「理事長通信」カテゴリーアーカイブ

2020年6月① 理事長通信

合掌
全国に発令されていた緊急事態宣言が先月25日に全て解除されたことを受けて、我が組織においても翌26日に修練再開を認める「集会による活動禁止」指示が解除されました。3密回避など、引き続き感染予防に必要な対策を徹底しながらの活動再開となりますが、約3ヶ月以上に及んだ活動制限を無駄にしないためにも感染防止対策により一層慎重な取り組みが望まれます。各所属で絶対に感染者を出さないという取り組みは継続中だということを心しておかなければなりません。月が変わり、県内所属の大半が今月から動き出しました。色々な制約もあり、特に技術修練のメニューを工夫しながらの取り組みになるでしょうが、拳士との久しぶりの“面授面受”を楽しみながら修練の再開に感謝したいですね。振り返れば3月1日に予定していた考試員・審判員講習会をはじめ、それ以降の県内行事は軒並み中止してきています。早期の県大会中止もその時点では大きな決断でした。例月の昇格考試も今のところ8月末まで中止の指示が継続中ですが、修練再開を受けてこちらは来週早々にも何らかの動きが出てきそうな雰囲気ではあります。昇格考試については3月以降の休止中も各所属においては必要に応じて該当月の受験者登録をしていただいておりますが、このところの感染状況沈静化を踏まえて県連では来月(7月)中の昇格考試再開も視野に入れて会場確保に動いているところです。今月も含めると4ヶ月分の昇格考試が滞留していることになるので、早々の解禁が待たれるところです。尚、実施月にかかわらず遡って申込月が適用されるため、特に新中学生の特例措置(~6月までは少年部科目で受験)については心配には及びませんが、該当する拳士については必ず6月の受験申込をお願いします。

さて、今回のコロナ禍では緊急事態宣言発令下での外出制限や在宅勤務等の影響もあって、テレビをはじめ様々なメディアを通じて多くの情報に接する機会が大幅に増えました。終日にわたって流れる感染防止に対する政府対応はもちろんのこと、具体的に指示・展開する役割を担った各都道府県知事以外にも各市町の首長が発揮するリーダーシップについても国民の多くの関心が集まりました。危機に瀕してトップの判断・決断、そして発信力が注目されました。判断・決断を下すための優先順位や基準をどこに置くのかはもちろんですが、何を中心に据えての判断かが問われたと言えます。何よりもトップの覚悟が試されたように思いました。と同時に、非常時における自国力(特に、生産現場や備蓄に関して自給力や潜在能力)の脆弱さも思い知らされることとなりました。今後に向けてのリスク管理が問われることでしょう。そして、何よりも国民と政府との信頼関係が問われたのではないでしょうか。“火事場泥棒”という比喩が再三使われたように、国民を軽視した国のトップの在り方が問題視されたのだと感じています。問題・課題山積の中で“誰が”ではなく“何を”為すかが当然優先されるべきことです。それが為されていないところが感染拡大と共に国難として懸念されるところだと考えています。
約3ヶ月間の活動自粛期間を皆さんはどう過ごされたのでしょう? 私は4月後半から6週間にわたって週2日の出社でしたので、これまでにため込んでいた過去資料を一気に整理することができました。特に、いつか役に立つかもと15年間保管していた段ボール1箱分の“2004年全国大会資料”を、(昨年11月に)その役割を終えたこともあってやっと廃棄することができました。他にも2001年以降の20年分の定期総会資料はまだ残していますが、過去資料というのはとても重要な役割を持っています。過去に行われた事例やその時々の判断に至る経緯、根拠、先例は時に後任者の作業効率を高め、精度を高め、教訓を伴って正しい方向を示してくれます。規模の大小はあっても組織にとっては貴重な歴史の一つだと考えています。比較にはなりませんが、国民を軽視し、公文書管理をズタズタにして頬かむりするどこかの国の政権とは根本的に違うということです。

開祖が言われる“人間関係の豊かさに価値を感じられる生き方”はお互いの信頼関係を一層強固にするということです。そういう組織運営を常に心掛けていかなければならないと思っています。

再拝
2020年6月3日
愛知県連盟理事長 多月 文博

※少林寺拳法“グループ愛知”ポータルサイト構築計画に伴い以下のサイトが立上っています。
 (愛知県連盟サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kenrenにて紹介)
  ■11支部サイト掲載(スポーツ少年団・大学・実業団)
(愛知県教区サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kyoukuにて紹介)
   ■59道院サイト掲載




