と論文審査に合格することが要件。予科1年に在籍する拳士は2025年度までの7年間の受講と論文審査に合格する等、学科年に応じて要件が定められています。(※一部を紹介)

※開催回数は6回/年となるほか11年間の修行年限や出席回数、審査も廃止となります。

※今年度在籍拳士への特例措置や授業内容、年間予定表等々の細かい部分については省略しますので、各自で一斉配信された通知文書を熟読して下さい。

《愛知県の方針(案)》

■“在籍学生のサポート”を最優先するためこれまで同様に昇格考試と武専は同時開催することとし、2019年度は9回開催します。具体的な開催日は愛知県連盟ホームページを参照してください。但し、岐阜県・三重県での合同開催は反映されていません。

 

これまでの各科11年制(予科~研究科)は以下のコースに変更します。

【指導者養成コース】※受講費用については一斉通知文を参照してください

  ・従来の予科1年~研究科4年生は資格別(武階別)に分かれます。

【指導者コース】※受講費用については一斉通知文を参照してください

  ・従来の研究院生が所属し、これまで通りの指導内容、体制となります。

【修練応援コース】※受講費用については別途説明します

  ・所属長を含む研究会生が所属し、考試員・審判員養成や特昇対策の技術修練等地区独自のプログラム内容で行います。

 

岐阜県・三重県とも同じ方向性をもって連携が取れる環境を目指します。合同開催も希望が多いため維持していく方向で調整しています。今回の武専改革が所属長や学生の皆さんにとって少しでも参加しやすく自己研鑚の手助けになるようこれまで以上に内容の充実に向けて検討しているところです。

いろんな制約が示されている中でどう展開していけるのか、運営経費の捻出、確保も頭の痛い運営要素の一つです。現在在籍されている拳士はもちろんのこと、所属長にも可能な限り参加していただき物心両面でのご協力をお願いします。

 

※少林寺拳法“グループ愛知”ポータルサイト構築計画に伴い以下のサイトが立上っています。

 (愛知県連盟サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kenrenにて紹介)

  ■11支部サイト掲載(スポーツ少年団・大学・実業団)

(愛知県教区サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kyoukuにて紹介)

   ■54道院サイト掲載

再拝

2018 年 12月 20日

愛知県連盟理事長  多月 文博