2020年5月 理事長通信

合掌
「緊急事態宣言」が、明日14日にも『特定警戒都道府県』の一部とそれ以外の34県全てで解除される公算が強くなってきました。新たな感染者数の発生状況や医療体制の逼迫状況を含め、様々な感染拡大防止対策によって一定の歯止めがかかっているという判断と、経済活動の停滞をこれ以上引き延ばすことができないという政治的判断のバランスの中での決断かと思われますが、新型コロナウイルスに対する防疫の優等生と評価された韓国でさえ感染が再燃し始めている等、現状が把握されていない発展途上国への医療支援を含めてまだまだ先の長い見えない闘いと言えます。そんな中での緊急事態宣言解除は今後の生活に何をもたらすのでしょうか。少なくとも引き続いて“リスクとの共存”であって、すぐに以前の生活に戻れるということではないということを心しておかなければならないと思います。緊急事態宣言が解除された場合、小中高校の再開はどうなるのでしょうか。今月中の段階的な再開を含めて6月からの再開と夏休みの短縮というのが全国121自治体の大方の方向性であるように報じられてはいます。
さて、各所属での修練(集団活動)は今のところ8月末までの中止が指示されています。各種行事開催についてもご存じのとおりですが、今回5月11日付でマイページに修練形態についてグループ方針が示されました。主な内容は、修練再開にあたっての留意事項です。その中で、「自治体や地域の方針を遵守すること」とあります。修練再開に向けては緊急事態宣言の解除はもちろんのこと、最低でも小中高校の再開をひとつの判断基準としていましたので、今回示されたグループ指示による留意事項を守りながら、そしてまたこれまで取り組んできた感染拡大防止対策を確実に実施することで各所属の判断に委ねたいと考えています。
『3密を回避しての修練形態について』(5月11日付)を熟読して修練再開に向けての指針としてください。
 再拝
2020年5月13日
愛知県連盟理事長 多月 文博

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2020年4月 理事長通信

合掌
全世界を巻き込んで新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。昨年末に中国・武漢から発生して以来、瞬く間に世界177ヶ国に拡がりを見せ、今日(4月2日午前)現在で感染者数は93万人を超え、死者も約4万6千人を超えています。国内においても連日の報道によって感染状況はご存知の通りですが、愛知県では感染者数183人、死者も19人と発表されています。身近なところでは、我々が活動拠点にしている愛知県武道館でも感染報道が出ました。3月下旬に武道館剣道場を使用した愛知県警機動隊所属の2人が発症したとのことです。練習参加の9人が発熱したことで、接触可能性がある49人に待機命令が出されています。これを受けて県武道館では4/2~15日までの二週間を休館とする対応がとられます。県連では2月21日にはじめて感染拡大防止に向けた対応を発信しました。まず、3月1日に開催予定だった考試員・審判員講習会を中止にしたことを皮切りに3・4月に行う予定だった全ての行事、5月31日に予定していた愛知県大会の中止についてもいち早く中止を決断して皆さんのご理解を求めてきました。見えない敵、得体のしれない敵との戦いは防ぐ手立ても術も手探り状態で、先の見えない戦いに人も社会も疲弊するばかりの消耗戦の様相を呈してきていますが、今まで以上の危機管理の迅速さと的確さが求められています。
そんな状況の中、県内所属の3月8日時点での活動状況は約3割(42/134所属)が活動を継続中でした。一ヶ月が経過した現在の状況は集約できていませんが、小中高校の休校再開の動きと同調される傾向があるのではないでしょうか。ただ、市町の公的施設をはじめ利用している施設側からの自粛要請等でやむなく活動中止を継続しなければならない所属も少なからずあるようです。年度替わりのこの時期は入会・入門希望者や復帰希望者、就職や進学に伴う転籍希望者等で見学者も多くなるタイミングです。普及・布教活動に影響はないかと言えば、間違いなく大いにあるでしょう。だからと言って無作為な活動は絶対に慎まなければなりません。まさに“守主攻従”に徹する時期なのではないでしょうか。ちなみに私のところは5月ゴールデンウィーク明けまで修練休止を拳士に伝えてあります。長期間に及ぶ休校によって子供たちは言うに及ばずご家族のストレスも相当なものと推測できます。修練を休んだからといって感染に絡まないという保証はどこにもありませんが、リスク管理をひとつずつ積み重ねていくことが大切だと考えています。拳士たちにも自分たちが果たす責任の重さを考える機会にしようと呼びかけました。
 さて、愛知県連盟の新年度が始まりました。昨年の今頃は全国大会開催に向けての準備が本格化してきた時期でした。それを思うと、今年の全国大会を主管される大阪府連盟の取組の難しさはいかばかりかとも思いますが、経験・組織力を存分に振るわれる舞台を今から楽しみにしたいと思います。
年明け早々からの新型コロナウイルス感染拡大を受けて年度末行事が全て中止となったまま年度替わりを迎えました。特に、昇格考試は3・4月を中止にしたことで新中学生の取り扱いや、次資格受験期間への影響を心配される拳士もおられるかもしれませんが、特例措置が取られますから安心していただきたいと思います。愛知県大会については感染状況の悪化を懸念して早目の決断をさせていただきました。7月19日に全国大会選考会として愛知県武道館にて代替開催する予定ですが、特に小中学生拳士にとっては年に一度の楽しい機会を減らしてしまったようで申し訳ないと思っています。各所属でも拳士への説明をお願いします。
所属長に対しましては4月26日に開催する予定だった定期総会・全体会議を中止したことで、昨年度の運営全般に対して直接ご意見やご質問をうかがう機会を減らしてしまいました。来週以降に議案書を郵送させていただきますから記載内容に対するご質問の受付、それに対する回答書の返送という形で皆さん方の承認を得たいと考えています。今のところ、早くて5月17日に開催予定の所属長会議でも補足説明できればと考えています。
感染拡大に向けてまだまだ予断を許さない状況となっています。活動継続中並びに活動再開される所属については国が示す感染予防措置を確実に講じることをお願いします。引き続き、ご理解・ご協力をお願いします。
                        再拝
                      2020年4月1日
               愛知県連盟理事長 多月 文博

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2020年3月 理事長通信

合掌
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、安倍首相が全国の小中高校に3月2日から春休みまでの臨時休校を要請したことで、全国的に大きな波紋が広がっています。首相は「政治決断」という単語を盛んに使って独断に近いとされる今回の休校要請の必要性・正当性をアピールしていますが、有識者を含めた政府内の検討内容はじめ要請決断に至った経緯も根拠も示されない状況に、国内には一層の混乱と不安が拡がっています。感染拡大を防止するためにこの1~2週間の対応がキーポイントとされていますが、丸投げされた地方自治体の試行錯誤が続きます。姿が見えないウイルスとの闘い、効果が期待できない不安も持ちながらの対策、とは言え生活を維持していくための現実問題とも向き合わなければならない対応に否応なしにさらされています。
さて、危機的な状況を想定するときによく使われる二つのキーワードがあります。「危機管理」と「リスク管理」です。この二つは似た響きがあり、同じような文脈で用いられることが多いため、混同されることも多くて間違いやすいのですが、実際のところ、リスク管理と危機管理では管理する対象が異なります。「危機管理」とは、「すでに起こってしまったトラブルに関して、事態がそれ以上悪化しないように状況を管理すること」。マイナスの局面から脱出し、一刻も早く平時の状況へと戻すために危機管理が求められるのです。これに対して「リスク管理」(リスクマネジメント)とは、「これから起こる可能性のある危機・危険に備えておくための活動」と定義されています。“備えあれば憂いなし”という言葉があるように昨今の自然災害にあらかじめリスクを想定して備えることはこれまでの大規模災害被災時の教訓からみても非常に重要な対応です。もちろん、将来起こりうるあらゆるリスクに万全を期すことは不可能ですが、発生の可能性や実際に発生した場合のインパクトなどを総合的に評価した上で、優先順位をつけて「リスク管理」に取り組む必要があります。危機的な状況に瀕した時の「危機管理」を迅速かつ効率的に進めるためにも「リスク管理」の精度が問題となります。今回の新型コロナウイルスの感染拡大に対してこの二つの“管理”はどうだったのでしょうか?政府の対応が「後手、後手に回っている」と指摘されていますが、周到な「リスク管理」も適切な「危機管理」も機能しなかったのであればこの指摘も致し方ないように思います。
振り返って我が組織の対応、県連の対応についても様々なご意見や問い合わせが寄せられています。特に、昇格考試については準備を重ねてきた拳士の気持ちを考えると、運営側としては予定通り開催したいとする方向性を持っていましたが、開催行事全般の扱いについて優先順位や波及するであろう問題、感染リスクを考慮して開催の可否をギリギリまで検討し判断してきました。結果的に3月末までに予定していた行事は現時点で全て中止にしていますが、この判断で良かったのかどうか、また、皆さんに通知するタイミングの是非についても意見が分かれたところです。国の方針やそれを受けての自治体判断、そして施設管理者の対応と拳士・保護者の判断等々、個人的な考えを優先することがためらわれます。あらためて“二つの管理”の大切さを痛感します。
そもそも国の専門家会議が感染拡大防止に向けて「ここ1~2週間が瀬戸際」としたのが2月24日。ここを起点に考えると2週間目は3月9日。もちろん感染の拡大状況がどうなっているかの判断が最優先ですが、どのタイミングで対応を変えていくかも大きな判断となってきます。県連では所属長から寄せられた意見をもとに各所属の対応状況(活動休止状況と再開に向けた意向)を緊急調査しています。活動再開に向けての判断材料をまとめて皆さんに提供するためです。安倍首相が全国の小中高校に春休みまでの臨時休校を要請したことで感染の拡大状況がどう変化していくのかをもちろん参考にしていかなければなりませんが、しっかりと予防措置を講じることで活動再開に向けて踏み出せるのであれば対応策を探っていくべきではないかと考えています。引き続き、ご理解・ご協力をお願いします。
 再拝
2020年3月5日
愛知県連盟理事長 多月 文博

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2020年1月 理事長通信

合掌
イギリスのEU(欧州連合)離脱が1月31日に実現しました。2016年6月の国民投票から3年7カ月、紆余曲折を経ての離脱です。47年間にわたって加盟してきたEUからの離脱。国民投票以来、離脱条件やそもそも本当に離脱するのかをめぐっての激しい議論によって政治や国際社会までもが混乱しましたが、離脱が実現したことで大きな転換点を迎えたことになりました。今回に至るまでには過去3回にわたって離脱延期を余儀なくされましたが、昨年12月に行われた総選挙で離脱の実現を目指したジョンソン首相率いる与党・保守党が圧勝したことで、混乱が続いてきた議会の審議にやっと終止符が打たれました。国を超えた政治の可能性を探ってきたEU。独仏など欧州6カ国が1952年に前身となる欧州石炭鉄鋼共同体を創設して以来、2013年のクロアチア加盟まで28カ国に拡大してきたEUは、初めて加盟国が減少する事態となり、まさに正念場となります。
今、世界は国境を超える問題に満ち溢れています。地球温暖化の影響が問われる気候危機、今この瞬間も拡大を続けるコロナウィルスをはじめとした感染症問題、移民・難民問題や金融危機と、国単位ではとても解決できない地球規模の問題ばかりです。そのうえ、問題解決に向けての国際連携・協調をあざ笑うかのような自国第一主義の台頭や移民・難民の排斥等、『優しさに満ちた世界』の構築とはあまりにかけ離れた政治の劣化ともいうべき問題が横たわっているように感じます。EUのつまずきはそんなことへの影響も彷彿させます。
さて、新年早々の先月11日(土)に全国理事長会議が開催されました。全国大会終了後はじめての全国都道府県連盟理事長・事務局長が一堂に会する機会でもあり、全国大会開催にあたっての多くのご支援に対して直接お礼を申し上げることができました。各都道府県連盟からは「素晴らしい大会だった」「運営スタッフが落ち着いて対応していたことが印象に残った」「観客席の規律が守られていて座席を探すこともなく落ち着いて観覧できた」等々、運営に対してすこぶる高い評価をいただくことができました。また、今大会の出場記念品として作成した全出場拳士一人一人の記念写真も何とか仕上がったことから、各都道府県連盟・各連盟にお配りすることもでき、写真の出来栄えはもちろんこのアイデアに対しても絶賛していただきました。
今大会のテーマは『~原点回帰~』でした。社会も私たちの組織も様々な課題に直面している今、私たちの日々の修行の原点は何か?何を目指すべきなのか?を考える機会にしようとの思いから掲げた大会テーマでした。それを伝えるためにアトラクションの内容もこのテーマに帰結するように組み立てました。“羅漢錬拳図”を前にして少林寺拳法開創を思い立たれた開祖の思い。たった一人の思いから世界に伝搬していった幸福運動を20分にまとめたのがアトラクションのストーリーでした。
また大会中、320名を超える運営スタッフの中には一度も会場には入ることなくひたすら役割を担っていただいた方々もたくさんいらっしゃいました。それぞれがそれぞれの役割の中で“他人(ひと)を思い、ひと手間にこだわり”実践した結果がひとつの成果を生み出しました。手前みそにはなりますが、まさに『優しさに満ちた世界』を感じられた大会だったように思っています。あらためて関係各位に対して感謝、お礼申し上げます。「ありがとうございました。」
1月13日(祝日)に本山にて師家承継式が行われました。グループ組織にとって大きな節目となりました。前に進むために、まさに『原点回帰』が問われる一年になるのではないでしょうか。個の活性化を連帯して大きな流れに繋げていくこと、愛知県にとっても“点”を“面”に繋げる活動を目指して取り組む一年となります。引き続き、ご協力をお願いします。

 再拝
2020年2月1日
愛知県連盟理事長 多月 文博

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2020年年頭あいさつ(愛知県)

所属長の皆様へ

 

合掌

所属長の皆様におかれましてはよき年をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。

旧年中は県連運営・県教区運営、そしてUNITY運営委員会(昇格・武専)に対して様々なご指導・ご協力をいただきありがとうございました。

特に、11月23・24日に愛知県では15年ぶりの開催となりました「2019年少林寺拳法全国大会inあいち」(スカイホール豊田)に対して絶大なるご協力をいただきました。大会後に各方面から寄せられた大会運営に対する評価はどれも温かく、まずは主管連盟としての責任を果たせたことに安堵しています。あらためて関係各位のご協力に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

 さて、振り返れば昨年も世界各地で紛争や自然災害の絶えない一年でした。世界規模で生み出される「格差」と「分断」の波は一層激しさを増し、他を受け容れない風潮は年々拡大の一途を辿っています。「今・ここ・私」に象徴される〇〇ファーストが世界中に溢れています。そんな中、新年早々世界に激震が走りました。アメリカーイランが一触即発の状況に陥っています。今後、攻撃と反撃の連鎖で両国は限りなく直接対決に近づくことが懸念されています。しかし、これも専門家の見立てでいけばアメリカ・トランプ大統領の大統領選再選絡みの一手とみる向きも多く、真偽はわかりませんがとんでもない公私混同ととれなくもありません。アメリカの大義はあるのか否か?「動機善なりや 私心なかりしか」はここでも問われているのではないでしょうか。

昨年末の28日、本山主催で東海四県教区の意見交換会が名古屋市内で開催されました。組織が抱える課題の共有と近隣組織の連携を目的に開催されたものです。42年間超に及んだ宗由貴・第二世師家に代わって2020年初から宗昂馬・第三世師家がグループの先頭に立たれました。『世界で一つの少林寺拳法』が社会で果たすことのできる役割をこれまで以上に発揮していくためにも地方組織の活動内容、活性化が求められます。グループ内各組織の役割をもう一度我々自身が整理していく必要がありますが、核となるのは各所属の活動内容であることは言うまでもありません。各所属を“点”に例えるなら県連・県教区は“面”の活動です。“点”を“面”に繋げる活動、月1回の所属長会議はそのための根幹をなす機会だと捉えています。この組織に所属する限りは方向性を合わせること、そのためのコミュニケーションはとても重要です。県内各ブロックや各小教区活動にもかなりの温度差があるのも事実です。まずは月1回、顔を合わして意見を交わすところから始めてみませんか。

昨年の全国大会テーマは『原点回帰』でした。少なくとも開祖の「思い」「志」に共鳴して今の活動があるわけですから、原点を見つめ直して再スタートを切ろうではありませんか。

本年も、試行錯誤を繰り返しながらの取組みとなりますが、皆様との十分な対話を心掛けてこれまで以上に風通しの良い、そして柔軟な組織運営を目指していきます。

愛知県連盟・愛知県教区にとって充実した一年となるよう引き続き皆様のご理解・ご協力をお願い致します。

 再拝

2020年1月吉日

愛知県連盟理事長 多月 文博

愛知県教区教区長 林  正義

 

 

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2019年12月 理事長通信

合掌

 全国大会開催から1ヶ月が過ぎました。一大イベントをやり終えた余韻に浸る間もなく関係各所への報告やお礼行脚のかたわら県連・県教区の定例行事の開催、加えて本部での考試員・審判員講習会に特昇考試員、そして年内〆切の論文審査にも追われながら、気がつけば2019年も残り1週間になってしまっていました。今週末28日には本山主催の東海四県意見交換会も設定されていて、まさに慌ただしく令和元年が暮れようとしています。米・朝・中・韓と我国を取り巻く環境は相変わらず厳しい状況が続いていますが、それ以上に深刻なのが政治の劣化、国政に対する信頼感の後退、“長期政権のおごりここに極めり”という案件が続出している状況です。「虚偽」「癒着」等々、大袈裟かもしれませんが民主主義の崩壊に向かって憂慮すべき事態が続いているように思えてなりません。あらためて「人、人、人、すべては人の質にあり」と説かれた開祖が存命であれば何を話されどんな行動をされるのかと思わずにはおれません。開祖の遺志を継いだ私たちはどうあるべきかも問われています。

さて、このたびの全国大会開催は愛知県にとって15年ぶりの取組みでした。前回開催の2004年はシンボルマークが“卍(まんじ)”から“双円(そうえん)”に変わる年、そして今回は年号が代わり、師家承継という大きな節目の年での開催となりました。大会後に全国から寄せられる評判もすこぶる良く、いくらか割り引いたとしても「温かくて記憶に残る大会」だったという評価は素直に受け止めたいと思っています。「どのスタッフも落ち着いていて、皆さん笑顔で対応していただいたのが印象的でした」との声を多くいただきました。初めて配置した“コート責任者”の対応やアトラクションでの『羅漢錬拳図』(縦4m×横8m)の再現をはじめ、様々なアイデアやチャレンジに対しても好意的な評価をいただくことができました。さらに今月9日から、県大会ではおなじみのインターネット上での記録写真公開ではその数約35,000枚以上がアップされていて、出場拳士が大会を視覚的に追いかけることもできるように環境を整えました。ユーチューブでもかなりの数の動画が配信されており、あわせてご覧いただくことで大会の雰囲気を少しでも懐かしく感じていただければと思っています。今大会の出場記念品は出場拳士一人一人の組写真です。出場拳士2,623名一人一人に対して配布するべく事務局長が必死に頑張ってくれています。まさしく「温かくて記憶に残る大会」になってほしいと願っています。

 
 

【記念写真サイト】

「2019年少林寺拳法全国大会inあいち」で検索

 所属名:takada  イベントパスワード:sk1123  を入力

 

 

来年2020年度の行事予定表(一部未確定分含む)を事務局から配信しました。例年通り愛知県武道館を中心とした行事予定を組んでいますが、年々他団体との調整が難しくなってきています。加えて、全国大会絡みで今年使用しなかった愛知県体育館についても希望月の調整がつかず、来年度の愛知県大会はスカイホール豊田での開催を目指して調整に入っています。

2020年度から全面移行する武専リニューアルの考え方は社会状況の変化や生活時間の制約を考慮して開催回数を減らす選択を指示されています。参加する負担を少しでも減らそうという考え方です。しかし、愛知県では開催回数を維持することで学ぶ環境を維持していこうという選択をして今年度取り組んできました。県連行事についても同じ考え方で、最低でも月に一度は所属長が顔を合わせる機会を維持していこうという考え方に立って次年度の行事予定を組んでいます。“水は易きに流れる”ことを考えると安易に行事を減らしたくはないと思っています。費用対効果は常に検証しつつ判断していかなければなりませんが、縮小対応は極力避けたいと考えています。ご理解いただければと思います。

淡々と取り組んだつもりの全国大会でしたが本当にたくさんの方々に支えていただきました。県内はもちろんのこと、今大会に関わっていただいた全ての関係者の皆さん方に心より感謝、お礼申し上げます。

本当にお疲れさまでした。そして、ありがとうございました。

 

 

 
 

※少林寺拳法“グループ愛知”ポータルサイト構築計画に伴い以下のサイトが立上っています。

 

(愛知県連盟サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kenrenにて紹介)

  ■15支部サイト掲載(スポーツ少年団・大学・実業団・アトラクションチーム)

※「2019年少林寺拳法全国大会inあいち」

 

(愛知県教区サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kyoukuにて紹介)

   ■56道院サイト掲載

 

再拝

2019 年 12月25日

愛知県連盟理事長  多月 文博




~全国大会を終えて~ 理事長通信

合掌

 23日(土)、24日(日)の二日間に亘って行われた「2019年少林寺拳法全国大会inあいち」を無事に終えることができました。大会規模についてはすでにお伝えしているところですが、天気予報に反して幸運にも二日間とも天候に恵まれ(22日金曜日の夜間の降雨で一部駐車場が使用不可)、混乱することなくほぼ予定通り開催することができました。全国からの出場拳士はもちろん、3,000名を超す観覧者の皆様、約320名の大会スタッフをはじめ大会運営に携わっていただいた全ての関係者に心から感謝申し上げるところです。

振り返れば、今大会を開催するにあたって一番の問題は施設の確保でした。当初候補に考えていた名古屋市南区笠寺の「ガイシホール」が2019年度に大規模修繕に入るということで使用できないことがその後判明し、施設規模からいってこの時点で候補施設は豊田市の「スカイホール豊田」しかありませんでした。しかし、2019年ラグビーワールドカップのPV(パブリックビューイング)会場となることがすでに決まっており、開催日は例年よりも1ヶ月遅らせざるを得ないことや、初めて使用する施設の使い勝手やアクセスの課題等も抱えたままで、見込み発車せざるを得ない状況でした。幸い、豊田市の関係部署や体育協会のご配慮もあり、6月と今回の11月に使用することが確定してホッと一安心したことが思い出されます。準備にあたっては豊田市少林寺拳法協会の皆さんの並々ならぬご協力のもとにほぼ全ての役割に絡んでいただき、“改善”に次ぐ“カイゼン”を重ねて準備作業を練り上げてくださいました。

さて、今大会ではいくつかのチャレンジをしました。審判員がタブレット端末を使用する採点・集計システムの導入と、そのことに伴う0.5点制の審査方法を採用したことです。また、情報発信ツールとして県連ホームページやTwitter、Facebookを有効活用して出場拳士の要望に応える試みもしました。審判員の皆さんにタブレット端末の操作により慣れていただくために、大会期間中もトレーニング環境を設える等のサポート体制にも取り組んでみました。今後の全国大会運営に向けて貴重な取り組みでもあったと自負しています。

今大会のテーマは『~原点回帰~半ばは自己の幸せを 半ばは他人の幸せを』でした。世界的に内向きの社会が形成されつつある現在、それでも私たちは“半ばは他人の幸せ”を考えられる人を目指します。創始の頃と大きく変化した社会環境の中で変わらなければならないことと変わってはならないことを再確認し合う場として掲げました。大会最後のアトラクションでは会場に掲げた『羅漢錬拳図』(縦4m×横8m)の前で出場拳士や審判員、運営スタッフも加わって一体感を演出できた光景は感慨深いものとなりました。

一方で、今大会には一切関わっていただけなかった所属長も少なからずおられました。様々な事情や意見、思いもあることでしょうが組織の一員として各地区内で了解されていることなのだと理解しています。

開催地として意思表示してから約2年間、所属長会議で方向性を説明しながらほぼ執行部だけで準備を進めてきました。経済的にも時間・労力としても所属長の皆さんに新たな負担を強いることなく通常の県連運営と並行して取り組んできました。大会直前には「本当に1ヶ月後に大会をやるのか?」というような意見も出たりして、開催に向けての一体感や意識の高揚といった面では乏しかったのではとの意見も承知しています。しかし、愛知県には大会ノウハウが蓄積されている強みがあったので、私としては規模が大きくなることで発生してくる課題、蓄積されたノウハウに更に上積みしなければならないことに粛々と対応していけばおのずとゴールが見えてくるのではないかという考えを持っていました。大会前の数か月間、担当地区によってはほぼ毎週集まってシミュレーションを繰り返して作業の精度を高めていただきました。起こりうるトラブルへの対処、リスク管理の徹底に取り組んでいただきました。

また、大会の流れの中で重要な役割を担ってくれたアトラクションチームの頑張りも見逃せません。大会テーマをチームで消化した結果ストーリー性のある演武構成となり、そして披露されて多くの感動を得たのだと思っています。所属も住所も違うメンバーが定期的に集まっての練習は本当に大変だったと思います。サポートメンバーも含めて十分に存在感を示していただきました。残念だったのはメンバーの一人が初日に怪我をして、晴れの舞台で躍動できなかったことです。出場を止めた所属長の判断、本人の悔しい思いは想像するに難いことです。願わくは、また歩き出してほしいと思います。

語りつくせない様々な出来事や感動と共に大会を無事に終えることができました。今後の大会運営を見据えてチャレンジしたタブレット端末を活用した0.5点制の採点集計システムも次大会に繋がっていくものと思います。まだまだ膨大な残務処理もありますが、まずは大きな責任を果たせたことに主管連盟として安堵しています。そして、県内はもちろんのこと、今大会に関わっていただいた全ての関係者の皆さん方に心より感謝、お礼申し上げます。

本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。

 
 

※少林寺拳法“グループ愛知”ポータルサイト構築計画に伴い以下のサイトが立上っています。

 

(愛知県連盟サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kenrenにて紹介)

  ■15支部サイト掲載(スポーツ少年団・大学・実業団・アトラクションチーム)

※「2019年少林寺拳法全国大会inあいち」

 

(愛知県教区サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kyoukuにて紹介)

   ■56道院サイト掲載

 

 

再拝

2019 年 11月26日

愛知県連盟理事長  多月 文博

 




2019年11月 理事長通信

合掌

 「2019年少林寺拳法全国大会inあいち」開催までいよいよ2週間をきりました。昨日10日(日)は午前中に今大会に向けて最後の実行委員会、午後は豊田市内の所属長やスタッフを中心に設営・駐車場警備・集計等の分科会と、尾張地区が加わって集計担当者の会議もあり、詰めの段階になっています。しかし、担当(地区)ごとの準備状況にはこの段階でもバラツキがあり、残り10日間が開催への正念場です。2017年9月に開催地として名乗りを上げてから約2年、県連執行部を中心に鋭意準備を進めてきましたが、名古屋市内から会場までの移動時間が約1時間、初日23日(土)の同じ時間帯には近接する豊田スタジアムでサッカーJ1の公式戦開催、そしてG20外相会議の名古屋開催による高速道路を含む交通規制等、自分たちだけでは対応のしようがない状況も重なってきて、いろんなリスクを想定しながらの開催となります。全国からの出場拳士は2,623名、観覧者は3,000名を超え、大会会場となるスカイホール豊田の収容席4,450席(可動席含む)を大きく超える状況が見込まれています。加えて懸念されるのは大型荷物の置き場所や席取りの対応ですが、観客席最上部にあるエリアの活用で大型荷物の置き場所を確保し、自分勝手な席取りに対しては巡回班を増員して繰返し協力を呼び掛けるしかないと考えています。昼食時間には正面玄関前に愛知県発のカレー専門店「CoCo壱番屋」のキッチンカーを出店し、イベント性も演出する予定です。すでにご存知の通り、今大会での最大のチャレンジはタブレット端末を使った採点集計システムの採用です。常時14コート70名の審判員の方々にはタブレット端末を使用して0.5点制の演武審査をお願いすることになっています。道院長研修会やその他本山・本部行事に合わせて本部審判員の皆さんにはタブレット端末の体験に取組んでいただきましたが、通信障害等のハード面でのトラブル発生防止も含めて本番での円滑な進行を目指しているところです。

初日23日(土)18時開始の祝賀会には209名の参加申し込みがありました。県外からの希望者を優先するため県内関係者は申込を控えていただいた経緯もあることから、残り30名の申込受付を急遽昨夜県内に発信したところです。

さて、シンボルマークが卍(まんじ)から現在の双円に変わったのが2005年。15年前、ナゴヤドームでの全国大会開催は胸に卍(まんじ)をつけての最後の大会でした。創始から72年を数え、世の中が大きく変化してきています。世界規模で内向きの社会が形成されていく激変の時代にあっても“変えてはならない”「教え」の日々実践こそが我々の修行の原点でなければなりません。そこにこそ「生涯修行」への道筋が見えてくる気がしています。

今大会テーマは『~原点回帰~“半ばは自己の幸せを 半ばは他人の幸せを”』です。

愛知県として今できる精一杯の大会運営を目指しています。引き続きご協力ください。

 

 
 

※少林寺拳法“グループ愛知”ポータルサイト構築計画に伴い以下のサイトが立上っています。

 

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※「2019年少林寺拳法全国大会inあいち」

 

(愛知県教区サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kyoukuにて紹介)

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再拝

2019 年 11月11日

愛知県連盟理事長  多月 文博




2019年10月 理事長通信

合掌

 『対岸の火事』と『他山の石』。対義語に近い印象の“ことわざ”ですが、用い方によっては類語としても扱われる場合もあります。「自分には何の関係もなく、痛くもかゆくもない」という『対岸の火事』、「他人の良くない行いも自分を高めるための行いに参考にする」という『他山の石』。しかし、『対岸の火事』を自分自身に関係のある事のように用いることで‘無関係’から‘戒め’とする意味を持たせることもできるので類語にもなるように思います。“渦中(火中)”にいながらそのことに気づかないで取り返しのつかない結果を招くということはとても不幸なことです。当事者個人がしっぺ返しを受けるだけならまだしも、自分が所属する組織やもっと大きな単位で言うところの国や世界に不利益がもたらされるような結果を招くのであれば、まさしく取り返しのつかないことになります。何かあったときに『対岸の火事』を決め込むのか、『他山の石』とするのかで結果は全く異なるものになってしまいます。そういう意味では「逃亡犯条例」改正案反対をきっかけとして始まった香港デモが、対中警戒感から「香港デモ」を支援する動きが台湾にも拡がっていることや、先ごろニューヨークで行われた国連の気候変動サミットでのグレタ・トゥーンベリ(16歳・スウェーデン人)さんの怒りのスピーチに対するアメリカ・トランプ大統領の対応(ツィート)は私たちに多くのことを投げかけているように思います。見廻せば『対岸の火事』で済ませてはならないことが私たちの日常に多く存在しているのではないでしょうか。起こった事象の本質や方向性を見抜く力以前に何を最優先の価値観とすべきかの判断がその先を大きく左右するように思います。発生から8年が経過した東日本大震災に起因した福島第一原発事故を機に世界は一部の国を除いて自然エネルギーの活用へと大きく転換を図ろうとしました。未曽有の自然災害に連動した原発事故を『対岸の火事』としなかったからです。しかし、当事国だった日本はというと、相変わらずエネルギーの原発依存を変えないばかりか、原発の海外輸出を官民一体となって推進してきました。その結果、この分野での立ち遅れが歴然となり環境問題に関しても明確な取り組みを発信できずにいるように思います。当事者でありながら『他山の石』とすることなく、まるで『対岸の火事』のように受け止めているのではと指摘されても仕方ありません。世界的な枠組みの中での我が国の判断・発言には常にアメリカとの関係性が絡んでいるように感じてしまいます。日本が日本らしいリーダーシップを果たせることを期待したいところですが、『良いことは良い 悪いことは悪い』と言うことの難しさは私たちの想定をはるかに超えるものなのでしょう。

さて、9月28日(土)に全国理事長会議(全国教区長会議同時開催)が開催され、喫緊の諸課題に対する一定の結論が報告されました。10月20日(日)の所属長会議で詳細報告すると共に今後の対応についても理解していただかなければならない内容を説明する重要な機会となるので、全所属長の出席をお願いするつもりです。

いよいよ全国大会開催まで2ヶ月を切りました。一昨年末に開催が決定し、準備に伴う県内所属長の負担を極力抑えるためにほぼ実行委員会の中で進めてきたことで、「本当に2ヶ月後に開催するのか?」といった質問まで事務局に寄せられています。毎月の所属長会議の中で折に触れて企画や進捗状況を説明してきたつもりですが、伝わりにくく理解しにくい部分が多かったと反省しています。ただ、そもそも開催県として手を挙げる時に、皆さん方の手を極力煩わせることがないように準備を進めるという方針でいたので、15年前のナゴヤドーム開催時とは緊迫感がまるで違ったものになっているとは思います。しかし、毎月の地区会議で各地区の役割分担をはじめ運営スタッフの選定も進められています。スタッフジャンパーも10月20日に配布する予定です。各所属長におかれましては少なくとも開催両日の出欠は確定していることと認識しています。全体像が見えないというご指摘には今月の所属長会議でもフォローしていきたいと思います。県連HPの「全国大会バナー」から接続される「日本旅行の申し込みサイト」は、ホテルについては10月11日(金)17時まで、祝賀会・弁当・入場整理券は10月27日(日)まで延長することになっています。ご確認ください。

『集中』と『分散』を意識しながらここまで進めてきました。残りの1ヶ月は一気に担当する役割を理解し、展開していただき当日に備えていただきます。一体感をもって全国からの仲間を迎えたいと思います。ご協力をお願いします。

 
 

※少林寺拳法“グループ愛知”ポータルサイト構築計画に伴い以下のサイトが立上っています。

 

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  ■15支部サイト掲載(スポーツ少年団・大学・実業団・アトラクションチーム)

※「2019年少林寺拳法全国大会inあいち」

 

(愛知県教区サイト:http://shorinji-aichi.jp/wp/kyoukuにて紹介)

   ■56道院サイト掲載

 

再拝

2019 年 10月 1日

愛知県連盟理事長  多月 文博